社会・経済の動き@しんぶん.yomu第1117号

労働力人口、過去最多の7千万人  

総務省の労働力調査によると、15歳以上の働く意欲がある労働力人口は2024年に6957万人に上ることが分かった。前年比32万人増加し、比較可能な1953年以降で過去最多だった。働く高齢者や女性に加え、外国人労働者の増加が背景にあり、民間予測では2030年には7千万人を超えるとの予測も出ている。とくに、65歳以上の高齢者は946万人にも上り、2000年から1.9倍も増加し、人口当たりの労働力人口比率は26.1%で、4人に1人以上が働く意欲がある計算となる。

転入超過は7都府県に拡大  

総務省は2024年人口移動調査で、47都道府県のうち7都府県は転入者が転出者を上回る「転入超過」となったと発表した。とくに東京都は転入超過が前年から1万1千人増の7万9285人で最多となり、新型コロナ禍から一転して東京一極集中が再び進行した。併せて、東京をはじめとする東京圏(埼玉・千葉・神奈川)も転入超過となり、山梨、大阪、福岡も転入超過となった。とくに、大阪圏(京都・大阪・兵庫・奈良)は現在の集計方法となった2014年以降で初めて転入超過となった。

2024年有効求人倍率、3年ぶり減  

厚生労働省は2024年平均の有効求人倍率は1.25倍となり、3年ぶりに減少した。有効求人倍率は仕事を求めている1に対し何人の求人があるかを示すもの。有効求人倍率が減少に転じたことに関し、同省では「企業の人手不足感は強いものの、原材料価格の上昇などのコスト増で求人を控える動きがあった」とみている。有効求人倍率はコロナ禍前の2019年の1.60倍を依然回復できていない現状にある。

小中高生の自殺者、過去最多の527人  

厚生労働省のまとめによると、去年1年間に全国で自殺した人は2万268人で、統計を開始した1978年以降で2番目に少なくなったことが分かった。しかし、小中高生の自殺は過去最多の527人だった。内訳をみると、小学生が15人、中学生が163人、高校生が349人となっている。同省の担当者はこどもの自殺対策として「SNSを活用した相談体制の拡充、子どもが自殺未遂を起こした際に学校の先生などに助言を行う危機対応チームを設置する」としている。

2024年コンビニ売上高、過去最高に  

日本フランチャイズチェーン協会は主要コンビニ7社の2024年の全店売上高は11兆7953億円だったと発表した。前年比1.2%増となり、3年連続で過去最高を記録した。背景には、訪日客の増加に合わせた需要の取り込みに成功したのに加え、気温上昇による好天に対応した行楽需要に応えたパンやおにぎり販売が好調だった。一方で、物価高で生活防衛意識の高まりから、1人が1回の買い物で使った平均客単価は0.05%減の720.2円だった。

外国人労働者、230万人で過去最多  

厚生労働省の調査によると、外国人労働者は前年比25万3912人増加の230万2587人となったことが分かった。過去最多を記録。国別ではベトナムの約57万人が最も多く、全体の約25%を占めた。急増している中で、「特定技能」や「技能実習」の在留資格で働く外国人が増加し、医療・福祉分野での労働者が急増している。同省では「外国人労働者がどの国を選ぶかは賃金や制度だけで決まるわけではない」としたうえで、「日本の安全性や文化への憧れから日本が選ばれている」としている。

2025年の食品値上げ、8867品目に  

帝国データバンクの調査によると、2025年の飲食料品の値上げは8867品目に及び、年間の平均値上げ率は16%に上ることが分かった。2025年は春先にかけ前年を上回る大規模な値上げラッシュが発生する見通しにある。値上げ要因では、前年の流れを引き継ぎ、原材料の高騰や人件費や物流費などのサービス価格上昇が見込まれている。また、併せて発表された今年2月の飲食料品値上げは1656品目に上っている。

サラ川柳100句、コメ不足や物価高を反映  

第一生命保険が発表した恒例の「サラっと一句!私の川柳コンクール」の優秀作品100句で、コメ不足や物価高を反映した句が多数選ばれた。「面くらう コメの高値に 麺喰らう」「ワンコイン グルメランチが 懐かしい」など物価高に苦しむ世相を詠んだ句が多い。また、新紙幣発行では、現金に触れる機会が減ったことを表す「キャッシュレス 影薄くなる 偉人たち」や、AI技術の進歩に苦心する姿を詠んだ「AIの 使い方聞く AIに」などが100句に選出された。

社会・経済の動き@しんぶん.yomu第1116号

日銀、政策金利を0.5%に利上げ決定  

日銀は1月24日の金融政策決定会合で政策金利を0.25%から0.5%に追加引き上げを決定した。この引上げによって、2008年10月以来約17年ぶりの水準となる。引上げの背景には、2025年春闘での賃金引上げが予想されることに加え、トランプ米大統領就任による市場での波乱もないことから、引き上げに舵を切ったとみられる。日銀では「経済・物価の見通しが実現していけば、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していく」としており、さらなる引き上げを示唆している。

2024年出生数、初の70万人割れ  

厚生労働省は人口動態統計で2024年1~11月に生まれた赤ちゃんの数は66万1577人となったと発表した。前年同期比5.1%減で、日本人の出生数が初めて70万人を割り込む可能性がある。少子化に歯止めがかかっていない状況にあり、背景には物価高による子育てへの経済的不安が高まったことに加え、未婚傾向も拍車を掛けている。国立社会保障・人口問題研究所の将来推計では2024年の出生数は75万5千人で、70万人を割り込むのは2038年と見込んでいた。

消費者物価指数、3年連続での上昇  

総務省は2024年平均の全国消費者物価指数(2020年=100)は生鮮食品を除く総合指数が107.9となり、前年比2.5%上昇したと発表した。3年連続での上昇となり、同時に発表された2024年12月の指数は109.9となり、上昇は40ヵ月連続となった。2024年平均で米類のうち、うるち米(コシヒカリを除く)が前年比28.8%と年間で過去最大の上昇となり、12月の消費者物価でも米類の上昇率は前年同月比64.5%となり、3ヵ月連続で過去最大の伸びを更新している。

外国人の入国者数、最多の3678万人  

出入国在留管理庁は2024年の外国人入国者数は過去最多の約3678万人となったと発表した。統計を開始した1950年以降で最多を更新した。同庁では国際定期便の増加やインバウンド(訪日客)に有利な円安が続いていることが背景にあるとみている。新規入国者を在留資格別にみると、観光客らの「短期滞在」が最多の約3336万人で、「留学」(約17万人)、「技能実習」(約15万人)が続いた。

鳥インフル、過去最多を上回るペース  

農林水産省は養鶏場などでの抗原性鳥インフルエンザの感染拡大が年明けから加速していると発表した。1月だけでも約418万羽が殺処分の対象となり、これまで過去最多だった2022~23年を上回るペースとなっている。昨年10月に過去最も早く感染が確認され、今月19日までに14道県・39件にまで広がり、全体での殺処分対象数は約693万羽にまで上っている。感染拡大を受け、鶏卵価格に波及し、JA全農たまごの鶏卵価格(Mサイズ基準値)は、1キロ250円と前週より1割以上高くなっている。

東京23区マンション、2年連続1億円台  

不動産経済研究所は2024年の東京23区の新築マンション1戸当たりの平均価格は1億1181億円だったと発表した。前年の平均価格1億1483万円を僅かに下回ったものの、2年連続で1億円台となった。高止まりしている背景には、建築費の高騰などが挙げられている。また、人手不足などから着工減となり、首都圏全体では14.4%減の2万3003戸となり、調査開始の1973年以降で最少となった。

出版物の販売額、3年連続で前年割れ  

出版科学研究所の調査によると、2024年の出版物(紙と電子の合計)の推定販売金額は1兆5716億円だったことが明らかになった。前年比1.5%減で、3年連続で前年を割り込んでいる。内訳をみると、紙の出版物(書籍・雑誌)は5.2%減の1兆56億円だったのに対し、電子出版物は5.8%増の5660億円だった。雑誌の休刊や町の書店の閉店が相次いでおり、紙の出版物市場の1兆円割れが目前に迫ってきている。

救急車到着まで10分、過去2番目の長さ  

総務省消防庁のまとめによると、2023年に救急車が通報を受けてから現場に到着するまでの所要時間は全国平均で約10.0分だった。前年より0.3分短縮したものの、過去2番目の長さであることが明らかになった。同庁の担当者は「出動が増加し、最寄りの救急隊が現場に向かえないケースが増えた」と所要時間が長くなった要因を分析している。一方、出動件数は前年比5.7%増の763万8558件で、過去最多となった。

社会・経済の動き@しんぶん.yomu第1115号

2025年基礎的収支、4.5兆円の赤字  

政府が経済財政諮問会議に示した国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)の中長期試算によると、2025年度の収支は4兆5千億円の赤字となることが明らかになった。政府は昨年7月時点で8千億円の黒字となる見通しを示していたが、約5兆8千億円もの大型経済対策の歳出増で一転して赤字に陥ることとなった。諮問会議は「財政状況は着実に改善しており、早期の黒字化に向けて歳出改革の継続」を求めた。

2024年企業倒産、11年ぶりに1万件超  

東京商工リサーチの調べによると、2024年の全国企業倒産(負債総額1千万円以上)は1万6件となったことが分かった。3年連続で前年を上回り、2013年以来11年ぶりに1万件を超えた。2024年は円安基調で物価上昇、人手不足や最低賃金の引上げ等から人件費が上昇し、幅広い分野でコストプッシュが経営の重荷となったことに加え、コロナ禍の資金繰りで過剰債務の解消が進まなかったことが背景にある。事実、金融・保険業や不動産業を除く10産業のうち、8産業が前年を上回っている。

2024年訪日外国人、最多の3700万人  

日本政府観光局の推計によると、2024年に日本を訪れた外国人旅行者は3686万9900人に上ることが分かった。これまで最多だった2019年(約3188万人)を約500万人上回り、過去最多を記録した。また、日本で消費した金額は8兆1395億円に上り、これまで最高だった2023年の5兆3065億円を約2.8兆円上回る8兆1395億円となり、過去最高を更新した。1人当たりの消費額が最も多かったのは、イギリスの約38万3000円だった。

2023年、年休取得日数は最高の11日  

厚生労働省の就労条件総合調査によると、企業で働く人が2023年に取得した年次有給休暇の平均日数は11.0日だったことが分かった。また、付与された年休の取得率の平均は3.2ポイント増の65.3%となり、取得日数と取得率は過去最高となった。企業規模別にみると、1千人以上が67.0%、30~99人は63.7%で、業種別では、鉱業・採石業・砂利採取業が71.5%で最も高く、飲食サービス業が51.0%で最も低くなっている。政府は「2028年まで70%以上の取得率」を目指している。

南海トラフ地震、発生確率を80%程度に  

政府の地震調査委員会は南海トラフ巨大地震の今後30年以内の発生確率をこれまでの「70%~80%」を「80%程度」に引き上げることを発表した。委員会では「想定された地震が発生しない限り、発生確率は時間の経過とともに高くなる」とし、今年1月13日や昨年8月に日向灘で発生した地震との関係はないとしている。平田委員長は「80%程度というのは、いつ地震が発生しても不思議ではないという数字だ」とした上で、地震への備えを呼び掛けた。

投信残高、過去最高の140兆円  

投資信託協会は2024年末の上場投資信託を除く公募株式投信の純資産総額(残高)は140兆9198億円だったと発表した。前年末比32%もの大幅な増加で、過去最高を更新した。背景には、新しい少額投資非課税制度(NISA)が2024年1月にスタートしたことで、積立投資が個人に広まったことに加え、国内外の株高が押し上げたことが挙げられている。事実、2024年の増加分は投信の購入による資金流入が約15兆3千億円、運用益が約22兆6千億円で大幅に膨らんだ。一方、収益の分配で減少した分は約3兆5千億円だった。

2024年産米、過去最高の2万3715円  

農林水産省の発表によると、コメの出荷業者と卸売業者が売買する際の価格を示す「相対取引価格」は2024年産米の全銘柄平均は玄米60キロ当たり2万3715円だった。比較可能な1990年以降で過去最高値となり、これまで最高だった1993年の大凶作時の2万3607円を上回った。2024年産米が出回った後も価格の高止まりが続き、夏の品薄に伴う集荷競争から一段と相対的価格の上昇懸念が危惧されている。

全国での災害備蓄、主食は9279万食  

内閣府が初めて実施した都道府県と市区町村の災害備蓄状況調査の集計によると、コメ・パン・カップ麺などの主食は全国で9279万食分だったことが分かった。災害備蓄状況では、水が約2970万ℓ、暖房機器や冷房機器はそれぞれ約3万台、簡易ベッドは約57万台、間仕切りは約108万枚などとなっている。内閣府の担当者は調査結果について「主食は一定量の備蓄が確認できた。簡易ベッドはもう少し増やす必要がある」としている。備蓄状況は自治体に年1回の公表を義務付けるとしている。

社会・経済の動き@しんぶん.yomu第1114号

インフルエンザ患者報告数、過去最多  

厚生労働省の集計によると、全国約5千の医療機関から報告された季節性インフルエンザの全国の患者数は1医療機関当たり「64.39人」となり、現在の方法で統計を開始した1999年以降で最多になることが明らかになった。10週連続での増加で、警報の基準となる「30人」の2倍以上に達している。43都道府県で警報レベルに達し、最も多い大分県では「104.84人」で、次いで鹿児島県が「96.40人」が続いている。

国内新車販売台数は7.5%減に    

日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会の発表によると、2024年の前年比7.5%減の442万1491台だったことが明らかになった。背景には、認証不正問題でメーカーでの一時生産停止したことが挙げられている。内訳では軽以外の自動車は5.6%減の286万3626台、軽自動車が10.7%減の155万7868台だった。アメリカ新政権を担うトランプ大統領が世界で懸念する自国ファースト政策で輸入関税強化を打ち出しており、自動車メーカーは内憂外患を抱えている。

日本企業のM&A過去最多の4700件  

M&A調査会社「レコフデータ」の集計によると、2024年に日本企業が関連する企業の合併・買収(M&A)が前年比17.1%増の4700件となり、過去最多を更新したことが明らかになった。背景に上場企業の事業再編の動きが活発だったことが挙げられ、全体の約3割を占めている。一方、経営者が株式を売却する「事業承継M&A」も31.4%増の920件に及び、過去最多を更新した。ただ、中小企業の合併・買収による事業承継において、多額の現預金が吸い上げられる「吸血型」買収もあり、混乱が見られている。

公立小中の8割近くが依然としてFAX使用  

文部科学省の調査によると、全国の公立小中学校の77.1%が業務にFAXを使用していることが分かった。前年調査より18.8ポイント減少したものの、依然として高い使用率となっており、政府は業務効率化を図るために2025年度中に学校でのFAX利用や押印を原則として廃止する方針を掲げており、同省では「一層の協力を促す」としている。FAXでのやり取りをする相手を複数回答で尋ねたところ、「教育委員会」が最多の42.7%だった。

人手不足倒産、過去最多を更新  

帝国データバンクのまとめによると、2024年に従業員の退職や採用難、人件費高騰などを原因とする人手不足倒産は累計で342件に達し、2013年以降で過去最多を更新していることが明らかになった。前年の260件から約1.3倍に急増している。業種別では、建設業が最多の99件で、物流業(46件)で続いた。一方、団塊の世代の殆どが75歳以上の後期高齢者入りする2025年問題に代表されるように労働市場の高齢化が進み、深刻な影を落としている。

南極の海氷、2100年までに25%消失  

海洋研究開発機構などのチームの発表によると、温室効果ガスが現在のペースで増加することで、南極の海氷が2100年までに25%が消失することが明らかになった。気象庁によると、南極の海氷面積は年間で約1200万平方キロずつ増加してきたが、2016年以降、記録的な現象が続き、温暖化の影響が指摘されていた。機構では「温室ガスの削減を先延ばしにしないことがより早い海氷の回復につながる」と警鐘を鳴らしている。

介護職員、初めて減少の212万人  

厚生労働省は2023年10月時点での介護職員数は前年から2万9000人減の212万6000人だったと発表した。統計を開始した2000年以降で初めての減少となった。減少に転じたことに関して、同省では「他産業と比較して低賃金が要因の可能性がある」とみている。事実、毎月勤労統計調査で、全産業平均の現金給与総額が29万2430円だったのに対し、老人福祉・介護事業は21万4536円で約8万円の開きがある。高齢化が進展する中で、介護サービス事業への需要増が見込まれ、職員確保の課題は急務となっている。

交通事故死者数、過去3番目の少なさ  

警察庁の集計によると、2024年の全国での交通事故死者数は2663人で、統計がある1948年以降で過去3番目の少なさだった。死者数が最も少なかったのは1970年の2610人で、昨年はこれに近い数値となった。政府は「2021~25年度の交通安全基本計画」で2025年度までに死者数を2千人以下するとの目標を掲げている。死者の内訳をみると、65歳以上の高齢者が1513人で、全体の56.8%を占めている。

新春の集い講演会のご案内

宮古法人会では、仙台育英学園高校野球部監督の須江航氏をお招きして、下記の内容で新春の集い講演会を開催します。
会員以外の方も聴講できますので、是非ご参加ください。

 【講演の部】15:00~16:30
日 時:令和7年1月22日(水)15:00~16:30
 会 場:浄土ヶ浜パークホテル
 演 題:『失敗から学ぶ~伝わる言葉~』
 講 師:須江 航 氏(仙台育英学園高校野球部監督)
 聴講料:無 料(会員以外の方も聴講可能です)
 お申込:聴講希望者の氏名とお電話番号をお知らせください。
     宮古法人会事務局 Tel0193-63-1214/Fax0193-63-2250
     メール umineko@miyako-houjinkai.com
 
 【交流の部】17:00~18:30
 会 費:6000円 ※当日受付にて頂戴いたします。
         ※当日キャンセルは会費を頂戴いたします。
  
  

社会・経済の動き@しんぶん.yomu第1113号

2025年度予算案、過去最大の115兆円  

政府が閣議決定した2025年度予算案は一般会計の歳出総額は過去最大となる115兆5415億円となった。歳入では税収が6年連続で最大となる78.4兆円を見込んでいるが、不足分を国債発行という依存する体質からは脱していない。一方、歳出は歳出総額の3部の1を占める社会保障費や反撃能力を高める防衛費が大幅に増加している。予算案は1月中旬召集の通常国会で審議されるが、政権与党の衆院での過半数割れから紆余曲折が予想されている。

日本の1当たりGDP、OECD22位に  

内閣府の発表によると、2023年の1人当たり名目国内総生産(GDP)は3万3849ドルとなり、経済協力開発機構(OECD)加盟38カ国中で22位だったことが分かった。1980年以降の前年と同様に過去最低の順位となる。デフレ下での慢性的な低成長、加えて円安進行で影響したことが背景にある。首位にはルクセンブルクの12万8423ドルで、日本は約3.8倍もの開きがあった。また、21位の韓国を2年連続で下回り、2023年に23位のスペインとの差も前年から縮小してきている。

日本の気温は2年連続で過去最高に  

気象庁は2024年天候まとめで、1~11月までの平均気温が平年(1991~2020年の平均)を1.64度上回り、これまで最高だった前年のプラス1.29度を超え、2年連続で過去最高となることが確実になったと発表した。同庁によると、温暖化で気温が底上げされていることに加え、2024年は偏西風が平年より北寄りを流れることが影響し、温かい空気に覆われやすくなり、「異常な高温だった」と話している。

元日の年賀郵便配達、5億枚を割り込む  

日本郵便の発表によると、2025年の元旦に配達する年賀状などの年賀郵便数は約4億9052万枚だったことが分かった。年賀郵便の元日配達数は2011年に20億枚、2022年に10億枚とそれぞれ超えていた。今年は前年より34%減。わずか4年で4分の1にまで減り、過去10数年で減少数は最も大きかった。昨年秋の郵便料金が大幅に値上がりしたことに加え、「年賀じまい」が大幅な減少に拍車を掛けたことが響いているとみられる。

「防災庁」創設に賛成も、優先度は低く  

日本世論調査会の世論調査によると、政府が2026年度創設を目指す防災庁には83%が「賛成」との意向を示していることが分かった。一方で、国や地方自治体が力を入れるべき地震対策では(2つまで回答)、「災害対策を専門にする省庁の創設」は5%にとどまり、防災庁創設には圧倒的に賛成が多いものの、優先度は低いことが明らかになった。優先度で最も高いのは(2つまで回答)、インフラ復旧支援(68%)で、地震直後の救助活動(43%)、被災者の生活支援の充実(29%)が続いた。

「巳年」生まれは1002万人  

総務省は2025年1月1日時点での「巳年」生まれは、男性が485万人、女性が516万人の1002万人だったと公表した。また、18歳の新成人は109万人で前年より3万人増えたものの、過去2番目に少なく、依然として少子化の状況にある。新成人の人口は第2次ベビーブーム世代(1971~74年生まれ)が成人した1990年代前半には200万人超だったが、その後は減少傾向が続き、新年の新成人は半減傾向にある。

蛍光灯、2027年末に製造・輸出入を禁止  

政府は全ての照明用蛍光灯の製造と輸出入を2027年末で禁止することを閣議決定した。電球形蛍光灯は2027年1月から、直管蛍光灯は2028年1月からそれぞれ製造・輸出入が禁止となる。ただ、2028年以降も製品の継続利用や電気店での在庫品販売は可能だとしているが、国は発光ダイオード(LED)照明への切り替えを呼び掛けている。今回の措置は、水俣病の原因となった水銀を規制する締結国会議での合意に戻づくもので、水銀が含まれるボタン電池も対象となる。

年越し「お札」の残高、2年連続で減少  

日銀は2024年末の銀行券発行残高は124兆778億円となり、前年末の124兆6080億円より僅かに減ったことが明らかになった。銀行券の発行残高は個人の財布や会社の金庫などにあるお札の総量となり、2年連続での減少となった。背景には、キャッシュレス化が進み、現金需要が減ったものとみられている。2024年末の銀行券残高をすべて1万円札で積み上げると、富士山の約328倍に相当するとみられている。

社会・経済の動き@しんぶん.yomu第1112号

日銀、追加利上げ見送りで金利を維持  

日銀は12月19日の金融政策決定会合で追加利上げを見送り、政策金利を0.25%程度で維持することとなった。金利引き上げ見送りとなった背景には、賃上げの動向や米新政権の保護主義政策への不確実性を見極めるとの判断があった。一方、米連邦準備制度理事会(FRB)は12月18日の委員会で主要政策金利を0.25%引き下げる決定をした。FRBは新政権での関税強化によりインフレ再燃の懸念から慎重姿勢を示している。

与党税制大綱、「年収の壁」123万円に  

12月20日決定された与党税制大綱で所得税が発生する「年収103万円の壁」を123万円に引き上げることが明記された。また、大学生年代にあたる19~22歳の子どもを扶養する親の税負担を軽減する「特定扶養控除」をこの年収制限を103万円から150万円に引き上げることも明記した。123万円への引上げに関しては、現行の基礎控除(48万円)と給与所得控除(55万円)を、それぞれ10万円ずつ増やし、58万円と65万円とした。また、防衛力強化のための財源確保のための法人税とたばこ税の増税開始時期を2026年4月からとした。

1~11月訪日客、通年で最多記録に  

政府観光局の発表によると、1~11月に日本を訪れた外国人客は推計で3337万9900人となり、通年を待たずに、過去最多だった2019年の3188万2千人を超えて更新することが明らかになった。1~11月は全ての月ですべての月で2023年年比30%以上の伸びとなっている。同庁では通年で3500万人に達するとみている。ただ、他方では交通渋滞や混雑などの「オーバーツーリズム」が生じるなど、自然や街並みが損なわれたり、住民生活の質が低下している事態も生じている。

70歳まで就業機会確保の企業は3割超  

厚生労働省が従業員21人以上の約23万7千社を調査したところ、令和6年6月時点で70歳まで就労できる環境を整えている企業は31.9%だったことが分かった。前年より2.2ポイント増え、初めて3割を超えた。企業の就業対応措置で最も多かったのは、「継続雇用制度」が最多の25.6%で、「定年の廃止」(3.9%)、「定年の引上げ」(2.4%)が続いている。同省では「人手不足もあり、制度を充実したい企業が増えている」とみている。

コロナ支援融資、1.5兆円が回収困難に  

会計検査院の調査で、新型コロナウイルスでの中小企業支援策で政府系金融機関が2023年度末までに実施した実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)などの特別貸付の総額20兆円超のうち、約1兆5600億円が回収不能や返済が滞るなど回収不能・困難に陥っていることが分かった。2022年度末時点と比べ、回収不能・困難額は約4900億円増えている。これらが不良債権化すれば、税金で賄われることになり、結果、国民の負担となる。

日本の「大人の学力」、トップ水準に  

経済協力開発機構(OECD)が行なった大人が社会生活を送るうえで必要な能力を測る「国際成人力調査(PIAAC)」を公表した結果で、日本は「読解力」と「数的思考力」がそれぞれ2位で、「状況の変化に応じた問題解決能力」が1位となった。31カ国・地域が参加して行われたもので、日本は「大人の学力」はトップ水準となった。ただ、「生活満足度」が高い人の割合は52%と最も低く、OECD平均の75%を大きく下回っている。

お年玉「あげる」は44%に  

セレスが20代以上の男女を対象に来年の「お年玉」に関する調査で、44%の人が「あげる予定がある」と答えていることが分かった。あげる対象は(複数回答)、「親戚の子ども」が最も多い62.1%で、「自分の子ども」(36.3%)、「孫」(20.0%)が続いた。1人当たりのお年玉金額は平均5654円で、お年玉をあげる人数は平均3人だった。渡し方は「現金をポチ袋に入れて渡す」が95.2%で多圧倒的に多く、「現金を口座に振り込む」(1.5%)、「キャッシュレス決済で送金する」(0.8%)もあった。

グーグル検索急上昇1位に「ドジャース」  

米グーグル日本法人が発表した2024年に検索件数が昨年比で急上昇したキーワードをランキング形式で発表したところ、1位には大谷選手が所属する「ドジャース」が輝いた。2位に「オリンピック」、3位に大谷選手と結婚した「田中真美子」さんが入った。一方、意味を調べる折によく使われる「とは」との表現で検索された順位では、1位に「定額減税とは」で、2位に健康被害が問題となった「紅麴とは」だった。

社会・経済の動き@しんぶん.yomu第1111号

有望投資先1位は3年連続で「インド」  

国際協力銀行(JBIC)が実施した海外事業展開に関する調査で、今後3年程度の有望な投資先と考える国・地域にインドが1位となったと発表した。インドは3年連続で首位となり、ベトナム、米国、インドネシアが続いた。インドへの有望な投資先と考える業種は自動車、電機、機械などの幅広い業種から支持を集めた。2位のベトナムは人材の質の高さや中国の製造拠点の移転先として評価された。一方、前年3位だった中国は米中対立や経済の減速が響き、6位にとなった。

下請法改正で価格交渉の義務化を  

政府が検討中の「下請法」改正原案で、発注側の大企業が受注側の中小企業と取引価格を交渉せずに取引価格を決定することを禁じることが分かった。持続的な賃上げを後押しする観点から中小企業が価格転嫁しやすい環境を整備する狙いがある。法律の適用除外を防ぐ観点から、製造業や建設業は従業員300人超の大企業が300人以下の中小企業に発注する場合や、卸売業とサービス業は100人超と100人以下とする従業員数の基準を設ける。年明けの通常国会に改正案を提出するとしている。

2024年1-11月倒産、9年ぶりに最多  

帝国データバンクの調べによると、2024年11月の倒産件数は834件となり、31カ月連続で前年同月を上回っていることが分かった。2024年1月からの倒産累計件数は9053件となり、12月の1か月分を残して2015年以降で最多となった。負債総額も1522億円に達し、前年同月を上回っている。1~11月の倒産で客目されるのは「物価高倒産」が877件に及び、前年の年間合計(775件)を上回っており、政府の総合経済対策に盛られた物価高対策が急務である。

企業にカスハラ対策を義務付けへ  

厚生労働省は顧客らが理不尽な要求を行う「カスタマーハラスメント」(カスハラ)で従業員を保護する対策を全ての企業で講ずるよう義務付ける関連法案を年明け早々の通常国会に提出することが明らかになった。法案では、カスハラの定義を、①顧客や取引先さらに施設利用者が行ない、②言動が社会通念上相当な範囲を超え、③就業環境が害される、3つの要素を満たすものとして定義している。これらに対応し、従業員保護対策として、事前にカスハラ対応方針を明確して周知することを求めている。

若年正社員の31%が「転職意向」  

厚生労働省の2023年若年者雇用実態調査によると、15~34歳の若年正社員のうち、31.2%が「転職したい」と答えていることが分かった。5年前の2018年調査時点から3.6ポイント増加し、初めて30%を超えた。また、調査で「転職したいと思っていない」(30.3%)と答えた人を「転職したい」向きが初めて上回った。
転職を考える理由(複数回答)として、「賃金の条件が良い会社に変わりたい」が最多の59.9%に上った。

新入社員、「同僚・上司との雑談」が好き  

シチズン時計が今春入社した新人を対象にした「仕事に関する時間のイメージ」を尋ねた調査で、会社で過ごす時間で最も好きな時間は「同僚・上司との雑談」(37.3%)だった。次いで、「資料作成」(20.0%)、「スケジュール管理」(15.0%)が続いた。逆に、会社で過ごす時間で苦手な時間は、「電話応対」が37.0%で最も多かった。同社では、「物心がついた時から携帯電話があり、見知らぬ人の応対した経験が少ないことが影響した」とみている。また、苦手な時間では2位に「プレゼンテーション」(17.5%)が挙げられた。

既に「年賀状じまい」企業は5割に  

帝国データバンクが「自社での年賀状じまい」の意向について企業にアンケート調査したところ、「既に年賀状じまい」をした企業は49.4%に上ることが分かった。とくに、「2025年1月分からやめる」企業は17.0%に上っており、2024年1月分の年賀状を最後に年賀状じまいを行っていた。今年10月からの郵便料金が1枚22円値上がりしたことが響いていることを浮き彫りにしているが、コストや自社作業だけでなく、SDGsの観点から年賀状の取りやめを決定した意見もあった。

世相を反映した、今年の漢字は「金」  

日本漢字能力検定協会は今年1年の世相を表す「今年の漢字」は「金」が選ばれたと発表した。同協会が全国から毎年年末に一年の世相を表す漢字一文字を全国から募集したもの。今年は、パリ五輪・パラリンピックで日本選手が金メダルを獲得したことや、政界賑わせた「裏金問題」、金目当ての闇バイトが注目されたことなどから「金」が選出されたと同協会では見ている。以下順位には、「災」「翔」「震」「新」が続いた。「金」は今年の漢字として選ばれたのは5回目となる。

社会・経済の動き@しんぶん.yomu第1109号

首相、「103万円の壁」引き上げると明言  

11月29日に行われた衆院本会議で、石破首相は「103万円の壁」について言及し、「令和7年度税制改正の中で議論し、引き上げる」と明言した。また、ガソリン減税について、暫定税率の廃止を含め自動車関連諸税全体の見直しに向けて結論を得ると言及した。石破首相は所信表明演説で、「外交・安全保障上の課題への対応」「日本全体の活力を取り戻す」「治安・防災」の3つの重要政策課題に言及し、合意形成が図られるよう努めると言明した。

日銀保有国債、含み損は13.6兆円  

日銀は2024年9月中間決算で保有する国債の含み損は過去最大の13兆6604億円となったと発表した。前年同期の10兆5000億円の含み損から拡大している背景には日銀の利上げに伴い長期金利が上昇したことで国債の評価額が下落したことが挙げられている。長期金利の推移をみると、3月にマイナス金利政策の解除を行い、7月に追加利上げを決定してきている。日銀では国債の満期保有を前提とした会計処理を行っているため、含み損は決算には反映されない。

連合、中小の賃上げ6%以上を要求  

連合は2025年春闘で5%以上の賃上げを要求する決定を行うとともに、中小企業については大手との格差是正を図るため、6%以上の賃上げ要求を決定した。連合では、「賃上げの動きは一部の人たちのものではあってはならない。全員そろって豊かにならないと国は決して繫栄しない」としている。連合の集計によると、2024年の秋冬での賃上げ率は33年ぶりに全体で5%を超えるものとなったものの、中小企業では4.45%と大手との格差は広がっている。

中小企業の2割が「価格転嫁できず」  

中小企業庁の9~11月実施の価格転嫁に関する調査によると、コスト上昇分を価格に反映した「価格転嫁率」は49.7%だったことが明らかになった。全く価格転嫁できなかったとの回答は20.1%に達し、依然高い状況にある。サプライチェーン(供給網)の各段階の価格転嫁率は1次下請けが51.8%だったのに対し、4次下請けは35.7%にとどまり、下請け段階が下に行くにつれ、交渉力が弱いことを浮き彫りにしている。

発展途上国の温暖化対策、46兆円拠出  

国連気候変動枠組み条約第29回締結国会議(COP29)は、発展途上国の地球温暖化対策のため、先進国が2035年までに年3千億ドル(約46兆4千億円)支援するとの目標で合意した。現行目標の年1千億ドルの3倍となるが、インドや途上国からは「目標が低すぎる」との反発が出ている。国連のグテレス事務総長は合意成立を評価しながらも、「より野心的な成果を期待していた」との不満を表明した。

野菜摂取量、2001年以降で最少に    

厚生労働省の国民健康・栄養調査によると、2023年の成人の野菜摂取量は1日当たり256グラムだった。2001年以降で摂取量は最少だった。政府が健康づくり計画で定める350グラムに大きく届いておらず、男女とも摂取量は減少傾向にある。年代別では20代が最も少なく、年代が上がるにつれて多くなっている。政府目標の350グラム以上摂取したのはいずれの年代でも3割に届いていない。同調査で行われた喫煙率は15.7%で、肥満度を示す体格指数(BMI)が25以上は26.3%だった。

「飲み二ケーション」不要が56%に  

日本生命が行なった職場でのコミュニケーションに関するアンケート調査結果によると、上司や同僚と飲食をともにする「飲みニケーション」について、「不要」(27.4%)、「どちらかといえば不要」(29.0%)と答えた割合は56.4%に上ることがわかった。「飲みニケーション」不要は、年々増加してきており、直近3年間で最多となった。不要とする理由を尋ねたところ、「気を遣うから」(48.3%)、「仕事の延長と感じるから」(33.7%)が挙げられた。

ヒット番付、「大谷選手50-50」が横綱に  

SMBCコンサルティングが発表した2024年ヒット商品番付によると、東の横綱に「パリ五輪・パラリンピック」、西の横綱に「大谷選手50-50」が選出された。東西横綱ともに日本人アスリートが世界で活躍していることを物語っており、同社では「スポーツが国を一つにすることを感じさせてくれた」としている。東西大関には、少額投資非課税制度の「新NISA」、買い物などで還元ポイントの「Vポイント」が選ばれ、将来不安の解消や物価高のお得感を与える商品やサービスが選ばれている。

社会・経済の動き@しんぶん.yomu第1108号

39兆円規模の経済対策を閣議決定  

11月22日、電気・ガス料金の補助などを含む39兆円規模の経済対策を臨時閣議で決定した。これに伴う関連経費として2024年度の一般会計補正予算案に13兆9千億円を計上することとした。石破首相は閣議に先立つ政府与党政策懇談会で「日本・地方経済の成長、物価高の克服、国民の安心安全を柱とする」と経済対策の趣旨を述べている。今回の経済対策では、経済押し上げ効果を実質GDP換算で21兆円程度、年成長率換算(実質)で1.2%程度と見込んでいる。「103万円の壁」の引上げる方針も盛り込まれた。

10月のコメ卸、最高値の2.3万円  

農林水産省の発表によると、コメの出荷団体と卸売業者が売買する際の価格を示す「相対取引価格」が2024年産米の10月の全銘柄平均が玄米60キロ当たり2万3820円だった。これまで年平均で最高だった1993年の大凶作「平成の米騒動」時の2万3607円を超える高値圏が続いている。10月は前年同月比57%の上昇で、同省が調査開始の2006年以降で最高だった。背景に、肥料代などの生産コスト増加が挙げられている。日本国民の主食であるコメの高止まりが続く可能性がある。

NY株、最高値更新の4万4296ドル  

11月22日のニューヨーク株式市場の終値は前日比426.16ドル高の4万4296.51ドルとなり、約10日ぶりに過去最高値を更新した。3日営業日連続で株高となった。同日に発表された米国での経済指標が市場予想を上回り、堅調な米景気やトランプ次期大統領の政策への期待が背景にあると指摘されている。IT企業の銘柄が多いナスダック総合指標の終値は31.23ポイント高い1万9003.65となったものの、半導体大手のエヌビディアは3%安となった。

1~10月、訪日外国人は3千万人超  

政府観光局は1~10月の訪日外国人客は3019万2600人となり、5年ぶりに3千万人を超えたと発表した。また、10月の訪日客は331万2千人となり、単月としては初めて最多を更新した。円安に加え、新型コロナウイルス禍を脱して航空路線の増便や新規就航が続いており、最速で3千万人を突破した。訪日の主な国・地域別では73万2100人の韓国で、大型連休の国慶節が重なった中国が続いている。

8道県で鳥インフル発生、鶏卵価格が上昇  

農水省の発表によると、現在、高病原性鳥インフルエンザが8道県で10事例発生し、約121万羽のニワトリが殺処分の対象となっていることが分かった。今シーズンは10月半ばに過去最も早い感染が確認されており、卵の供給不足となった2022年に匹敵するペースだとしている。JA全農たまごによると、11月21日時点での鶏卵の平均卸売価格はMサイズ1キロ当たり280円で、4か月連続で上昇している。今後も鳥インフルエンザの感染の拡がりから価格上昇が懸念されている。

今年の熱中症アラート、過去最多に  

環境省の公表資料によると、今年4月24日~10月23日に、熱中症のリスクが特に高まる際に注意を促す「熱中症警戒アラート」が1722回に上ることが明らかになった。前年の1232回に次いで過去最多に上り、2年連続で最も暑い夏となった。警戒アラートは、気温と湿度などから算出する指標「暑さ指標」が33以上と予想された場合に気象庁と環境省が発表する仕組み。今年9月の発表回数は昨年9月の約3.6倍となり、厳しい残暑だった。

20代夫婦の出会いは「アプリ」が24%  

「『いい夫婦の日』をすすめる会」が20歳以上の既婚男女を対象にした調査で、「出会いのきっかけ」を尋ねたところ、全体では「職場・取引先」がトップの33%で、「知人からの紹介」(27%)が続いた。20代に限定すると、「職場・取引先」と「マッチングアプリ」がともに24%で、トップで並んだ。夫婦仲について尋ねたところ、「円満」が31%、「まあ円満」が43%で、4人に3人が「円満」と答えた。夫婦円満に大切なことを尋ねたところ(複数回答)、「話をする・聞く」が74%で最多だった。

認知障害、「3つの質問」で検出手法開発  

慶応大や済生会横浜市東部病院のチームは認知症のアルツハイマー病や前段階の軽度認知障害(MCI)の疑いのある人を「3つの質問」で容易に検出する手法を開発した。「3つの質問」は、①困っていることはあるか、②楽しみはあるか、③最近気になるニュースは何かで、回答に関わらず、問診時に家族らを振り返る動作があった人でリスクが高い。検出手法を開発したチームは、認知症患者108人と健常な47人を対象に質問したところ、同伴する家族に助けを求めて振り返った人のアミロイドベータは約2.8倍だった。