社会・経済の動き@しんぶん.yomu第1048号

長期金利、約9年8ヵ月ぶりの高水準                  

9月11日の国債市場で長期金利の指標である新発10年債の終値利回りが0.705%となった。前週末より0.060%高く、約9年8ヵ月ぶりの高水準となった。背景には植田日銀総裁が言及した「マイナス金利政策解除の可能性」から金融緩和政策が修正されるのではとの思惑から、国債に売りが広がり、金利が上昇したことが挙げられている。また、東京外国為替市場では、円が買われ対ドルで1ドル=145円92銭の円高となった。

厚労省、10月からのコロナ医療支援縮小  

厚生労働省が発表した新型コロナウイルス感染症の10月以降の医療体制に関する方針では、現在公費となっている治療薬は所得に準じて自己負担を求めることとなる。自己負担額は保険料が3割負担の場合で最大9000円となるとともに、入院費補助は現行の半額の1万円となる。同省の試算では、新型コロナの初診料は3割負担の場合、治療薬を含めて1万2270円程度となる。また、入院費補助は月額2万円から1万円に縮小した上で、来年3月まで継続するとしている。

コロナ予備費の年度末駆込み使用を指摘  

会計検査院は政府が新型コロナウイルス対策として2020~2021年度に計上した12兆6005億円の予備費のうち、1兆7600億円が2020年度末に駆け込みで使用決定されていたとする検査報告書を公表した。全額が翌年度に繰り越され、執行完了が翌年度末と見込まれている事業もあった。年度内執行を原則とする「予算単年度主義」とかけ離れており、検査院も「どのような想定で使用を決定し、なぜ繰り越しに至ったのかを丁寧に示すべきだ」と指摘している。

2022年度、健保組合の4割が赤字に  

健康保険組合連合会(健保連)の発表によると、大企業の社員が加入する全国1383健康保険組合のうち、2022年度の決算見込みで40.4%(559組合)が赤字だったことが分かった。赤字組合数は前年度の53.4%から減少しているものの、健保連によると「医療費が極めて高い伸びとなっており、大変な状況には変わりはない」としており、依然、厳しい財成状況が続くとみられる。加入する社員らが健保組合に支払う保険料の引き上げや解散を検討する組合も出かねないとしている。

個人タクシーの営業を80歳まで容認  

国土交通省は過疎地などでの個人タクシーの営業を認めるとともに、運転手は80歳を上限に容認することを発表した。現在は人口が概ね30万人以上の地域で、原則75歳まで営業できるとしていることを改正するもので、法人タクシー事業者の最低保有台数の規制も緩和するとしている。新たに80歳まで個人営業を認める区域は改正通達の施行後、国の出先機関が指定するとしている。運転手不足や法人の経営難に対応する狙いがあり、公共交通が不便な地域での移動手段の確保を狙いとしている。

100歳以上高齢者、53年連続増加  

厚生労働省の発表によると、全国の100歳以上の高齢者は過去最多の9万2139人だった。53年連続での増加で、全体の88.5%を占める8万1589人が女性だった。人口10万人当たりの100歳以上の高齢者は73.74人で、都道府県別にみると、島根が11年連続で最多の155.17人で、高知(146.01人)、鳥取(126.29人)が続いている。100歳以上の高齢者は調査開始の1963年には153人だったが、年々増加傾向にあり、背景には医療や介護などの充実があるとされている。

自転車ヘルメット努力義務化も低い着用率  

警察庁が4月施行の改正道交法で自転車利用者のヘルメット着用努力義務化されたことを受けて、7月に全国調査をしたところ、着用率は13.5%と低い状況にあることが分かった。都道府県別で着用率が高かったのは、愛媛の59.9%で、大分(46.3%)、群馬(43.8%)が続いた。逆に低かったのは、新潟の2.4%で、青森(2.5%)が続いた。また、同庁の調べによると、ヘルメット着用時と非着用時で、事故に遭った際の致死率を比べると、約2.6倍の差があった。

子どもの糖尿病発症が増加傾向に  

中国の研究グループが行なった「世界の疫病負担研究(GBD)」で、1990~2019年の30年間に糖尿病を発症する子ども(0~14歳)が世界的に増加したことが分かった。2019年に糖尿病を発症した子どもは22万7880人で、30年間に人口10万人当たり9.31人~11.61人に増加していた。2019年のデータで国・地域別に糖尿病発症が最も多かったのはフィンランドの人口10万人当たり31.60人だった。

社会・経済の動き@しんぶん.yomu第1047号

G20首脳宣言、経済の成長に逆風を明記    

9月9日、日米欧の先進国に新興国を加えた20カ国・地域首脳会議(G20サミット)は「核兵器による威嚇や核兵器の使用は容認できない」ことなどを盛り込んだ首脳宣言を採択した。また、首脳宣言では世界経済に関して、食料やエネルギー価格の高騰、世界的な気候変動などを挙げた上で、「成長と安定に対する逆風が続いている」と指摘した。さらに、ウクライナ危機に関して「国家の領土保全主権、政治的独立に反する武力による威嚇や行使は控えなければならない」と明記した。

7月経常収支黒字、過去最大の2.7兆円  

財務省は7月の国際収支速報で、海外とのモノやサービス、投資の取引状況を示す経常収支は2兆7717億円の黒字と発表した。前年同月比約3.1倍に達し、比較可能な1985年以降で7月としては過去最大となった。6カ月連続での黒字となった背景には、原油高の一服感から輸入額が減少したことや訪日客が増加したことから旅行収支の黒字額が過去最大となったことが挙げられている。

NY原油、今年最高値更新の85.55ドル  

9月1日のニューヨーク原油先物相場で、米国産標準油種(WTI)の10月渡しの終値が今年最高値を更新する1バーレル=85.55ドルを付けた。約9か月半ぶりの高値となった背景には、原油需給がサウジアラビアでの自主的な原油減産などから世界的にひっ迫するとの観測から買い注文が殺到した。日本では円安や政府の補助金の縮小が響き、ガソリン価格が最高値を更新している中で、原油相場の上昇は一段とガソリン価格を押し上げる要因となる可能性は高いとみられている。

7月の実質賃金、16カ月連続で減少  

厚生労働省の発表によると、物価変動を反映した働く人1に当たりの実質賃金は前年同月比2.5%減となり、16カ月連続で減少していることが明らかになった。基本給や残業代、ボーナスなどを合わせた働く人の1人当たりの現金給与の総額は前年同月比1.3%増の38万656円と19ヵ月連続で上昇していた。賃金が上昇しているものの、物価上昇には追い付いていないことが背景にある。エコノミストは「政府による物価高対策が2024年中に縮小・終了することによる反動も考慮すれば、実質賃金マイナスは2024年夏場頃まで続く」とみている。

今春、定員割れ私大、初の半数超に  

日本私立学校振興・共済事業団の調査で、今春入学者が定員割れした4年制の私立大学は53.3%に当たる320校だった。調査開始の1989年度以降で初めて半数を超えたことになる。18歳人口の減少が背景にあり、私大の経営を圧迫しかねない状況にあり、今後、私大の再編が加速する可能性がある。私大の規模別集計では、定員が3千人以上の大学の充足率は103.66%で、200人以上300人未満では87.39%で規模が小さくなるほど充足率が下がる傾向がみられた。

夏の働き方理想像は6割超がテレワーク  

Job総研が20~50代の男女を対象に「夏の働き方の理想像」を尋ねたところ、66.3%が「テレワークを希望している」ことが分かった。今夏の猛暑を背景に「仕事の効率を上げるため無理な出社は控え、集中できる形での勤務を望む人が多かった」と同社は分析している。夏にテレワークを希望する理由を尋ねたところ(複数回答)、「外が暑い」(76.1%)が最も多く、「移動による汗対策が面倒」(57.8%)、「テレワークの方が快適」(57.8%)、「身支度が面倒」(44.0%)が挙げられた。

児童虐待、過去最多の約22万件  

子供家庭庁のまとめによると、2022年度に全国の児童相談所に児童虐待の相談を受け対応した件数は21万9170件に上ったことが分かった。前年度比5.5%増となり、過去最多を記録した。相談内容では暴言や態度などで心を傷づける心理的虐待が12万9484件で全体の59.1%を占め、次いで身体的虐待(5万1679件)、ネグレクト(3万5556件)、性的虐待(2451件)が続いた。虐待相談経路は、警察が51.5%と半数を占め、近隣・知人(11.0%)、家族・親戚(8.4%)となっている。

ごみリサイクル率、横ばいの19%  

環境省は2021年度の一般廃棄物リサイクル率は全都道府県で19.9%だったと発表した。2020年度からほぼ横ばい状態で、政府が2025年度まで28%とする目標の実現には厳しい状況にある。環境省はプラスチックごみ一括回収を自治体に求める関連法が昨年施行されたことを踏まえ、再利用の加速を促していくとしている。ちなみに、都道府県別に一般廃棄物のリサイクル率が最も高かったのは、山口の32.5%で4年連続首位となった。

社会・経済の動き@しんぶん.yomu第1046号

ガソリン価格、過去最高の185円60銭  

経済産業は8月28日時点でのレギュラーガソリン1リットル当たりの全国平均小売価格は185円60銭となり、これまで最高だった2008年8月の185円10銭を超え、過去最高となった。ガソリン価格が最高となった背景には原油価格の高騰と円安に加え、政府が行なってきた価格抑制のための補助を段階的に縮小してきたことが挙げられている。このため、政府は家計の負担軽減を図るため、補助拡充について年末まで支援を延長するとしている。軽油、灯油、重油も拡充対象とする方針である。

概算要求総額、過去最大の114兆円  

各省庁からの提出が8月末で締め切られた2024年度一般会計での概算要求総額は、前年度の114兆3812億円を上回る見通しであることが明らかになった。3年連続で110兆円を超えることになる。防衛費や国債費が大きく上回るとともに、高齢化の進展から社会保障費が膨らんでいる。また、物価高対策や少子化対策での費用も加わることで、次年度予算は今年を上回る。財源を借金依存による穴埋め予算の編成が避けられない状況にある。

企業の経常利益、過去最高の31.6兆円  

財務省が発表した4~6月期の法人企業統計によると、金融・保険業を除く全産業での経常利益は前年同期比11.6%増の31兆6061億円となったことが分かった。比較可能な1954年同期比で最高となった。2022年度通期で見ても、経常利益は前年度比13.5%増の95兆2800億円となり、比較可能な1960年度以降で最も高かった。また、2022年度の企業の内部留保に当たる利益剰余金は554兆7777億円となり、11年連続で過去最高を更新していた。

今夏の平均気温、125年で最も高く  

気象庁の発表によると、今夏(6~8月)の平均気温が平年を示す基準値(1991~2020年)を1.76度上回り、統計を開始した1898年から125年で最も高くなったと発表した。6月はプラス1.22度、7月は同1.91度、8月は2.16度上回っていた。同庁では猛暑は太平洋高気圧の勢力が強く、温暖化の影響があったとしており、「夏全体で見て異常だった」と総括した上で「今夏は40度以上の所はあまりなかったが、猛暑日日数が多く、暑い時期が長く続いているのが特徴だ」としている。

死亡率、10年ぶりに増加に転じる  

国立がん研究センターの調査で、死亡者数を人口で割り、年齢のばらつきを調整した2021年の「年齢調整死亡率」は前年比2.2%増加したことが分かった。死亡率の増加は東日本大震災の影響があった2011年以来10年ぶりとなる。同センターでは「新型コロナウイルスが影響した可能性が高い」とみている。また、2022年も増加したとみられ、同センターは「2021年が日本人の死亡率トレンドの変わり目となった可能性が高い」と指摘している。

企業版ふるさと納税、額・件数で過去最多  

内閣府の発表によると「企業版ふるさと納税」制度を利用して企業が2022年度に自治体へ寄付した金額は前年度比1.5倍の341億700万円、また寄付件数は1.7倍の8390件となり、金額・件数ともに制度が始まった2016年度以降で過去最多となった。自治体別寄付額は静岡県裾野市の15億4600万円がトップで、次世代技術の実験都市建設を進めるトヨタ自動車などからの寄付があった。管内の市町村を含めた都道府県別にみると、北海道が49億4600万円で最多だった。

上半期の出生数、2年連続で40万人割れ  

厚生労働省は人口動態統計の速報値で2023年上半期(1~6月)に生まれた赤ちゃん数(出生数)は前年同期比3.6%減の37万1052人だったと発表した。2年連続で40万人割れとなり、この傾向が続けば前年同様に80万人を割り込み、過去最少を更新するペースだと同省はみている。新型コロナ感染拡大による出産控えに加え、結婚しない人が増えていることや結婚年齢が高くなったりしていることが出生数減に影響しているとみられる。

若い人ほど夏バテ経験が多い傾向に  

キューサイが全国の30~70代の男女を対象に「直近5年以内に夏バテをしたことがあるか」を尋ねたところ、40.6%の人が夏バテを経験したことがあることが答えていた。年代別にみると、30代の人は49.1%、40代が48.1%と5割近くを占め、50代は35.8%、60代が36.9%、70代が33.4%で、若い世代ほど夏バテを経験していた。症状を尋ねると(複数回答)、「体が重い・だるい・疲れる」が最も多い52.5%で、「やる気がない」(32.3%)が続いた。

社会・経済の動き@しんぶん.yomu第1045号

福島原発処理水、海洋放出を開始  

東京電力は8月24日午後1時3分から福島第1原発事故で2011年3月から溜まり続ける処理水の海洋放出作業を開始した。約12年間にわたって原発事故で溶け落ちた核燃料(デブリ)を冷却したり、地下水や雨水が放射性物質に触れたりして発生した汚染水を保管してきたタンクの容量が限界に達してきたことから、大量の海水と混ぜ、WHOの飲料水基準の7分の1まで希釈して放出するとしている。放出完了までの期間は第1原発の廃炉の目標である2051年まで30年程度を見込んでいる。

コロナ・物価対策で68兆円の政府支出  

共同通信が経済財政諮問会議の民間議員が会議に示した財政データを基に、政府が2020~22年度に新型コロナウイルスや物価高対策として支出した金額と2023年度に支出する見通しの金額を算出したところ、約68兆5千億円に上ることが分かった。この支出額には、特別定額給付金、地方自治体向けの緊急包括支援交付金、ガソリンなどの燃油価格の急騰を抑制する補助金、マイナポイント事業などの費用が含まれている。こうした巨額支出で政府の借金は膨らみ、財政再建は一段と厳しくなっている。

コロナ「5類」移行後、企業倒産が急増  

東京商工リサーチの調べによると、新型コロナの感染症法上の分類が「5類」に移行後、5月の中小企業の倒産は前年同月比34.3%増の704件、6月は770件(同41.2%増)、7月は758件(同53.7%増)と増加していることが明らかになった。背景には、業績が戻っていないことに加え、支援がなくなったことや物価高が追い打ちをかけている実態が指摘されている。さらに、中小企業向けの実質無利子・無担保の「ゼロゼロ融資」の返済が本格化し、資金繰りがひっ迫しての倒産が指摘されている。

宅配便、50億個超で最多を更新    

国土交通省の発表によると、2022年度の宅配便取扱個数は50億588万個となり、8年連続で過去最多を更新したことが明らかになった。同省が運送業者からの報告をもとに集計したもので、前年度から1.1%増加した。トラック輸送を事業者別にみるとヤマト運輸が最多の23億3971万個で、佐川急便(13億5990万個)、日本郵便(9億8031万個)が続いた。ただ、物流業界は人手不足が深刻化する「2024年問題」が懸念されており、宅配取扱個数が増えるかが疑問視されている。

小中校の児童・生徒数、過去最少に    

文部科学省の2023年度調査によると、5月1日時点での全国の小学校の児童数は前年度より10万2千人ほど減って約605万人、中学校の生徒数は2万8千人ほど減って約317万8千人だったことが分かった。児童・生徒数はともに過去最少で、とくに小学校の児童数は34年連続で過去最少を記録している。児童・生徒数の減少は少子化の影響によるもの。また、昨年1年間で公立の小中学校は252校が消失している。一方、大学の学部生は約263万3千人で、過去最多となっている。

夫婦の妻、家事の8割、育児の7割を担う  

国立社会保障・人口問題研究所が妻を対象に夫との家事や育児の分担に関する調査で、妻が家事の8割ほど、育児の7割以上を担っていることが分かった。この結果に基づき、妻が60歳未満の夫婦の1日の平均の家事時間は妻が247分、夫は47分だった。また、妻が50歳未満で12歳未満の子どもがいる夫婦の平日1日の平均育児時間は妻が524分、夫が117分だった。妻の家事と育児の分担割合は低下してきているが、依然として妻の家事が8割、育児が7割を超える実態が浮き彫りとなった。

副業している理由は「コロナ流行」が影響  

独立行政法人労働政策研究・研修機構が18~64歳の仕事をしている男女を対象に、所属先とは別の企業などで業務を担う副業をしている理由に「新型コロナウイルス流行が影響しているかどうか」を尋ねたところ、34.7%が「している」と答えていることが分かった。副業する理由を尋ねたところ(複数回答)、「収入を増やしたい」が最も多い54.5%で、「一つの仕事だけでは収入が少なく、生活自体ができない」(38.2%)、「自分が活躍できる場を広げたい」(18.7%)が続いた。

初サンマ、1匹2.5万円の過去最高値  

豊洲市場(東京)に今シーズン初入荷となったサンマの卸値が過去最高の1キロ当たり20万円となり、1匹換算では2万5千円となる。昨年の卸値1キロ当たり12万円を大きく上回った。同市場に初入荷したのは北海道根室市の花咲港でサンマ棒受け網漁の小型船による初水揚げの一部。〝高級魚〟化しているサンマだが、水産庁は7月に今年の道東から常磐海域の8~12月は「低水準」と長期予報を発表しており、一段と不漁が見込まれることから、高値水準が続くものとみられている。

税務研修会を開催します(9月6日)

宮古法人会では、下記の内容で税務研修会を開催します。
会員以外の方も聴講可能ですので、希望される方は宮古法人会事務局までお申し込みください。

〇日  時:令和5年9月6日(水)16:00~17:00
〇演  題:「税務行政の将来像2023」
〇講  師:宮古税務署長 丸山 淳 氏
〇申込方法:9/1(金)までに聴講を希望される方の、①法人名 ②氏名 ③電話番号を、電話またはFAX、メールのいずれかにてご連絡ください。
〇問合せ先:宮古法人会事務局 TEL0193-63-1214 FAX0193-63-2250
      メール umineko@miyako-houjinkai.com

社会・経済の動き@しんぶん.yomu第1044号

4~6月期実質GDP、年率6%増に  

内閣府は4-6月期の実質国内総生産(GDP)1次速報で成長率は前期比1.5%、年率換算で6.0%だったと発表した。2020年10-12月期以来の高い伸び率で、実額では過去最高の560兆7401億円となった。成長GDPの大半を占める個人消費は前期比0.5%減となり、3四半期ぶりにマイナスに転じた。ただ、輸出の増加(3.2%増)と輸入の減少(4.3%減)が成長率を押し上げることとなる。エコノミストは「コロナ前の経済規模を超える回復だ」としながらも、「消費はコロナ前水準を回復していない」と先行きへの不透明感を指摘する。

7月全国消費者物価指数、3.1%上昇  

総務省は7月の消費者物価指数は105.4となり、前年同月比3.1%上昇したと発表した。上昇率は6月から0.2ポイント下落したものの、物価上昇率が3%以上となるのは11カ月連続となる。生鮮食料を除く食料は9.2%上昇し、48年ぶりの歴史的な上げ幅が続いている。背景には、原材料高や円安、物流費上昇が響いて食品の値上がりが相次いでいることが挙げられている。上昇が著しいのは、鶏卵(36.2%)、炭酸飲料(16.4%)、宿泊料(15.1%)などとなっている。

全国平均の最低賃金、初の1千円超え  

厚生労働省が発表した各都道府県の審議会が取りまとめた今年度の最低賃金の全国平均は1004円となったことが明らかになった。昨年度から43円増となり、初めて1000円を超えたことになる。引き上げ額と上昇率(4.5%)はいずれも過去最大となる。最も引き上げ額が高かったのは佐賀県で目安額を8円上回っている。最低賃金最高額は東京都の1113円で、最低額は岩手県の893円で、その差は220円となっている。新しい最低賃金は10月1日以降、各都道府県で順次適用される。

政府保有の日本郵政株の一部を売却  

財務省の発表によると、保有する日本郵政株式1億227万3600株を1056億9976万5600円で売却したことが明らかになった。結果、政府が保有する日本郵政株保有比率は33.3%に低下した。日本郵政は5月に3000億円を上限に自社株式取得を決議しており、財務省もこれに対応して保有する1056億円分の日本郵政株を売却するとしていた。郵政株の売却収入は復興財源確保法に基づき東日本大震災の復興財源に充てられる。

上場74地銀のうち40社が減益に  

東京証券取引所などに上場する地方銀行・グループ74社の2023年4~6月期決算によると、全体の半数を超える40社が減益となったことが明らかになった。74社の純利益合計は前年同期比10.1%減の3398億円となった。減益となった背景には、政府による新型コロナウイルス対策の実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)が今夏から本格化することから取引先の倒産に備えて計上する与信関係費用が増えたことと、外国債券の売却損を計上したことが挙げられている。

7月訪日客、コロナ禍後で最多の232万人  

政府観光局の推計によると、7月の訪日客は前月比11.9%増の232万600人だったことが明らかになった。新型コロナ禍以後で最多を更新した。8月10日に中国政府が約3年半ぶりに日本への団体旅行を認める決定をしており、訪日客数は今後さらに増えるものとみられる。7月の訪日客を国・地域別にみると、韓国が最多62万6800人で、台湾(約42万人)、中国(約31万人)、香港(約21万人)が続いた。今後、地域経済への波及効果が期待される一方で、混雑や人手不足の懸念も指摘されている。

女性管理職30%超企業は過去最高に  

帝国データバンクの調べによると、女性管理職が30%以上を占める企業の割合は前年より0.3ポイント増の9.8%となったことが分かった。過去最高を更新したものの、依然として1割未満にとどまった。調査では、新型コロナからの経済回復で人手不足に陥る企業も多く、本業に集中したことで女性活躍に関する対応に手が回らなかったとの声も聞かれた。政府は、東証プライム市場に上場する大手企業を対象に、2030年まで女性役員の割合を30%以上にするとの目標を掲げている。

サンマ初水揚げ、1匹当たり1万6800円  

北海道根室市の花咲港でサンマ棒受け網漁の小型船によるサンマの初水揚げがあり、1キロ当たり14万400円の過去最高値を付けた。昨年の1キロ当たり5万4千円を大幅に上回り、1匹換算にすると約1万6800円になり、もはや庶民の魚は〝高級魚〟化している。昨年の全国のサンマ水揚げ量は1万7910トンで、ピークだった2008年の約19分の1になっている。水産庁は7月に今年の道東から常磐海域の8~12月は「低水準」と長期予報を発表している。

社会・経済の動き@しんぶん.yomu第1043号

生産額ベースの食料自給率、過去最低  

農林水産省が発表した2022年度の食料自給率によると、カロリーベースの食料自給率は前年度と同じ38%だった。生産額ベースの自給率は過去最低の58%で、国際的な穀物価格の上昇や円安による輸入額が増えたことが起因している。また、同省は2021年度の都道府県別の食料自給率も発表しているが、カロリーベースで北海道が223%で5年連続首位となり、秋田県、山形県が続いた。食料自給率は、食生活の変化からコメの消費量が減少する一方、畜産物の消費が増加し、下落傾向が続いている。

2023年度の国民負担率は46.8%  

財務省の発表によると、2023年度の国民負担率は46.8%を見込んでいることが明らかになった。国民負担率は、国民全体の所得総額である国民所得に対する税金と社会保険料の支払い負担の割合を示すもので、1970年代は約20%台で推移していたことを考えると、大きく負担が増していることになる。財政赤字を加えた「潜在的国民負担率」は53.9%と5割を超えている。国民負担率を諸外国と比べると、米国が30%台、英国が40%台、ドイツやフランスなどの欧州各国は50%を超えている。

5割近くの企業で「人手不足感」  

共同通信社が主要企業114社を対象にしたアンケート調査で人手不足感を尋ねたところ、49%の企業が「人手不足」「やや不足」と答えていることが分かった。人手が「過剰」「やや過剰」と答えた企業は2%にとどまった。このため、企業における対策では「新卒採用の拡大」が47%、「外国人労働者の受け入れ」が18%と採用を重視して取り組む姿勢を上げた。また、「賃金の引上げ」(38%)、「福利厚生の改善」(16%)も挙げられたが、採用重視の企業の姿勢が色濃く表れている。

60歳~74歳の5割超、就労できず  

リクルートの調査によると、60~74歳の就労希望者で過去5年間の就職活動を尋ねたところ、53%が仕事探しをしても仕事が見つかっていないことが分かった。内訳をみると、「仕事が見つからずに探している」が24.0%、「見つからずにやめた」が21.8%、「仕事探しを羽占めたばかり」が7.9%となっている。一方、企業に高齢者の正社員採用に対する姿勢を尋ねたところ、66.5%が「積極的ではない」と答え、高齢者採用に及び腰な姿勢がみられた。

約1か月半ぶりに円安、1ドル=145円  

8月11日、ニューヨーク外国為替市場で円売り・ドル買いが強まり、1ヵ月半ぶりに1ドル=145円台に下落した。今年最安値となった背景には、米長期金利が一段と上昇するとの観測から市場で円売り・ドル買いが進んだ。同日、米労働省が発表した7月の卸売物価指数は前年同月比0.8%上昇し、変動が著しいエネルギーや食料品を除いたコア指数は2.4%上昇し、米連邦準備制度理事会(FRB)による長期金利利上げを打ち止めるとの予測が大きく後退したことが挙げられている。

6月の実質賃金、15ヵ月連続のマイナス  

厚生労働省が発表した毎月勤労統計によると、6月の名目賃金を示す現金給与総額は46万2040円で、前年同月比2.3%増となり、18ヵ月連続でのプラスとなった。一方、労働者が受け取った給与から物価変動の影響を差し引いた実質賃金は前年同月比1.6%減少し、15ヵ月連続でのマイナスとなった。物価の上昇に賃金の伸びが追いついていない実情にある。消費者物価指数は前年同月比3.9%上昇し、名目賃金を上回っている。

タクシー乗務員、コロナ禍前より2割減  

全国ハイヤー・タクシー連合会が全国60地域での法人タクシー乗務員数の推移を集計したところ、6月末時点での総数は23万2902人で、新型コロナ禍前の2019年3月末時点から約6万人近く減少していることが明らかになった。コロナ禍で利用客が減り、乗務員の離職者が増加したことが背景にあり、最近では利用客の回復に伴い、乗務員の人手不足が課題となっている。最も乗務員の減少率が大きかったのは鳥取県の28.2%で、北海道の都市部で26.2%が続いている。

お忘れなく、来年4月相続登記が義務化  

不動産登記法などの一部が改正され、2024年4月から土地・建物の相続登記が義務化され、手続きを怠った場合は10万円以下の過料が課されることになる。義務化の背景には、高齢化の進展から持ち主が不明だったり、連絡がつかないという「所有者不明」の増加が挙げられている。相続登記の義務化により所有者不明の土地を減らすとともに、土地の有効活用する狙いが挙げられている。義務化されたされたことで、相続人は不動産の取得を知った日から3年以内に登記をしなければならないことになる。

社会・経済の動き@しんぶん.yomu第1042号

IMF、世界経済成長率を3%に上方修正  

国際通貨基金(IMF)は2023年の世界全体の実質経済成長率を4月時点の予測から0.2ポイント上昇の3.0%とする予測を発表した。上方修正の背景には、1~3月期の消費が堅調だったことに加え、米国での銀行破綻による金融不安が後退したことが挙げられている。新型コロナ禍前の2000~2019年は平均3.8%の成長率だったが、回復には時間を要するとしている。日本については0.1ポイント上方修正の1.4%と見込んでいる。ただ、2024年は景気対策の効果が薄らぐとして1.0%の成長率が見込まれている。

ガソリン価格、11週連続で値上がり  

経済産業省の発表によると、7月31日時点でのレギュラーガソリン全国平均小売価格は1リットルあたり176円70銭だった。11週連続での値上がりで、15年ぶりに176円となった。原油価格の上昇に加え、国が給付している補助金の補助率が6月以降段階的に引き下げられていることが背景にある。今後も補助率の引き下げからガソリン価格は引き続き値上がりすることは避けられず、物流を中心にした企業のコスト価格上昇は避けられない。

がんの経済負担、1兆円は予防の可能性  

国立がん研究センターは、がんが社会に与える経済的負担は年間約2兆8600億円だったとの推計結果を発表した。そのうち、約1兆円は「禁煙やワクチン接種などの予防対策を行えば、経済的な負担の軽減も期待できる」との推計している。研究チームが2015年に国内で治療を受けたがん患者約400万人について、医療費と欠勤・死亡に伴う労働損失を推計したもの。このうち、禁煙や感染などの予防策があるがんによる経済的負担は約1兆200億円だとしている。

男性の育休取得、目標に及ばない17%  

厚生労働省の2022年度雇用均等基本調査によると、男性の育児休業取得率は17.13%だったことが分かった。前年度比3.16ポイント増と10年連続で上昇しているが、政府が掲げる「2025年度までに男性の育休取得率50%」の目標には遠く及ばない状況にある。事業の規模別にみると、500人以上は25.36%だったが、5~29人は11.15%と、小さいほど取得率は低くなっている。

ふるさと納税、3年連続で最高を更新  

総務省の発表によると、ふるさと納税制度に基づく自治体への寄付総額は前年度比16.8%増の9654億円になった。3年連続で過去最高を更新したことになる。制度の浸透とともに、物価高で家計のやりくりが苦しくなり、日用品や食品といった返礼品を得るための利用が増えたと同省では見ている。寄付件数は過去最多となる5184万件だった。2022年度に寄付を集めた市町村は宮崎県都城市の196億円、北海道紋別市の194億円、北海道根室市の176円が続いた。

農林水産物、上半期としては過去最高  

農林水産省は2023年上半期(1~6月)の農林水産物・食品の輸出額は7144億円だったと発表した。前年同期比9.6%増で、上半期としては過去最高を更新した。コロナ禍による行動制限の緩和で、外食機会が増えた中国や香港を中心に水産物の需要が回復したことが背景にある。国・地域別では中国が1394億円、香港が1154億円で続いた。ただ、中国は8月に予定されている東京電力福島第一原発処理水の海洋放出計画に反対し、7月から放射能物質検査を強化しており輸出額の伸びが危惧されている。

7月の平均気温、過去最高を更新  

気象庁は7月の平均気温は統計を開始した1898年以降で最も高くなったと発表した。平年を示す基準値(1991~2020年の平均)を1.91度上回り、これまで最高だった1978年のプラス1.51度で45年ぶりに更新したことになる。気象庁では地球温暖化やエルニーニョの影響で今後も全国的に高温となるとしたうえで、「8、9月は猛暑日が増える可能性があり、残暑も厳しい恐れがある。熱中症対策など体調管理に気を付けて欲しい」と呼び掛けている。

大企業の3割、10割全員出社が理想  

日本政策投資銀行が行なった2023年設備投資計画調査で、理想的な出社率を尋ねたところ、大企業の32%が「10割全員出社」と答えていることが明かになった。「9割出社」が15%、「8割出社」が20%となっている。新型コロナウイルス禍でリモート勤務が広がったが、新型コロナの5類移行に伴い、社員全員の「完全出社」を望む企業が前年度の24%から増えていることが浮き彫りとなった。「9割出社」「8割出社」と答える企業も前年度から増えている。

社会・経済の動き@しんぶん.yomu第1041号

日銀、長期金利の上限を0.5%程度に  

日銀は7月28日の金融政策決定会合で、長期金利の上限について0.5%程度をめどとし、市場の動向次第では1%まで上昇することを容認することを決定した。植田日銀総裁は会見で「1%まで上昇することは想定していないが、念のための上限として1%とした」と述べた。これに先立つ7月26日、米連邦準備制度理事会(FRB)は政策金利のフェデラル・ファンド(FF)金利を0.25%引き上げ5.25~5.50%とすることを決定しており、日米の金利差からドル買い円売り(円安)が一段と加速する懸念がある。

2025年度財政収支、1.3兆円の赤字  

内閣府は中長期の経済財政試算で2025年度の国・地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)は成長率が徐々に高まる状況下でも1.3兆円の赤字に陥ると公表した。試算では、日本経済の実質成長率がゼロ%半ばの「ベースライン」と、2%程度に高まる「成長率実現」の2ケースで試算しているが、ベースラインのケースでは2025年度に1.3兆円の赤字となり、2032年度まで赤字が続くと試算している。なお、2つのケースには少子化対策の財源などは織り込まれてはいない。

最低賃金、全国平均1002円に引き上げ    

厚生労働省の中央最低賃金審議会小委員会は最低賃金(時給)を全国加重平均で4.3%(41円)引き上げる1002円とする目安をまとめた。昨年の3.3%(31円)を上回る過去最大の引き上げ額となるとともに、時給額が1000円を初めて突破したことになる。この目安は47都道府県を経済情勢に応じてAからCまでのランクごとに明示し、今回、時給額はランクに応じた都道府県別に41~39円の引き上げが明示された。これを基に各都道府県が実際の引き上げ額を決定し、秋に改訂される。

WMO、異常気象は「新たな日常に」  

世界気象機関(WMO)は世界が命に危険が及ぶ熱波や豪雨の猛威に晒されている事態に対し、「地球温暖化の影響で異常気象の頻度は増しており、〝新たな日常〟になりつつある」との声明を発表するとともに、強く警鐘を鳴らした。また、これを受けてグテレス国連事務総長は「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰化の時代が来た」との警告を発するとともに、各国や企業に対し、温暖化対策を加速するよう強く訴えている。

日本人人口、1968年以来最大の減少に  

総務省は住民基本台帳に基づく人口動態調査で今年1月1日時点での外国人を含む総人口は前年比約51万1千人減の1億2541万6877人だったと発表した。日本人に限定すると約80万1千人の減少の1億2242万3038人となり、減少は総人口調査を開始した1968年以降で最大を更新した。また、47都道府県の全てで前年から減少していた。出生数は過去最少の約77万2千人だったのに対し、死亡数は約156万5千人となり、出生数を大きく上回った。

日本人の平均寿命、2年連続で縮む  

厚労省の調査によると、2022年の日本人の平均寿命は女性が87.09歳、男性が81.05歳だったことが分かった。前年と比べると、女性がマイナス0.49歳、男性がマイナス0.42歳となり、男女ともに2年連続で短くなっている。同省は男女ともに平均寿命が短くなったことについて「新型コロナウイルスの影響が大きかった」と分析したうえで、「今後も下がり続けるとは考えていない」として、平均寿命は一時的で今後は従前のように延びるものとみている。

郵便ポスト投函、1か月30通以下が25% 1ヵ月投函、30通以下が  

日本郵便の調査によると、1ヵ月当たりの投函数が30通以下の郵便ポストは全国で約25%を占めていることが明かになった。ポストから郵便物を集める担当者に1カ月当たりの平均的な投函数を聞き取ったもので、ほぼ利用されていない「0~1通」が3.9%、週に1通程度の「2~9通」が7.0%、数日に1通の「10~19通」が7.4%、毎日1通程度の「20~30通」が6.9%だった。円だった。日本郵便は過疎地も含めポストからの郵便物の収集を行っており、維持コストが課題となっている。

認知症患者、2年後には730万人に  

厚生労働省の研究班の推計によると、全国の認知症の患者数は2025年に約730万人になることが明かになった。65歳以上の20.6%に当たり、5人に1人が認知症になることになる。今国会で成立した「認知症基本法」では「認知症に関する専門的・学術的・総合的な研究を推進する」を掲げ、「認知症対策は日本の新たな国家プロジェクト」として取り組んでいくことを示している。日本の製薬メーカー「エーザイ」が米企業と共同開発した「レカネマブ」が日本でも早期承認されることが期待される。

社会・経済の動き@しんぶん.yomu第1040号

6月の消費者物価指数、3.3%上昇  

総務省が発表した6月の全国消費者物価指数(2022年=100)は前年同月比3.3%上昇の105.0だったことが分かった。22ヵ月連続で前年同月を上回っている。背景には食料や日用品の値上げに加えて、6月の大手電力が実施した規制料金の引き上げが挙げられている。一方、内閣府が経済諮問会議に示した2023年度の消費者物価指数は前年度比2.6%上昇するとの予測を示しており、岸田首相は「国民生活への影響を見極めつつ国民目線に立った対応を進める」と物価高に対処する姿勢を示した。

6月貿易収支、23ヵ月ぶりに黒字に  

財務省は6月の貿易統計で輸出から輸入を差し引いた貿易収支は430億円の黒字だったと発表した。黒字は2021年7月以来23か月ぶりとなる。黒字の背景には、エネルギー資源価格が落ち着き、輸入額が減少したことと併せ、半導体不足が緩和したことから自動車生産が進み輸出が拡大したことが挙げられている。また、同時に発表された2023年上半期(1~6月)の貿易収支は6兆9604億円の赤字だったが、前年同期と比べ赤字額は12.9%減少し、2021年下半期から続いた貿易収支の悪化状況に一服感がみられた。

6月のインバウンド客、207万人に  

日本政府観光局(JNTO)の発表によると、6月の訪日外国人客(インバウンド)は207万3300人だったことが分かった。新型コロナウイルスの感染拡大前の2019年同月比で72%まで回復し、200万人を超えるのは2020年1月以来3年5か月ぶりとなる。円安を追い風に東南アジアや米国、豪州からの訪日客はコロナ前を上回ったものの、コロナ前に訪日客の3割を占めていた中国は約21万人にとどまった。

高騰し続けるガソリン価格、174円/ℓに  

経済産業省は7月18日時点でのレギュラー1リットル当たりの全国平均小売価格は174円だったと発表した。9週連続での値上がりで、昨年6月以来13か月ぶりの高値となった。政府が価格抑制のために石油元売り会社に価格抑制のために支給している補助を6月以降、段階的に縮小していることが挙げられている。主要産油国が追加減産していることに加え、7月21日の外国為替市場での円相場は1ドル=141円台の円安水準となり、今後もガソリン高騰は続くとみられる。

働く女性は過去最多の3035万人  

総務省は2022年就業構造基本調査で、就業者のうち女性は3035万4千人だったと発表した。前回調査の2017年時点から121万5千人増え、過去最多を更新している。女性の就業率も過去最高となる53.2%だった。一方、就業する男性は5年前の調査時点から微減の3670万6千人となり、男女就業者の合計は過去最多の6706万人だった。未就学児の育児をしながら働いている人は85.2%に上り、2012年以降で最高となった。

上半期の刑法犯、21年ぶりに増加  

警察庁のまとめによると、今年1~6月の上半期に全国の警察が認知した刑法犯は前年同期比21.1%増の33万3003件だったことが明らかになった。上半期でみると、21年ぶりの増加で、同庁では「街頭犯や侵入犯罪などの増加が目立ち、新型コロナウイルス禍での行動制限が緩和されたことが要因だった」と分析している。侵入犯罪には、交流サイト(SNS)上で実行犯を募集する「闇バイト」による強盗も含まれている。

ネットショッピング支出額、過去最高に  

総務省統計局の「2022年家計消費状況調査年報」で、ネットショッピング支出額は1か月平均で2万810円とだったことが分かった。前年比11.1%増の2ケタの伸びで調査開始の2002年以降で最高となった。ネットショッピングで大幅に伸びたのは「旅行関係費」(95.1%増)や「チケット」(73.0%増)だった。支出額が最も多かったのは「食料」で前年比16.4%増の4643円だった。また、世帯主の年齢階級別では、40歳未満が前年比11.9%増の3万741円で最も多かった。

ヘルパンギーナ、過去10年間で最多  

国立感染研究所によると、7月9日までの1週間に全国約3000の小児科の医療機関で「ヘルパンギーナ」と診断された患者の数は2万2980人となり、1医療機関当たりの患者数は7.32人となり、警報レベルとされる「6」を上回ったことが明かになった。3週間連続で過去10年間の最多を更新した。「ヘルパンギーナ」は子供がかかりやすい代表的な夏かぜの一つで、4歳くらいまでの乳幼児がかかりやすいウイルス性の感染症で、38度以上の発熱や、口の中に水膨れなどの症状が出るとされている。