社会・経済の動き@しんぶん.yomu第1035号

1ドル=141円、7か月ぶりの円安水準に  

6月15日、東京外国為替市場での円相場は1ドル=141円50銭を付け、昨年11月以来、約7か月ぶりの円安ドル高水準となった。米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを年内にあと2回の実施継続する可能性を示したのに対し、日銀は大規模な金融緩和策を継続するとしており、その方向性の違いから円を売ってドルを買う動きが広がったことが背景にある。また、対ユーロでも、一時1ユーロ=153円台となり、約15年ぶりの円安ユーロ高となった。

防衛財源法が成立、税外収入確保が課題  

6月16日、参院本会議で防衛費増額の財源を確保する特別措置法が成立した。2023年度予算に計上した4兆5919億円の税外収入を複数年度にわたって活用する枠組みの創設を規定しているが、税外収入などを複数年度にわたり安定的に確保できるか、不確実な点が指摘されている。政府は2023~27年度の5年間で防衛費に総額約43兆円を投じる計画だが、増額分の財源は特別会計からの繰り入れなどによる税外収入、税収の上振れなどの決算剰余金、歳出改革、増税の4つを財源とすることが法律に明記されている。

5月貿易赤字、前年同月比42%減  

財務省は5月の貿易統計で貿易収支は1兆3725億円の赤字だったと発表した。22ヵ月連続での赤字となったが、赤字額は前年同月比42.0%減となった。原油高が一服したことで原油輸入額は9.9%減となったことで、赤字額は縮小した。輸入額は2カ月連続で前年水準を下回り8兆6651億円となり、輸出額は27ヵ月連続で前年実績を超えて7兆2926億円だった。ただ、足元では円安が加速してきており、今後の貿易収支の赤字が膨らむ可能性は否定できない状況にある。

円安を背景に金価格は過去最高を更新  

6月17日、田中貴金属工業は金の店頭販売価格を1グラム当たり9876円に設定した。国内の金小売価格の指標として過去最高価格を更新したことになる。金は世界中で取引されるため、国際的な価格指標はドル建てとなるが、直近、急ピッチで円安ドル高が進んだことから円建て金価格は上昇した。加えて、ニューヨーク金先物が値を上げたことも金の国内価格を押し上げた。

男性の約3割が「家事・育児を増やしたい」  

2023年版男女共同参画白書によると、20~39歳の子どもを持つ男性の27.7%が「家事・育児の時間を増やしたい」と答え、「減らしたい」という男性は14.1%で、若年層男性での意識変化が見られた。一方、子どもを持つ同世代の女性は33.5%が「家事・育児を減らしたい」で、「増やしたい」は14.4%にとどまり、男女の意識の差が見られた。白書では「女性が子育てかキャリアを選択しなければならない状況は、少子化対策、経済成長の観点からも損失が大きい」と指摘している。

定期購入に関する相談、過去最多に  

2023年版消費者白書によると、2022年に定期購入に関する消費生活相談件数は過去最多の7万5478件に上ることが明らかになった。とくに、高齢者からの相談は2020年と比べ約2.8倍に急増しており、消費者庁は「1人暮らしの高齢者が増え、孤独・孤立によりトラブルに巻き込まれやすくなる恐れがある」として、「高齢者コミュニティに対応した情報提供が必要だ」としている。また、交流サイト(SNS)をきっかけとする相談件数も2022年は過去最多の6万552件だった。

食料や水などの食糧備蓄は4割止まり  

2023年版防災白書によると、2022年に大地震などに備えて食料や水の備蓄をしている人の割合は40.8%にとどまっていることが明らかになった。前回調査の5年前と比較して4.9ポイント減少しており、危機感が薄れてきていることを浮き彫りにしている。また、白書では、大震災に備えて取り組んでいることを尋ねたところ(複数回答)、「家具の固定」(35.9%)、「避難場所の確認」(34.5%)が挙げられたが、前回調査より減少しており、「特に何もしていない」(13.9%)も挙げられた。

日本滞在経験ある外国人、「すし」が1番  

農林中央金庫が過去10年間で日本に滞在したことのある米・英・仏・中国・韓国の男女に日本食に関するアンケート調査を行ったところ、「すし」が1番の人気だったことが分かった。「すし」は、「滞在時に食べた日本の料理」(68.3%)、「初めて食べた日本の料理」(26.5%)、「最もおいしかった日本の料理」(19.4%)のいずれでも最も多かった。また、「次回、日本に来たら食べたい料理」でも5カ国全てで「すし」(58.7%)が最も多かった。

社会・経済の動き@しんぶん.yomu第1034号

1~3月期GDP、年率2.7%増に  

内閣府は2023年1~3月期の国内総生産(GDP)は実質で前期比0.7%増となり、年率換算で2.7%となったと発表した。新型コロナウイルス感染の流行が一服したことから国内需要が高まり景気回復をけん引したとしている。項目別にみると、個人消費は0.5%増、設備投資が1.4%増となっているが、住宅投資は0.1%減、公共投資は1.5%増に下方修正した。また、内閣府発表の5月の景気ウォッチャー調査では先行き指数が6か月ぶりに悪化しており、物価高などで先行き不透明感がある。

4月の実質賃金は13カ月連続で減少  

厚生労働省が発表した4月の実質賃金は物価変動を反映した実質賃金は前年同月比3.0%減となり、13カ月連続で減少したことが明らかになった。新年度を迎えて進む賃上げで実質賃金の減少に歯止めがかかると注目を集めていたが、物価高の進展により実質賃金は減少している。同省では「賃金は伸びているものの、物価高に追いついていない状況が続いている」と指摘している。基本給や残業代などを合わせた1人当たりの4月の現金給与額は28万5176円で、前年同月比1.0%増で、16カ月連続での上昇となっている。

生活保護申請件数、3年連続の増加  

厚生労働省は2022年度の生活保護申請件数は前年度から6.9%増の24万5686件だったと発表した。3年連続の増加で、新型コロナウイルス禍の長期化や物価高が影響したとみられる。今年3月の生活保護申請件数は前年同月比23.7%増の2万4493件となり、比較が可能な2013年4月以降で過去2番目の伸び率だった。同省では2022年度と今年3月の申請の増加について、「コロナ禍での経済情勢の動向などが要因だが、特定はできない」としている。

5類移行後も46%が「街中ではマスク」  

仲田東京大准教授と高久一橋大准教授が全国の20~79歳の男女1千人を対象にマスク着用状況をアンケート調査したところ、人通りの少ない街中を歩いている時に「常にしている」「おおむねしている」は46%だったことが分かった。新型感染症法上の分類が「5類」に引き下げられる前と比べ4ポイント減で、マスク着用の判断が個人に委ねられた3月13日と比べ約20ポイント減となっている。

食品ロス、6年ぶりに増加に転じる  

農林水産省と環境省が発表した2021年度の食品ロス発生量(推計値)は前年度比0.2%増の523万トンとなったことが明らかになった。6年ぶりに増加に転じたが、過去最低だった前年度の522万トンの微増にとどまっている。食品ロスは東京ドーム約4.2個分。内訳をみると、食品関連事業者の廃棄量は1.5%増の279万トン、家庭からの廃棄量は1.2%減の244万トンとなっている。政府は2030年度までに食品ロスを2000年度の半分となる489万トンに削減する目標を掲げている。

おもちゃの国内市場規模、初の1兆円超え  

日本玩具協会の調査で2022年度のおもちゃの国内市場規模が初めて1兆円を突破したことが分かった。調査対象のおもちゃはテレビゲームを除くカードゲーム・知育用品・模型・ミニカーなどで、これらを希望小売価格で計算した出荷額は9525億円。これにカプセルトイの610億円を合計した1兆135億円。少子化の中で、ロングセラー商品のラインアップをかつて親しんだ大人向けに広げたことや、海外で人気のアニメ関連グッズが外国人の需要を掴んだことが市場規模拡大の背景にあるとされている。

日本人の98%がビタミンD不足  

東京慈恵医大などの研究チームは健康な日本人の血液を調べたところ、98%でビタミンDが不足していたとの調査結果を発表した。調査は2019年4月から2021年3月に東京都内で健康診断した成人男女約5500人を対象に、血中ビタミンD濃度を調べたもので、全体の98%で必要とされる値を下回っていた。とくに、シイタケなどのキノコ類から摂取する植物由来のビタミンDは検出されず、とくに若い人ほど不足している傾向があった。食生活の変化が原因の可能性があるとしている。

SDGsに取り組む企業に「良い印象」    

電通が行なった全国の10~70代の男女を対象にした意識調査によると、SDGsを知っているかを尋ねたところ、「内容は分からないが聞いたことがある」(51.2%)、「内容まで知っている」(40.4%)と答え、9割を超える人が名称や内容を知っていた。また、企業がSDGsに取り組むことの影響を尋ねたところ(複数回答)、「良い印象が強くなる」(59.1%)、「好感度が上がる・応援したくなる」(56.5%)、「信頼感が増す」(55.9%)などが挙げられた。

社会・経済の動き@しんぶん.yomu第1033号

2022年合計特殊出生率、過去最低に  

厚生労働省の速報によると、1人の女性が生涯で出産する子ども数を示す合計特殊出生率は昨年1年間で1.26となり、過去最低となったことが明らかになった。合計特殊出生率は前年比0.05ポイント下がり、7年連続での減少となっている。一方、昨年1年間に死亡した人は156万8961人で、前年から約12万9千人増え、過去最多となった。死亡した人から生まれた子ども数を差し引いた人口の減少幅は過去最大の79万8214人となり、人口減少が加速している。

原発60年超の運転可能な改正法成立  

5月31日、参院本会議でエネルギー関連の5つの法改正をまとめ、原発の60年超運転を可能とする「GX(グリーントランスフォーメーション)脱炭素電源法」が可決、成立した。これにより、これまで原発の運転期間を「原則40年、最長60年」としてきた規定を改め、審査などによる停止期間を計算から除外し、経済産業相の認可で運転延長されることになり、60年を超える運転延長が可能となる。政府は福島第一原発事故後、原発の新増設や建て替えは想定していないとしてきたが、ロシアのウクライナ侵攻を受けて政策を180度転換したことになる。

1~3月期全産業の経常利益、過去最大  

財務省は1~3月期の法人企業統計で全産業(金融・保険業を除く)の経常利益は前年同期比4.3%増の23兆8230億円だったと発表した。1~3月期としては過去最大を更新した。製造業は2四半期連続で前年実績を下回ったものの、非製造業は17.2%増となり、全体を押し上げた。同省では「緩やかに持ち直しの動きが続いている景気の状況を反映している」と分析する一方で、「物価高の影響を注視する」との姿勢を示している。

2022年度税収、初の70兆円超え見通し  

財務省は2023年4月末時点での2022年度税収は61兆5325億円となったと発表した。前年同期比5.1%増で、これに3月期決算企業の法人税等を加えると5月分までの税収は初めて70兆円を超えるとみられ、税収は3年連続で過去最高を更新する見通し。背景には、物価高による消費税収の増加、企業業績回復による法人税収の伸びが挙げられている。政府は昨年11月時点で2023年度税収は68兆円余りと見積もっており、これを上回る税収は国債償還や防衛費強化の財源に充てるとしている。

米議会、債務上限効力の一時停止を可決  

5月31日、米議会下院で連邦政府の債務上限の効力を一時的に停止する法案が与野党の賛成多数で可決された。上院でも採決見通しにあり、6月5日にも政府の資金繰りが行き詰るデフォルト(債務不履行)危機が回避される見通しとなった。デフォルトの事態に米国が陥れば、世界の金融市場が混乱することが避けられないだけに、下院での採決により安堵感が拡がり、翌日6月1日の東京株式市場は日経平均株価が上昇した。

プラ汚染は17年後までに8割削減可能  

国連環境計画(UNEP)の報告書によると、世界のプラスチック汚染は既存技術の活用や政策転換といった対策を講じることで、2040年までに80%削減できるとしていることが明らかになった。報告書では、リサイクル可能なプラスチックの割合を現状の2割から5割に増やすことで汚染は20%削減され、さらにプラ製の包装や袋を対比になる素材に切り替えることで17%削減でき、残り13%は廃棄物管理が不十分な国への使用済みプラの輸出禁止で減らせるとしている。

厚労省が健康増進で新目標を設定  

厚生労働省は健康増進法に基づき食物摂取量などの目標値を定める「健康日本21」を10年ぶりに改訂し、食物摂取量や睡眠時間など約50項目の目標値を示した。この中で、野菜摂取量は国民調査では281グラムにとどまっており、従来通りの350グラム摂取を掲げた。果物は「100グラム未満を3割とする」との目標から2倍のグラム200グラムとした。塩分は1グラム減の7グラム、運動量は全世代7100歩と定めている。同省では「所得や生活環境で健康格差が生じている。アクションプランで解決策を示したい」としている。

たばこ1本ごとに健康被害の警告を印刷  

カナダ保健省の発表によると、国内で販売される紙巻きたばこの一本一本に健康被害の警告の印刷を来年から義務付ける新たな規制を行うことが明らかになった。一本ごとに警告を印刷する取り組みは世界で初めてとなる。印刷されるメッセージは、「たばこはがんを起こす」「一服ごとに毒」などが記され、喫煙の度に印字されたメッセージを目にすることになり、健康被害防止への警告効果を高めるとしている。

通常総会・記念講演会を開催します

宮古法人会では、通常総会・記念講演会を開催します。
記念講演会につきましては、会員以外の方も聴講可能ですので、聴講をご希望の方は
宮古法人会までお申し込みください。

 〇開催日 令和5年6月7日(水)
 〇会 場 浄土ヶ浜パークホテル

 *通常総会*
  時間:14:00~15:30
  会場:浄土ヶ浜パークホテル
  議題:報告事項第1 令和4年度事業報告
     報告事項第2 令和5年度事業計画報告
     報告事項第3 令和5年度収支予算報告
     報告事項第4 インボイス制度への対応について
     第1号議案  令和4年度収支決算承認の件
     第2号議案  任期満了に伴う役員改選承認の件
 
 *記念講演会*
  時間:15:30~16:30
  演題:『国内・本県経済の現状と今後の展望 ~これからの三陸地域の活性化に向けて~』
  講師:田口 幸雄 氏(一般社団法人岩手県法人会連合会会長・㈱岩手銀行代表取締役会長)

※講演会の申し込みについては、6月6日(火)までに、聴講希望の旨と氏名、電話番号を、宮古法人会事務局まで、電話・FAX・メールのいずれかにてご連絡ください。

  宮古法人会事務局
   電話0193-63-1214 FAX0193-63-2250
   メールアドレス umineko@miyako-houjinkai.com

  

  
  


社会・経済の動き@しんぶん.yomu第1032号

景気判断、10カ月ぶりに引き上げに  

政府は5月の月例経済報告で、国内景気の基調判断を「緩やかに回復している」に引き上げた。上方修正は10カ月ぶりで、新型コロナウイルス感染が拡大して以降で初めて「回復」との表現を用いた。現状判断の個別項目では、個人消費を「緩やかに持ち直している」から「持ち直している」と上方修正するとともに、輸出についても「弱含んでいる」から「底堅い動きとなっている」に、生産は「このところ弱含んでいる」から「持ち直しの兆しがみられる」とそれぞれ上方修正した。

対外純資産残高、過去最大の418兆円  

財務省は日本の政府や企業、個人投資家が海外に持つ対外純資産残高は2022年末時点で過去最大を更新する418兆6285億円だったと発表した。対外純資産は資産から負債を差し引いたもので、円安の進行で外貨建て資産を円換算した評価額が増えたこともあって、過去最大を更新したことが背景にある。内訳をみると、対外資産残高は6.5%増の1338兆2364億円、対外負債残高は9.6%増の919兆6079億円となっている。対外資産残高は14年連続、対外負債残高は4年連続で増えている。

2022年度の実質賃金、1.8%減少  

厚生労働省の毎月勤労統計調査(従業員5人以上)の2022年度分によると、物価変動を加味した実質賃金の月平均は前年度比1.8%減だったことが明らかになった。物価高の影響が色濃く表れた形で、一段と家計がひっ迫している状況にある。2022年度の現金給与総額は月平均で1.9%増の32万6308円となっており、就業形態別では、一般労働者は2.3%増の43万392円、パートタイム労働者は2.8%増の10万2791円だった。

日本・千島海溝地震で15万人規模の応援  

中央防災会議の幹事会で北海道から東北地方の太平洋沖にある日本海溝・千島海溝の巨大地震への応急対策で、警察、消防、自衛隊から最大で15万人規模の広域応援部隊を派遣するなどの計画を決定した。計画では、想定される被害規模に応じて、北海道に7割、東北3県(青森・岩手・宮城)に3割を派遣するとしている。また、被災地が積雪寒冷地であることから、応急に必要な道路の除雪や低体温症などの対策も盛り込まれた。災害時は被害の全容把握が困難になるため、地元からの要請を待たずに政府は「プッシュ型」で支援するとしている。

IMF、米国にさらなる利上げを提言  

国際通貨基金(IMF)は2023年の米実質国内総生産(GDP)成長率を1.7%と予測するとともに、物価高を抑制するために米連邦準備制度理事会(FRB)が政策金利をさらに引き上げることが必要だとの提言を行った。IMFは2023年末のFRBの政策金利を現状の5~5.25%より高い5.4%と見込んでいる。また、IMFは米政府に対して「財政再建のために大幅な歳出削減と企業や高所得者への課税強化などによる歳入増を図るように」と提言している。

女性消防職員の割合、過去最高の3.4%  

総務省消防庁のまとめで火災や救助の現場で働く女性消防員の割合は過去最高の3.4%だったことが分かった。同庁によると、全国723本部に勤務する消防職員は16万5928人で、このうち女性は5585人だった。1千人以上の本部では女性の割合は5.2%となっているが、100人未満では2.0%だった。不規則な勤務時間や過酷な労働、後方支援業務が少ないことなどから仕事と私生活の両立が困難とされることに加え、警察や自衛隊などの他の現業職と希望者が競合しがちなことが背景にある。

ネガティブ思考、片頭痛リスク要因に  

広島大大学院の研究グループの発表によると、不安や心配なことを長く考え続ける(ネガティブな反復思考)が強い人は片頭痛になりやすいことが分かった。大学生426人を対象にネガティブな反復思考の有無と片頭痛の程度を1か月間、頭痛との関連を調査したもの。初回調査で反復思考がなかった人と比べ、強い傾向があった人はその時点で頭痛がなくても1か月後に片頭痛と判定されるリスクが高かった。研究グループは「ネガティブな反復思考は初期の段階では頭痛を和らげることがある一方、長期的には頭痛を悪化させることも示された」としている。

サラ川柳、値上げラッシュをユーモラスに  

第一生命は「さらっと一句!私の川柳コンクール」のベスト10を発表した。今年1月に100句が選出され、この中から1位に選ばれたのは「また値上げ 節約生活 もう音上げ」だった。相次ぐ値上げラッシュの憂いをユーモラスに詠んでいる。2位には、睡眠効果があるとして人気を集め品薄状態となった乳酸菌飲料を詠んだ「ヤクルト1000 探し疲れて よく寝れる」が選ばれた。3位には「店員が 手とり足とり セルフレジ」だった。

社会・経済の動き@しんぶん.yomu第1031号

1-3月期GDP、年率1.6%増  

内閣府は2023年1~3月期の国内総生産(GDP)は物価変動を除く実質で前期比0.4%増となり、年率換算で1.6%増となったと発表した。3四半期ぶりのプラス成長となった背景には新型コロナウイルス感染が落ち着きを見せ、旅行などの個人消費が回復したことに加え、設備投資の増加が寄与している。2020年7~9月期以来の高い伸びで、金額は過去最高の570兆円となった。新型コロナ感染症法上の位置づけが「5類」に移行したことで、さらに経済活動が活発化されていく見通しにある。

4月貿易赤字は前年同月比の半分に  

財務省が発表した4月の貿易統計で、貿易収支は4324億円の赤字だった。赤字は21か月連続となったが、赤字額は前年同月比49.4%減と半減している。原油価格が前年同月比16.7%下落したことから輸入額が前年を下回ったことが背景にある。輸入額は2.3%減の8兆7208億円、輸出額は2.6%増の8兆2884億円となっている。原油価格は一服感があるものの、外国為替市場の円相場は前年同月比9円以上の円安水準となっており、為替市場での円の動向が今後の貿易収支を左右しかねない。

大手企業の賃上げ、30年ぶりの高水準  

経団連の発表によると、2023年春闘の第1回集計結果で大手企業の定期昇給やベースアップを含む月給の賃上げ率は平均3.91%となったことが分かった。前年の第1回集計と比べ1.64ポイント上昇し、回答額は5680円増の1万3110円だった。引き上げ額が1万円を超えるのは1993年以来30年ぶりとなる。賃上げ率を業種別でみると、造船が6.06%で最も高かった。また、製造業の賃上げ率は3.88%、回答額は1万2714円、非製造業は4.02%、1万4634円だった。

1~3月期車輸出台数、中国が世界首位  

業界団体の集計によると、中国の2023年1~3月期の自動車輸出台数は前年同期比58.1%増の107万台となったことが分かった。日本の95万台を上回り、世界首位となった。107万台輸出の内訳をみると、電気自動車(EV)などの新エネルギー車が前年の2倍近い38万8千台を占めており、世界的な潮流を背景に大きく伸びている。中国の輸出先はロシアへの14万台が最多だったが、新エネルギー車に限ると、ベルギー、オーストラリア、タイへの輸出が多くなっている。

訪日客数、コロナ以降で最多に  

政府観光局は4月の訪日客は194万9100人に上ったとの推計を発表した。新型コロナウイルスにより客数が激減した2020年2月以降で最高となった今年3月の訪日客(181万7500人)をさらに上回り、最多を更新した。また、観光庁は1~3月の日本人による国内旅行消費額が前年同期比1.8倍となる4兆2331億円になったと発表した。昨年10月から始まった全国旅行支援策が支出額を押し上げたとみられる。コロナ後の訪日客数や国内旅行消費額もかつての日常を取り戻す途上にある。

4月国内企業物価指数、5.8%上昇  

日銀は4月の国内企業物価指数(2020年平均=100)は前年同月比5.8%上の119.8だったと発表した。3月の伸び率の7.4%から1.6ポイント下がった背景には、政府による企業を対象とした電気・ガス料金の負担軽減策の効果が挙げられている。商品別の上昇率をみると、電力・都市ガス・水道が25.8%、鉱産物が23.4%、飲食料品が7.0%だった。企業物価上昇分を販売価格に転嫁する動きが続いており、一段と家計への負担増加は避けられない状況にある。

コロナ5類移行後、定点平均2.63人  

厚生労働省は5月19日、新型コロナ感染症の位置づけが5類に移行後初めて公表した新型コロナウイルス感染症の患者数は1医療機関当たり2.63人だったと発表した。全国約5000の定点医療機関から報告された直近1週間(8~14日)患者数の集計を基に1医療機関当たりの患者数を示したもの。同省が参考値として示した前週(1~7日)の1医療機関当たりの患者数は1.80人となっており、流行状況について「緩やかな増加傾向が続いている」と分析している。

困窮世帯の8割が物価高で教育費支出減に  

公益法人チャンス・フォー・チルドレンが住民税非課税や一人親、生活保護世帯で中高生の子どもがいる保護者を対象に、物価高による学習や教育支出を「減らした」「今後減らす可能性がある」と答えた人は86.7%に上ることが明らかになった。削減対象として挙げられたのは、学習塾など「学校外学習費」が81.4%で最も多く、参考書や問題集、辞書の購入、文化やスポーツが続いた。同法人では「教育への影響が長引けば、将来の収入で格差を生む恐れがある」と指摘している。

社会・経済の動き@しんぶん.yomu第1030号

国の借金、過去最大の1270兆円  

財務省の発表によると、国債と借入金、政府短期証券を合わせた、いわゆる国の借金は2022年度末時点で1270兆4990億円になったことが明らかになった。2022年度は約29兆円増え、過去最大を更新した。背景には、新型コロナウイルスや物価高対策による財政出動が図られたことが挙げられている。もし、金利が現在以上に上昇することになれば、利払い費が増加することになり、財政運営に厳しい影を落とすことになる。国民1人当たりに換算すると、借金は約1020万円となる。

2022年度経常黒字、54%減の約9兆円  

財務省は2022年度の国際収支速報で経常収支の黒字額は前年度比54.2%減の9兆2256億円だったと発表した。2014年度以来8年ぶりの低水準となった背景には、原油高と円安により輸入額が急激に膨らみ、貿易赤字が過去最大になったことが挙げられている。経常黒字の減少額は10兆9265億円となり、原油高となった2008年度(13兆6490億円)以来の大きさとなった。2023年度は海外経済の減速から輸出が鈍化するとみられており、収支の大きな改善は見込めない状況にある。

上場企業の純利益、過去最高水準に  

SMBC日興証券が東証1部に上場する企業のうち、2023年3月期決算を発表した703社を集計したところ、純利益は過去最高水準になる見通しであることが明らかになった。売上高は前年比14.2%増の580.3兆円で、営業利益は4.2%増の39.1兆円となる見込みである。同社によれば、「純利益はこれまで最高だった2022年3月期の約34兆円だったが、2023年3月決算ではこれを上回る状況にあり、過去最高を更新する」としている。

物価高での倒産、1千件を超える  

帝国データバンクの集計によると、4月の「物価高倒産」は75件となり、集計を開始した2018年1月以降で1千件を突破したことが明らかになった。倒産件数に占める物価高倒産の占める割合は、3月に8.3%だったが、4月は12.3%と急増している。業種別に物価高倒産は、建設業が23件で最も多く、製造業と運輸業(ともに13件)、サービス業(12件)、小売業(7件)が続いた。物価高倒産の要因では「エネルギーコスト」「人的コスト」が最多を占めた。

実質賃金、12か月連続マイナス  

厚生労働省の3月の毎月勤労統計調査によると、物価上昇を加味した実質賃金は前年同月比2.9%減少だったと発表した。12か月連続でのマイナスで、現金給与総額(名目賃金)は増えてはいるものの、物価高に追いついていない状況にあることを浮き彫りにした。基本給や残業代などを合わせた現金給与総額は0.8%増の29万1081円と15カ月連続でプラスに転じてきているが、3カ月連続で1%を下回っている。担当者は「春闘の賃上げの動きで、4月分以降の調査結果の推移を注視したい」としている。

2月の生活保護申請件数は20%増  

厚生労働省の発表によると、2月の生活保護申請件数は前年同月比20.5%増の1万9321件だったことがあきらかになった。2カ月連続での増加で、20%台になるのは2020年4月以来となった。同省担当者は「2月の申請件数自体は1月より減っている。前年同月の件数が少なかったことで伸び率は高くなった」と指摘したうえで、「増減の要因は経済やコロナ禍の状況、物価高など複合的である」と分析している。生活保護受給世帯数は164万2915世帯に及んでいる。

医療費増に対応する改正健保法が成立  

5月12日の参院本会議で2024年度から75歳以上の公的医療保険料を段階的に引き上げる健康保険法などの改正法が成立した。全世代型社会保障への改革の一環による改正で、高齢化に伴う医療費増に対応するとともに、子どもを産んだ人に給付する「出産育児一時金」の財源に充当されることになる。改正では、75歳以上の公的医療保険料を2024~25年度に引き上げられることになり、2024年度は年金収入が年211万円超、2025年度に年金収入が153万円を超える人が対象となる。

Z世代の4割超が「自分の自が嫌い」  

パイロットコーポレーションが1990年代後半から2000年代前半に生まれた「Z世代」と呼ばれる19~25歳を対象にした調査で、45%が「自分の書く字を嫌い」と答えていることが分かった。嫌いな理由では「字が汚い」「癖がある」などが挙げられた。また、手書きのものを受け取った時に、76.7%が「嬉しい気持ちになる」と答えた。その理由として、「感情が伝わってくる」「温かみを感じる」がいずれも半数近くを占めていた。

社会・経済の動き@しんぶん.yomu第1029号

WHO、コロナ緊急事態の終了を宣言  

世界保健機関(WHO)は5月5日、2020年1月に宣言した新型コロナウイルス緊急事態の終了を発表した。専門家会合で新型コロナウイルスの流行がもはや緊急事態に当たらないという見解を受け、宣言の解除を行ったもので、宣言から3年3カ月余を経て、「平時」への移行へと踏み出したことになる。会見でテドロス事務局長は「新型コロナによる公衆衛生上の世界的な緊急事態が終わったと宣言したい」と述べるとともに、「新型コロナが脅威で無くなったことを意味するものではない」として警戒する姿勢を示した。

子どもの数、42年連続減の1435万人  

総務省は4月1日時点の外国人を含む15歳未満の子どもの数は前年比30万人少ない1435万人だったと発表した。42年連続での減少で、総人口に占める割合は0.2ポイント低下の11.5%だった。子どもの数を3歳ごとの年齢区分でみると、12~14歳が321万人だったのに対し、0~2歳は243万人で、年齢が低くなるほど人数が少なくなっており、少子化の進行傾向がみられた。子供の数はピークだった1954年(2989万人)の半分以下にとどまっている。

社会保険料増額に現役世代は抵抗感  

共同通信社の世論調査で、少子化対策の財源として浮上している社会保険料増額に対する賛否を尋ねたところ、現役世代で抵抗感が強い傾向がみられた。年代別に「反対」としている向きは、中年層(40~50代)で最も高い59.4%で、次いで若年層(30代以下)の57.4%、高年層(60代以上)の53.2%が続いた。社会保険料の増額によって負担が増える現役世代での反対が5割を超え、抵抗感が強いことを浮き彫りにしている。

報道の自由度、日本はG7で最下位  

国際NGO「国境なき記者団」が発表した2023年の「報道の自由度ランキング」によると、日本は調査対象の180カ国・地域のうち68位(前年71位)だったことが分かった。主要7カ国(G7)の中では最下位だった。「国境なき記者団」は日本の状況について、「メディアの自由と多元主義の原則を支持している」としながらも、「政治的圧力やジェンダー不平等などによりジャーナリストは政府に説明責任を負わせるという役割を十分に発揮できていない」と批判している。

深刻な「急性飢餓人口」は2.5億人  

国連食糧農業機関(FAO)と世界食糧計画(WFP)の発表によると、紛争や自然災害で深刻な食糧不足に陥った人々の数を示す「急性飢餓人口」は2022年に過去最多の2億5800万人に上ったことが明らかになった。前年から6500万人増えた背景にはロシアのウクライナ侵攻で食糧価格の上昇が影響したことも挙げられている。急性飢餓人口の発生要因のうち最も大きかったのは紛争によるもので、全体の45%を占める1億1710万人に上り、次いで経済状況の悪化(8390万人)が続いた。

SDGs債、過去最高の4.7兆円  

大和証券の調査で、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」に基づき、環境や社会問題解決の資金調達のため企業や自治体が発行する「SDGs債」の2022年度の国内発行額は4兆7036億円となったことが分かった。前年度比55.7%もの大幅な増加で、発行額としては過去最高を記録。債権を購入する投資家側にも社会課題解決への貢献意識が高まっていることを裏打ちするもので、とくに既存火力発電所の廃止に向けた事業など低炭素化のための「トランジションボンド(移行債)」の発行が目立った。

コロナ5類移行、4.2兆円景気浮揚効果  

第一生命経済研究所は新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが5月8日から5類に移行による経済効果は4.2兆円に上るとの試算を発表した。試算では、水際対策の終了で日本への旅行で観光客の増加などで約2.6兆円のインバウンド効果や飲食や宿泊などのサービス消費の拡大もあり、経済効果は膨らむとしている。同研究所の熊野主席エコノミストは「ゴールデンウィーク明け以降は世界各国がそろってアフターコロナに移行する態勢になる。コロナ流行前の水準への消費回復も見込める」としている。

4月の鶏卵卸値、最高値の350円/キロ  

鶏卵の4月卸売価格(東京地区・Mサイズ)が月平均で1キロ当たり350円となった。前月比7円高く、1993年以降で最高値を更新した背景には昨秋からの鳥インフルエンザに感染拡大で殺処分されたことから、供給が大きく減少したことが挙げられている。農水省では今秋までに大規模養鶏場で防護柵を設置して管理区域を分けることで、鳥インフルエンザが発生した際に全てを殺処分しなくてもよいよう対策を検討している。

社会・経済の動き@しんぶん.yomu第1028号

2070年の総人口は8700万人  

国立社会保障・人口問題研究所が公表した50年後の日本の将来推計人口で、2070年には8700万人になることが明らかになった。推計では、2056年に1億人を割り込み、2070年には2020年時点(1億2615万人)と比べ約3割減少することになる。大幅な人口減少によって年金や医療などの社会保障をはじめ、自治体の維持、経済活動の縮小など、広範な領域で深刻な影響をもたらしかねないだけに、人口減少対応への取り組みが欠かせないものとなってくる。

コロナ5類移行を政府が正式決定  

政府は新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけを予定通り5月8日から5類へ移行することを正式決定した。5類移行後は、発生動向は定点調査に基づき週1回の発表とし、感染者対応では外出自粛要請を廃止、医療費は公費支援から一部自己負担となる。感染対策では、行政が関与してきたマスク着用の推奨などの仕組みから、個人や事業者の判断に委ねるなど、個人の選択を尊重し自主的な取り組みとなる。ただ、コロナワクチンについては2023年度も無料接種を継続するとしている。

2027年GDP、日本は世界4位に転落  

国際通貨基金(IMF)の資料によると、日本の2022年国内総生産(GDP)は前年比15%減の4兆2330億ドルとなり、米国、中国に次いで世界第3位を維持したことが明らかになった。人口が世界一となったインドは若年層の割合が高いことから経済の急成長を遂げ、2027年度には日本やドイツを抜き、世界第3位になると見込まれている。その際、日本のGDPは4位に転じるとみられている。

2023年度、ベア実施企業は62%  

財務省の調査結果によると、2023年度に賃金を底上げするベースアップ(ベア)を実施した企業は予定を含め62.1%に上ることが分かった。ベア実施企業は前年度の38.7%から大幅に増えている。ベアを実施した企業を業種別にみると、製造業が69.8%、非製造業が52.0%だった。また、ベア実施企業のうち、ベア水準を「3%以上」と答えた比率は37.3%で、前年度の13.7%から大幅に増えている。背景には、人材確保や物価高に対応することから賃上げが広がったとみられる。

2022年世界の軍事費、過去最高に  

ストックホルム国際平和研究所は2022年の世界の軍事費(支出、一部推計)は前年比3.7%増の2兆2400億ドル(約300兆円)だったと発表した。推計値が残る1988年以降で最高額となる。急速に拡大した背景には、ロシアのウクライナ侵攻が要因だったと分析している。上位5カ国(米国・中国・ロシア・インド・サウジアラビア)の合計は世界全体の63%を占めている。世界10位となる日本の軍事費は前年比5.9%増の460億ドル(約6兆1600億円)だった。

米国人のローン残高、過去最高に  

米連邦準備理事会(FRB)のレポートによると、2月の消費者信用残高は過去最高の4兆8200億ドル(約637兆円)になったことが明らかになった。消費者信用残高はローンなどの借り入れによる個人消費の動向を示す指標で、クレジットカードのリボルビング払い残高や自動車ローンなどの非リボルビング払い残高が1月に12.7%も急上昇したのに続き、2月も5%上昇した。金利上昇で個人債務が膨らんだことが背景にある。

中学教諭の36%が過労死ラインに  

文部科学省が行なった2022年度教員勤務実態調査によると、過労死ラインとされる月80時間の残業に相当する学校内勤務時間である「週60時間以上」にある教諭は、小学校で14.2%、中学校で36.6%だったことが分かった。小中学校とも前回調査の2016年度調査よりは改善していたが、残業時間上限である月45時間を超えることになる「週50時間以上」の教諭は、小学校で64.5%、中学校では77.1%を占めていた。同省では今後、中教審で教員の処遇改善に向けた教職員給与特別措置法の改正を目指すとしている。

新卒女子の2割が「子どもを持ちたくない」  

キャリタスリサーチが2023年春に大学・大学院を卒業する学生を対象にした「キャリアプラン・ライフプランに関する調査」で、女性の20.8%が「将来、子どもを持ちたくない」と答えていることが分かった。子どもを持ちたいと答えた女性は51.1%で約半数だった。また、家庭を持つとしても夫婦とも働く、共働き世帯を選択する女性は76.7%に上り、専業主婦世帯を希望する女性は7.0%にとどまっていた。少子化の流れが加速する素地を含んだ意識データともいえる。

社会・経済の動き@しんぶん.yomu第1027号

2022年度貿易赤字、過去最大  

財務省は2022年度貿易統計速報で貿易収支は21兆7285億円の赤字だったと発表した。赤字額は前年度比約3.9倍もの急増ぶりで、比較可能な1979年度以降で過去最大となった。背景には原油価格の高騰や円安があり、輸入が前年度比32.2%増の120兆9550億円となり、輸出の伸びを上回っていた。貿易赤字は2年連続で、原発停止が影響した2013年度に記録した最大の13兆7564億円を大きく上回った。3月の貿易収支は7545億円の赤字となり、20カ月連続で赤字だった。

昨年度の消費者物価指数、歴史的上昇  

総務省は2022年度平均の全国の消費者物価指数は前年度より3%上昇したと発表した。第2次オイルショックの影響があった1981年度以降41年ぶりの歴史的な上昇幅となった。帝国データバンクのまとめでは今年の食品値上げは昨年に続き2万品目を超えており、物価上昇は今後も続く見通しにある。また、みずほリサーチ&テクノロジーズの試算では2022年度の家計負担は前年度から約10万円増え、今年度はさらに5万円増えるとしている。

健保組合の今年度予算、過去最大の赤字  

大企業の従業員や家族が加入する健保組合の2023年度予算の集計結果を公表したところ、経常収支は5623億円の赤字となり、赤字額は過去最大となることが明らかになった。赤字の最大要因は高齢者医療への拠出金が大幅に増えたことが主な要因となっている。全1380組合の中で、8割近い1093組合が赤字に陥っている。このため、今年度の平均保険料は0.01ポイント増の9.27%で過去最高となった。1人当たりの年間保険料は1万1101円増の50万9657円(労使折半)となる。

温室効果ガス排出量、8年ぶりに増加  

環境省は2021年度の国内の温室効果ガス排出量は11億7千万トンだったと発表した。前年度比2%の増加で、8年ぶりに増加に転じた。増加に転じたのは日本だけにとどまらず、G7主要7ヵ国も全て増加に転じており、新型コロナ禍で停滞していた経済が回復したことから、エネルギー消費量が増加したことが主因とされている。政府は2030年までに2013年の排出量の46%削減を目標にしているが、2013年度と比べ20.3%減少となり、目標までは道半ばの状況にある。

正社員不足、全国企業の66.6%  

東京商工リサーチの調査で、正社員不足で人手不足にある全国の企業は66.6%に上ることが分かった。「非常に不足している」(11.5%)、「やや不足している」(55.1%)と人手不足を訴えていた。業種別に不足感を抱えている企業では、「道路旅客運送業」(90.9%)が深刻で、「道路貨物運送業」(88.2%)、「宿泊業」(83.3%)が続いた。同社では「運送業は資格が必要なため、同業種内で人の取り合いになっている。賃金や待遇の改善をしないと人が集まらない状況になっている」とみている。

ビジネスケアラーの経済損失は9兆円超  

経済産業省が発表した試算で、働きながら家族を介護する人である「ビジネスケアラー」は労働生産性の低下などにより経済面での損失は2030年に9兆円超になるとみていることが明らかになった。2025年に団塊世代が全て75歳を超え、介護が必要となる高齢者が増えると見込まれていることが背景にある。同省では、ビジネスケアラーは2020年に約262万人だったが、2030年には約318万人になるとみている。

「緊急発進」回数は依然高い778回  

防衛省の発表によると、昨年度に領空侵犯の恐れがある航空機に対し航空自衛隊による「緊急発進」を778回行ったことが明らかになった。内訳をみると、中国機に対する発信回数が575回の最多で、ロシア機が150回で続いた。過去最多だった2021年度の1004回からは減少しているものの、2013年度以降は700回を超える高水準が続いている。浜田防衛大臣は「我が国周辺空域における中国及びロシア機の活発な活動は続いている」との懸念を示している。

GW予算平均は1.7倍増の2万7千円  

民間調査会社のインテージが15~79歳の男女を対象にゴールデンウィークの意識と行動を調査したところ、今年の1人当たりの予算は平均で2万7870円だったことが分かった。昨年の1万6407円から1.7倍に増加している。具体的な支出予定では、ショッピングが24%、外食が19%、国内旅行が14%などとなっており、いずれも昨年より伸びていた。一方、「自宅で過ごす」は3ポイント減の35%だった。同社では「昨年よりアクティブに過ごしたい人が増えている」とみている。