社会・経済の動き@しんぶん.yomu第1051号

日銀短観、大企業製造業は2期連続改善  

日銀が発表した9月の短観によると、大企業製造業は前回の6月から4ポイント上昇のプラス9となり、2期連続で改善したことが明らかになった。日銀短観は国内企業約9千社から景気判断を聞き取り、3ヵ月に1度発表されるもの。改善の背景には半導体供給不足が次第に解消されて自動車生産が回復したことに加え、価格転嫁が進んでいることが挙げられている。また、大企業の非製造業もプラス27となり、6期連続で改善が進み、1991年11月以来32年ぶりの高水準にある。

原油、供給削減で100ドルの大台に迫る  

国際エネルギー機関(IEA)は9月の月報で主要産油国の減産延長の影響で年内は「大幅な供給不足」に陥るとしたうえで、原油価格の高止まりを示唆した。石油輸出機構(OPEC)の産油国で構成される「OPECプラス」が昨秋から協調減産し続けていることに加え、サウジとロシアが独自に生産・輸出を減らすと表明しており、原油価格は今夏から上昇に転じている。加えて、9月に両国が供給削減を表明したことで米国産WTIと英国産北海ブレントは再び1バーレル=100ドル台に迫っている。

2~5月、生活保護申請件数が急増  

厚生労働省の集計によると、今年2~5月の生活保護申請件数は対前年同月比10~20%台の高水準で推移してきており、急増していることが明らかになった。急増していることについて政府関係者は「新型コロナウイルス禍に伴う特例的な生活支援の縮小が一因」と分析した上で、「コロナ禍で綱渡りの生活を送っていた人々への支援がなくなり、増加につながっている可能性がある」としている。同省によると、コロナ禍から続く生活苦からにより借りた生活資金を返済できないケースもあるという。

実質賃金、17ヵ月連続でマイナスに  

厚生労働省が発表した8月の毎月勤労統計調査で、物価変動を加味した実質賃金は前年同月比2.5%減となり、17ヵ月連続のマイナスとなった。一方、名目賃金に当たる現金給与総額は20カ月連続となり、物価上昇に給与の上昇が追いついていない実情を浮き彫りにしている。現金給与総額は1.1%増の28万2700円だったが、消費者物価指数は3.7%上昇している。主要産業別にみると、不動産・物品賃貸業が5.8%増、金融・保険業が5.8%増となっている。

日本の技術革新、前年と同じ世界13位 pteq@e13e  

国連の世界知的所有権機関(WIPO)が発表した2023年版世界イノベーション(技術革新)指数によると、日本は世界第13位だった。イノベーション指数は世界の132カ国・地域を対象に技術革新の能力や成果を7分野・80の指標で評価したもので、世界首位は前年と同じくスイスだった。日本の順位は前年との同じだったが、「市場の洗練度」「事業の洗練度」の分野で評価されたものの、「創造的な成果」「制度・機関」では低評価だった。

7月の羽田空港、国際線旅客が過去最高  

羽田空港のターミナルを運営する日本空港ビルディングと東京国際空港ターミナルがまとめた7月の国内線と国際線を合わせた総旅客数は前年同月比43.2%増の670万5648人だったことが明らかになった。内訳をみると、国内線の旅客数は15.7%増の497万7287人。国際線は単月としては過去最高となる4.53倍の172万8361人だった。国際線の内訳をみると、日本人が3.04倍の63万9869人、外国人が11.31倍の86万6676人などとなっている。

ビジネスパーソンのストレス3年連続1位は  

チューリッヒ生命保険の調査で、ビジネスパーソンが仕事上でストレスを感じる要因を尋ねたところ、1位は「給与・賞与(金銭面)」(20.1%)だった。3年連続で1位となり、ビジネスパーソンが経済面でのストレスを抱える近年の悩みとして大きいことが伺える。次いで、「仕事内容」(17.4%)、「上司・部下以外の社内の人間関係」(14.0%)、「上司との関係」(12.5%)、「仕事環境」(10.6%)が続いた。勤務先で導入されている制度で、コロナ禍前から多く導入されていたのは「時短勤務」(16.3%)だった。

小中校の不登校児童生徒は10年連続増  

文部科学省が公表した2022年度の問題行動・不登校調査結果によると、全国の国公私立小中学校で30日以上欠席した不登校の児童生徒は29万9048人で過去最多を更新したことが明らかになった。10年連続での増加で、直近2年間は前年度からの増加幅が2割を超えていた。同省は「必ずしも学校に行く必要はないとの認識が広まったことが不登校増加の要因」と分析している。一方、学校が判断した小中学生の不登校理由は「無気力、不安」が51.8%を占めていた。

社会・経済の動き@しんぶん.yomu第1050号

長期金利、約10年ぶりの高水準に  

9月28日の国債市場で、長期金利の指標となる新発10年債(表面金利0.4%)の終値利回りが0.755%だった。約10年ぶりの高水準となった背景には、米国の金融引き締めが長期化するとの予測から日本国債の売りが加速し、利回りが上がったことになる。長期金利上昇の流れを受け、大手銀行4行全てが10月から適用する住宅ローン金利について代表的な10年の固定金利を0.94%~1.65%に引き上げた。今後、長期金利の上昇が続いた場合は、さらに住宅ローンの固定金利をさらに引き上げる可能性がある。

円安、約11か月ぶりの水準の149円台  

9月26日の東京外国為替市場で1ドル=149円台に突入し、約11か月ぶりの水準にまで円安が進んだ。米国の金融引き締めが長引くとの観測から、大規模な金融緩和を続ける日本との金利差が一段と拡大するとの見通しから、運用でより高い利回りが見込めるドルを買い、円を売る動きが強まったことが背景にある。市場では1ドル=150円が迫っており、政府や日銀による円買い・ドル売りの為替介入があるとみられている。

介護費用・介護サービス利用者も最多に  

厚生労働省は介護保険制度でかかった費用(介護給付費と自己負担)の総額は過去最多の11兆1912億円だったと発表した。介護費用の総額は2018年度に10兆円を突破し、介護保険制度が始まった2000年に開始されたが、2022年度は2001年度(4兆3783億円)の約2.6倍に膨らんでいる。介護サービスの利用者も前年度から約14万人増え、652万4400人と過去最多になっている。受給者1人当たりの費用は17万5500円(2023年4月)だった。

人手不足、中小企業の7割近くに  

日本商工会議所が全国の中小企業を対象にした調査で、「人手不足」と答えた企業が68%に達していることが分かった。前回調査の2月時点から3.7ポイント増加しており、人手不足が深刻化していることを浮き彫りにしている。「人手不足」と答えた企業のうち64.1%が事業継続や運営に「非常に深刻」「深刻」と答えていた。とくに、介護・看護、宿泊・飲食、運輸、建設の業種で、「人手不足」の深刻さが増していた。

民間企業の平均給与、458万円に増加  

国税庁の民間給与実態統計調査によると、2022年の平均給与は前年比2.7%増の458万円だったことが明らかになった。ボーナスの平均は前年比4.0%増の72万円となり、給与・賞与ともに2年連続での増加となった。男女別にみると、男性が563万円、女性が314万円だった。また、業種別に年収の増加率をみると、航空会社などの運輸・郵便業が11.3%増加でトップとなり、宿泊・飲食サービスが5.5%増で続いた。

1等米、記録的猛暑が響き68%の低水準  

農林水産省は2023年産米の8月末時点での検査の結果、1等米の比率は全国平均で68.9%だったと発表した。近年は80%前後で推移してきているが、2023年米は記録的な猛暑による高温障害により低水準になる可能性が高いとしている。等級が下がれば価格が安くなり、コメ農家の経営に打撃となり、「2等では肥料などの値上げをカバーできない」との窮状を訴える声も出ている。検査で2等以下とされた理由は、粒が白く濁るなど形質が前年比4.0ポイント上昇の53.1%だった。

転職者、3年ぶりに増加の303万人  

厚生労働省は雇用情勢や賃金動向をまとめた労働経済白書で転職者は3年ぶりに増加に転じ303万人だったと発表した。同省では「新型コロナ禍の影響で停滞していた社会経済活動が活発化したことに伴い、より良い条件の仕事を探すとの理由から転職が増加した」とみている。企業の人手不足感はコロナ禍前の水準にまで達しており、さらに転職者は増加するものと見られている。また、物価上昇率を加味した実質賃金に関して白書では「1990年代後半から伸び悩んだ状態が続いている」と指摘した。

9月の平均気温、126年ぶりに最高更新  

気象庁は今年9月1~30日の気温の平均値は24.91度となり、これまで最高だった2012年の23.76度を上回り、過去最高になったと発表した。同庁は「地球温暖化の影響に加え、太平洋高気圧の勢力がまだまだ強い」とした上で、「10月も高温の傾向が続く」とみている。今年9月は月半ばまで真夏並みの気温が続き、中旬はいったん涼しくなったものの、月末に再び暑さがぶり返した。異常高温は全国的に農作物にも悪影響を及ぼすだけでなく、品薄から値上げなどで国民生活にも影響を及ぼしている。

社会・経済の動き@しんぶん.yomu第1049号

2024年世界経済成長率、2.7%  

経済協力開発機構(OECD)は2024年の世界全体の実質経済成長率を前回予測(6月)より0.2ポイント引き下げの2.7%と予測した。中国での景気回復の遅れに加えて、不動産不況などで内需が低迷し、世界景気を下押しすると分析している。日本の2024年の経済成長については、中国との関係に深さから前回予測から0.1ポイント下方修正の1.0%としている。また、2024年のインフレ率見通しでは、日本は円安による輸入品の価格上昇から2.1%と見込んでいる。

8月、消費者物価指数は3.1%上昇  

総務省は8月の全国消費者物価指数は前年同月比3.1%上昇の105.7と発表した。伸び率は7月の3.1%から横ばいだったが、依然、食料品や宿泊料の値上げが続いており、3%台の高い伸びとなっている。前年同月は上回るのは24ヵ月連続となる。生鮮食品を除く食料品が9.2%の上昇で、背景には原材料価格や輸送費の高騰が挙げられている。同省の担当者は「足元では原油をはじめ燃料価格が上昇に転じている」とした上で、今後の値動きを注視していく考えを示した。

中国、8月の日本水産物輸入は67%減  

中国税関総所は8月の貿易統計で、中国が日本から輸入した水産物の総額は前年同月比67.6%減の1億4902万元(約30億円)だったと発表した。東京電力福島第1原発処理水の海洋放出に反発をしている中国が日本への批判を重ねている。8月末には水産物の全面輸入停止を世界貿易機関(WTO)に提出するとともに、日本の水産物から他国産への切り替えが進んでいることが背景にある。日本の輸出業者や漁業関係者への打撃が深刻さを増している。

家計資産が過去最大の2115兆円  

日銀は2023年4~6月期の資金循環統計で家計の金融資産の残高は6月末時点で前年同期比4.6%増の2115兆円になったと発表した。日経平均株価が約33年ぶりの高値水準になったことで、株式や投資信託の含み益が膨らんだとしている。家計の金融資産の内訳では、現金・預金が1.4%増の1117兆円、株式が26%増の268兆円、投資信託が15.9%増の100兆円となっている。

基準地価、地方圏も31年ぶりにプラス  

国土交通省は7月1日時点の基準地価は全国平均(全用途)の変動率は前年比プラス1.0%となったと発表した。上昇幅は前年のプラス0.3%から拡大し、2年連続で上昇したことになる。東京・大阪・名古屋の3大都市圏がプラス2.7%だったことに加え、地方圏もプラス0.3%と31年年ぶりに上昇に転じた。背景には、新型コロナウイルス禍後の景気回復や訪日外国人観光客が増加に転じたことから商業地・住宅地ともに上昇が加速したことに加え、半導体工場の進出が決まった地方での商業地・住宅地が大幅に上昇したことが挙げられている。

80歳以上の高齢者、総人口の10%超え  

総務省が発表した人口推計で、65歳以上の高齢者は3623万人で総人口に占める割合は29.1%だった。過去最高を更新し、世界トップとなったことが明らかになった。このうち80歳以上の高齢者は27万人増加の1259万人で、割合が10.1%となり、初めて10%を超えた。国立社会保障・人口問題研究所の予測では65歳以上の高齢者数は2040年に3928万人となり、総人口の34.8%になるとしている。65歳以上で就労している人は912万人で、高齢者の25.2%を占めている。

日本の教員給与、OECD平均を下回る  

経済協力開発機構(OECD)が発表した報告書によると、日本の教員給与はOECD加盟国平均を下回ることが明らかになった。15年間の勤務経験のある公立学校(高校段階)の法定給与(税引き前。賞与・手当を除く)を比較したもの。OECD加盟国平均は5万3456ドル(約780万円)で、日本は4万7349ドル(約690万円)だった。OECD加盟国で最も高かったのは、ルクセンブルグの11万2008ドル(約1640万円)で、日本は2.4倍近くの開きがあった。

クマによる人身被害、16年間で最悪  

クマによる人身被害が4~7月の4か月間で54件に上り、2007年度以降で最悪のペースで起きている。人身被害はケガや死亡の件数を集計したもので、2017年度の50件をすでに上回っている。環境省の鳥獣保護管理室の担当者は「今年は東北を中心にクマの餌となるドングリが不作で、山から人里へ降りてくると、人身被害の件数が跳ね上がる可能性がある」と指摘したうえで、「山中ではクマよけの鈴をつけるなど安全対策を」と呼び掛けている。

社会・経済の動き@しんぶん.yomu第1048号

長期金利、約9年8ヵ月ぶりの高水準                  

9月11日の国債市場で長期金利の指標である新発10年債の終値利回りが0.705%となった。前週末より0.060%高く、約9年8ヵ月ぶりの高水準となった。背景には植田日銀総裁が言及した「マイナス金利政策解除の可能性」から金融緩和政策が修正されるのではとの思惑から、国債に売りが広がり、金利が上昇したことが挙げられている。また、東京外国為替市場では、円が買われ対ドルで1ドル=145円92銭の円高となった。

厚労省、10月からのコロナ医療支援縮小  

厚生労働省が発表した新型コロナウイルス感染症の10月以降の医療体制に関する方針では、現在公費となっている治療薬は所得に準じて自己負担を求めることとなる。自己負担額は保険料が3割負担の場合で最大9000円となるとともに、入院費補助は現行の半額の1万円となる。同省の試算では、新型コロナの初診料は3割負担の場合、治療薬を含めて1万2270円程度となる。また、入院費補助は月額2万円から1万円に縮小した上で、来年3月まで継続するとしている。

コロナ予備費の年度末駆込み使用を指摘  

会計検査院は政府が新型コロナウイルス対策として2020~2021年度に計上した12兆6005億円の予備費のうち、1兆7600億円が2020年度末に駆け込みで使用決定されていたとする検査報告書を公表した。全額が翌年度に繰り越され、執行完了が翌年度末と見込まれている事業もあった。年度内執行を原則とする「予算単年度主義」とかけ離れており、検査院も「どのような想定で使用を決定し、なぜ繰り越しに至ったのかを丁寧に示すべきだ」と指摘している。

2022年度、健保組合の4割が赤字に  

健康保険組合連合会(健保連)の発表によると、大企業の社員が加入する全国1383健康保険組合のうち、2022年度の決算見込みで40.4%(559組合)が赤字だったことが分かった。赤字組合数は前年度の53.4%から減少しているものの、健保連によると「医療費が極めて高い伸びとなっており、大変な状況には変わりはない」としており、依然、厳しい財成状況が続くとみられる。加入する社員らが健保組合に支払う保険料の引き上げや解散を検討する組合も出かねないとしている。

個人タクシーの営業を80歳まで容認  

国土交通省は過疎地などでの個人タクシーの営業を認めるとともに、運転手は80歳を上限に容認することを発表した。現在は人口が概ね30万人以上の地域で、原則75歳まで営業できるとしていることを改正するもので、法人タクシー事業者の最低保有台数の規制も緩和するとしている。新たに80歳まで個人営業を認める区域は改正通達の施行後、国の出先機関が指定するとしている。運転手不足や法人の経営難に対応する狙いがあり、公共交通が不便な地域での移動手段の確保を狙いとしている。

100歳以上高齢者、53年連続増加  

厚生労働省の発表によると、全国の100歳以上の高齢者は過去最多の9万2139人だった。53年連続での増加で、全体の88.5%を占める8万1589人が女性だった。人口10万人当たりの100歳以上の高齢者は73.74人で、都道府県別にみると、島根が11年連続で最多の155.17人で、高知(146.01人)、鳥取(126.29人)が続いている。100歳以上の高齢者は調査開始の1963年には153人だったが、年々増加傾向にあり、背景には医療や介護などの充実があるとされている。

自転車ヘルメット努力義務化も低い着用率  

警察庁が4月施行の改正道交法で自転車利用者のヘルメット着用努力義務化されたことを受けて、7月に全国調査をしたところ、着用率は13.5%と低い状況にあることが分かった。都道府県別で着用率が高かったのは、愛媛の59.9%で、大分(46.3%)、群馬(43.8%)が続いた。逆に低かったのは、新潟の2.4%で、青森(2.5%)が続いた。また、同庁の調べによると、ヘルメット着用時と非着用時で、事故に遭った際の致死率を比べると、約2.6倍の差があった。

子どもの糖尿病発症が増加傾向に  

中国の研究グループが行なった「世界の疫病負担研究(GBD)」で、1990~2019年の30年間に糖尿病を発症する子ども(0~14歳)が世界的に増加したことが分かった。2019年に糖尿病を発症した子どもは22万7880人で、30年間に人口10万人当たり9.31人~11.61人に増加していた。2019年のデータで国・地域別に糖尿病発症が最も多かったのはフィンランドの人口10万人当たり31.60人だった。

社会・経済の動き@しんぶん.yomu第1047号

G20首脳宣言、経済の成長に逆風を明記    

9月9日、日米欧の先進国に新興国を加えた20カ国・地域首脳会議(G20サミット)は「核兵器による威嚇や核兵器の使用は容認できない」ことなどを盛り込んだ首脳宣言を採択した。また、首脳宣言では世界経済に関して、食料やエネルギー価格の高騰、世界的な気候変動などを挙げた上で、「成長と安定に対する逆風が続いている」と指摘した。さらに、ウクライナ危機に関して「国家の領土保全主権、政治的独立に反する武力による威嚇や行使は控えなければならない」と明記した。

7月経常収支黒字、過去最大の2.7兆円  

財務省は7月の国際収支速報で、海外とのモノやサービス、投資の取引状況を示す経常収支は2兆7717億円の黒字と発表した。前年同月比約3.1倍に達し、比較可能な1985年以降で7月としては過去最大となった。6カ月連続での黒字となった背景には、原油高の一服感から輸入額が減少したことや訪日客が増加したことから旅行収支の黒字額が過去最大となったことが挙げられている。

NY原油、今年最高値更新の85.55ドル  

9月1日のニューヨーク原油先物相場で、米国産標準油種(WTI)の10月渡しの終値が今年最高値を更新する1バーレル=85.55ドルを付けた。約9か月半ぶりの高値となった背景には、原油需給がサウジアラビアでの自主的な原油減産などから世界的にひっ迫するとの観測から買い注文が殺到した。日本では円安や政府の補助金の縮小が響き、ガソリン価格が最高値を更新している中で、原油相場の上昇は一段とガソリン価格を押し上げる要因となる可能性は高いとみられている。

7月の実質賃金、16カ月連続で減少  

厚生労働省の発表によると、物価変動を反映した働く人1に当たりの実質賃金は前年同月比2.5%減となり、16カ月連続で減少していることが明らかになった。基本給や残業代、ボーナスなどを合わせた働く人の1人当たりの現金給与の総額は前年同月比1.3%増の38万656円と19ヵ月連続で上昇していた。賃金が上昇しているものの、物価上昇には追い付いていないことが背景にある。エコノミストは「政府による物価高対策が2024年中に縮小・終了することによる反動も考慮すれば、実質賃金マイナスは2024年夏場頃まで続く」とみている。

今春、定員割れ私大、初の半数超に  

日本私立学校振興・共済事業団の調査で、今春入学者が定員割れした4年制の私立大学は53.3%に当たる320校だった。調査開始の1989年度以降で初めて半数を超えたことになる。18歳人口の減少が背景にあり、私大の経営を圧迫しかねない状況にあり、今後、私大の再編が加速する可能性がある。私大の規模別集計では、定員が3千人以上の大学の充足率は103.66%で、200人以上300人未満では87.39%で規模が小さくなるほど充足率が下がる傾向がみられた。

夏の働き方理想像は6割超がテレワーク  

Job総研が20~50代の男女を対象に「夏の働き方の理想像」を尋ねたところ、66.3%が「テレワークを希望している」ことが分かった。今夏の猛暑を背景に「仕事の効率を上げるため無理な出社は控え、集中できる形での勤務を望む人が多かった」と同社は分析している。夏にテレワークを希望する理由を尋ねたところ(複数回答)、「外が暑い」(76.1%)が最も多く、「移動による汗対策が面倒」(57.8%)、「テレワークの方が快適」(57.8%)、「身支度が面倒」(44.0%)が挙げられた。

児童虐待、過去最多の約22万件  

子供家庭庁のまとめによると、2022年度に全国の児童相談所に児童虐待の相談を受け対応した件数は21万9170件に上ったことが分かった。前年度比5.5%増となり、過去最多を記録した。相談内容では暴言や態度などで心を傷づける心理的虐待が12万9484件で全体の59.1%を占め、次いで身体的虐待(5万1679件)、ネグレクト(3万5556件)、性的虐待(2451件)が続いた。虐待相談経路は、警察が51.5%と半数を占め、近隣・知人(11.0%)、家族・親戚(8.4%)となっている。

ごみリサイクル率、横ばいの19%  

環境省は2021年度の一般廃棄物リサイクル率は全都道府県で19.9%だったと発表した。2020年度からほぼ横ばい状態で、政府が2025年度まで28%とする目標の実現には厳しい状況にある。環境省はプラスチックごみ一括回収を自治体に求める関連法が昨年施行されたことを踏まえ、再利用の加速を促していくとしている。ちなみに、都道府県別に一般廃棄物のリサイクル率が最も高かったのは、山口の32.5%で4年連続首位となった。

社会・経済の動き@しんぶん.yomu第1046号

ガソリン価格、過去最高の185円60銭  

経済産業は8月28日時点でのレギュラーガソリン1リットル当たりの全国平均小売価格は185円60銭となり、これまで最高だった2008年8月の185円10銭を超え、過去最高となった。ガソリン価格が最高となった背景には原油価格の高騰と円安に加え、政府が行なってきた価格抑制のための補助を段階的に縮小してきたことが挙げられている。このため、政府は家計の負担軽減を図るため、補助拡充について年末まで支援を延長するとしている。軽油、灯油、重油も拡充対象とする方針である。

概算要求総額、過去最大の114兆円  

各省庁からの提出が8月末で締め切られた2024年度一般会計での概算要求総額は、前年度の114兆3812億円を上回る見通しであることが明らかになった。3年連続で110兆円を超えることになる。防衛費や国債費が大きく上回るとともに、高齢化の進展から社会保障費が膨らんでいる。また、物価高対策や少子化対策での費用も加わることで、次年度予算は今年を上回る。財源を借金依存による穴埋め予算の編成が避けられない状況にある。

企業の経常利益、過去最高の31.6兆円  

財務省が発表した4~6月期の法人企業統計によると、金融・保険業を除く全産業での経常利益は前年同期比11.6%増の31兆6061億円となったことが分かった。比較可能な1954年同期比で最高となった。2022年度通期で見ても、経常利益は前年度比13.5%増の95兆2800億円となり、比較可能な1960年度以降で最も高かった。また、2022年度の企業の内部留保に当たる利益剰余金は554兆7777億円となり、11年連続で過去最高を更新していた。

今夏の平均気温、125年で最も高く  

気象庁の発表によると、今夏(6~8月)の平均気温が平年を示す基準値(1991~2020年)を1.76度上回り、統計を開始した1898年から125年で最も高くなったと発表した。6月はプラス1.22度、7月は同1.91度、8月は2.16度上回っていた。同庁では猛暑は太平洋高気圧の勢力が強く、温暖化の影響があったとしており、「夏全体で見て異常だった」と総括した上で「今夏は40度以上の所はあまりなかったが、猛暑日日数が多く、暑い時期が長く続いているのが特徴だ」としている。

死亡率、10年ぶりに増加に転じる  

国立がん研究センターの調査で、死亡者数を人口で割り、年齢のばらつきを調整した2021年の「年齢調整死亡率」は前年比2.2%増加したことが分かった。死亡率の増加は東日本大震災の影響があった2011年以来10年ぶりとなる。同センターでは「新型コロナウイルスが影響した可能性が高い」とみている。また、2022年も増加したとみられ、同センターは「2021年が日本人の死亡率トレンドの変わり目となった可能性が高い」と指摘している。

企業版ふるさと納税、額・件数で過去最多  

内閣府の発表によると「企業版ふるさと納税」制度を利用して企業が2022年度に自治体へ寄付した金額は前年度比1.5倍の341億700万円、また寄付件数は1.7倍の8390件となり、金額・件数ともに制度が始まった2016年度以降で過去最多となった。自治体別寄付額は静岡県裾野市の15億4600万円がトップで、次世代技術の実験都市建設を進めるトヨタ自動車などからの寄付があった。管内の市町村を含めた都道府県別にみると、北海道が49億4600万円で最多だった。

上半期の出生数、2年連続で40万人割れ  

厚生労働省は人口動態統計の速報値で2023年上半期(1~6月)に生まれた赤ちゃん数(出生数)は前年同期比3.6%減の37万1052人だったと発表した。2年連続で40万人割れとなり、この傾向が続けば前年同様に80万人を割り込み、過去最少を更新するペースだと同省はみている。新型コロナ感染拡大による出産控えに加え、結婚しない人が増えていることや結婚年齢が高くなったりしていることが出生数減に影響しているとみられる。

若い人ほど夏バテ経験が多い傾向に  

キューサイが全国の30~70代の男女を対象に「直近5年以内に夏バテをしたことがあるか」を尋ねたところ、40.6%の人が夏バテを経験したことがあることが答えていた。年代別にみると、30代の人は49.1%、40代が48.1%と5割近くを占め、50代は35.8%、60代が36.9%、70代が33.4%で、若い世代ほど夏バテを経験していた。症状を尋ねると(複数回答)、「体が重い・だるい・疲れる」が最も多い52.5%で、「やる気がない」(32.3%)が続いた。

社会・経済の動き@しんぶん.yomu第1045号

福島原発処理水、海洋放出を開始  

東京電力は8月24日午後1時3分から福島第1原発事故で2011年3月から溜まり続ける処理水の海洋放出作業を開始した。約12年間にわたって原発事故で溶け落ちた核燃料(デブリ)を冷却したり、地下水や雨水が放射性物質に触れたりして発生した汚染水を保管してきたタンクの容量が限界に達してきたことから、大量の海水と混ぜ、WHOの飲料水基準の7分の1まで希釈して放出するとしている。放出完了までの期間は第1原発の廃炉の目標である2051年まで30年程度を見込んでいる。

コロナ・物価対策で68兆円の政府支出  

共同通信が経済財政諮問会議の民間議員が会議に示した財政データを基に、政府が2020~22年度に新型コロナウイルスや物価高対策として支出した金額と2023年度に支出する見通しの金額を算出したところ、約68兆5千億円に上ることが分かった。この支出額には、特別定額給付金、地方自治体向けの緊急包括支援交付金、ガソリンなどの燃油価格の急騰を抑制する補助金、マイナポイント事業などの費用が含まれている。こうした巨額支出で政府の借金は膨らみ、財政再建は一段と厳しくなっている。

コロナ「5類」移行後、企業倒産が急増  

東京商工リサーチの調べによると、新型コロナの感染症法上の分類が「5類」に移行後、5月の中小企業の倒産は前年同月比34.3%増の704件、6月は770件(同41.2%増)、7月は758件(同53.7%増)と増加していることが明らかになった。背景には、業績が戻っていないことに加え、支援がなくなったことや物価高が追い打ちをかけている実態が指摘されている。さらに、中小企業向けの実質無利子・無担保の「ゼロゼロ融資」の返済が本格化し、資金繰りがひっ迫しての倒産が指摘されている。

宅配便、50億個超で最多を更新    

国土交通省の発表によると、2022年度の宅配便取扱個数は50億588万個となり、8年連続で過去最多を更新したことが明らかになった。同省が運送業者からの報告をもとに集計したもので、前年度から1.1%増加した。トラック輸送を事業者別にみるとヤマト運輸が最多の23億3971万個で、佐川急便(13億5990万個)、日本郵便(9億8031万個)が続いた。ただ、物流業界は人手不足が深刻化する「2024年問題」が懸念されており、宅配取扱個数が増えるかが疑問視されている。

小中校の児童・生徒数、過去最少に    

文部科学省の2023年度調査によると、5月1日時点での全国の小学校の児童数は前年度より10万2千人ほど減って約605万人、中学校の生徒数は2万8千人ほど減って約317万8千人だったことが分かった。児童・生徒数はともに過去最少で、とくに小学校の児童数は34年連続で過去最少を記録している。児童・生徒数の減少は少子化の影響によるもの。また、昨年1年間で公立の小中学校は252校が消失している。一方、大学の学部生は約263万3千人で、過去最多となっている。

夫婦の妻、家事の8割、育児の7割を担う  

国立社会保障・人口問題研究所が妻を対象に夫との家事や育児の分担に関する調査で、妻が家事の8割ほど、育児の7割以上を担っていることが分かった。この結果に基づき、妻が60歳未満の夫婦の1日の平均の家事時間は妻が247分、夫は47分だった。また、妻が50歳未満で12歳未満の子どもがいる夫婦の平日1日の平均育児時間は妻が524分、夫が117分だった。妻の家事と育児の分担割合は低下してきているが、依然として妻の家事が8割、育児が7割を超える実態が浮き彫りとなった。

副業している理由は「コロナ流行」が影響  

独立行政法人労働政策研究・研修機構が18~64歳の仕事をしている男女を対象に、所属先とは別の企業などで業務を担う副業をしている理由に「新型コロナウイルス流行が影響しているかどうか」を尋ねたところ、34.7%が「している」と答えていることが分かった。副業する理由を尋ねたところ(複数回答)、「収入を増やしたい」が最も多い54.5%で、「一つの仕事だけでは収入が少なく、生活自体ができない」(38.2%)、「自分が活躍できる場を広げたい」(18.7%)が続いた。

初サンマ、1匹2.5万円の過去最高値  

豊洲市場(東京)に今シーズン初入荷となったサンマの卸値が過去最高の1キロ当たり20万円となり、1匹換算では2万5千円となる。昨年の卸値1キロ当たり12万円を大きく上回った。同市場に初入荷したのは北海道根室市の花咲港でサンマ棒受け網漁の小型船による初水揚げの一部。〝高級魚〟化しているサンマだが、水産庁は7月に今年の道東から常磐海域の8~12月は「低水準」と長期予報を発表しており、一段と不漁が見込まれることから、高値水準が続くものとみられている。

税務研修会を開催します(9月6日)

宮古法人会では、下記の内容で税務研修会を開催します。
会員以外の方も聴講可能ですので、希望される方は宮古法人会事務局までお申し込みください。

〇日  時:令和5年9月6日(水)16:00~17:00
〇演  題:「税務行政の将来像2023」
〇講  師:宮古税務署長 丸山 淳 氏
〇申込方法:9/1(金)までに聴講を希望される方の、①法人名 ②氏名 ③電話番号を、電話またはFAX、メールのいずれかにてご連絡ください。
〇問合せ先:宮古法人会事務局 TEL0193-63-1214 FAX0193-63-2250
      メール umineko@miyako-houjinkai.com

社会・経済の動き@しんぶん.yomu第1044号

4~6月期実質GDP、年率6%増に  

内閣府は4-6月期の実質国内総生産(GDP)1次速報で成長率は前期比1.5%、年率換算で6.0%だったと発表した。2020年10-12月期以来の高い伸び率で、実額では過去最高の560兆7401億円となった。成長GDPの大半を占める個人消費は前期比0.5%減となり、3四半期ぶりにマイナスに転じた。ただ、輸出の増加(3.2%増)と輸入の減少(4.3%減)が成長率を押し上げることとなる。エコノミストは「コロナ前の経済規模を超える回復だ」としながらも、「消費はコロナ前水準を回復していない」と先行きへの不透明感を指摘する。

7月全国消費者物価指数、3.1%上昇  

総務省は7月の消費者物価指数は105.4となり、前年同月比3.1%上昇したと発表した。上昇率は6月から0.2ポイント下落したものの、物価上昇率が3%以上となるのは11カ月連続となる。生鮮食料を除く食料は9.2%上昇し、48年ぶりの歴史的な上げ幅が続いている。背景には、原材料高や円安、物流費上昇が響いて食品の値上がりが相次いでいることが挙げられている。上昇が著しいのは、鶏卵(36.2%)、炭酸飲料(16.4%)、宿泊料(15.1%)などとなっている。

全国平均の最低賃金、初の1千円超え  

厚生労働省が発表した各都道府県の審議会が取りまとめた今年度の最低賃金の全国平均は1004円となったことが明らかになった。昨年度から43円増となり、初めて1000円を超えたことになる。引き上げ額と上昇率(4.5%)はいずれも過去最大となる。最も引き上げ額が高かったのは佐賀県で目安額を8円上回っている。最低賃金最高額は東京都の1113円で、最低額は岩手県の893円で、その差は220円となっている。新しい最低賃金は10月1日以降、各都道府県で順次適用される。

政府保有の日本郵政株の一部を売却  

財務省の発表によると、保有する日本郵政株式1億227万3600株を1056億9976万5600円で売却したことが明らかになった。結果、政府が保有する日本郵政株保有比率は33.3%に低下した。日本郵政は5月に3000億円を上限に自社株式取得を決議しており、財務省もこれに対応して保有する1056億円分の日本郵政株を売却するとしていた。郵政株の売却収入は復興財源確保法に基づき東日本大震災の復興財源に充てられる。

上場74地銀のうち40社が減益に  

東京証券取引所などに上場する地方銀行・グループ74社の2023年4~6月期決算によると、全体の半数を超える40社が減益となったことが明らかになった。74社の純利益合計は前年同期比10.1%減の3398億円となった。減益となった背景には、政府による新型コロナウイルス対策の実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)が今夏から本格化することから取引先の倒産に備えて計上する与信関係費用が増えたことと、外国債券の売却損を計上したことが挙げられている。

7月訪日客、コロナ禍後で最多の232万人  

政府観光局の推計によると、7月の訪日客は前月比11.9%増の232万600人だったことが明らかになった。新型コロナ禍以後で最多を更新した。8月10日に中国政府が約3年半ぶりに日本への団体旅行を認める決定をしており、訪日客数は今後さらに増えるものとみられる。7月の訪日客を国・地域別にみると、韓国が最多62万6800人で、台湾(約42万人)、中国(約31万人)、香港(約21万人)が続いた。今後、地域経済への波及効果が期待される一方で、混雑や人手不足の懸念も指摘されている。

女性管理職30%超企業は過去最高に  

帝国データバンクの調べによると、女性管理職が30%以上を占める企業の割合は前年より0.3ポイント増の9.8%となったことが分かった。過去最高を更新したものの、依然として1割未満にとどまった。調査では、新型コロナからの経済回復で人手不足に陥る企業も多く、本業に集中したことで女性活躍に関する対応に手が回らなかったとの声も聞かれた。政府は、東証プライム市場に上場する大手企業を対象に、2030年まで女性役員の割合を30%以上にするとの目標を掲げている。

サンマ初水揚げ、1匹当たり1万6800円  

北海道根室市の花咲港でサンマ棒受け網漁の小型船によるサンマの初水揚げがあり、1キロ当たり14万400円の過去最高値を付けた。昨年の1キロ当たり5万4千円を大幅に上回り、1匹換算にすると約1万6800円になり、もはや庶民の魚は〝高級魚〟化している。昨年の全国のサンマ水揚げ量は1万7910トンで、ピークだった2008年の約19分の1になっている。水産庁は7月に今年の道東から常磐海域の8~12月は「低水準」と長期予報を発表している。

社会・経済の動き@しんぶん.yomu第1043号

生産額ベースの食料自給率、過去最低  

農林水産省が発表した2022年度の食料自給率によると、カロリーベースの食料自給率は前年度と同じ38%だった。生産額ベースの自給率は過去最低の58%で、国際的な穀物価格の上昇や円安による輸入額が増えたことが起因している。また、同省は2021年度の都道府県別の食料自給率も発表しているが、カロリーベースで北海道が223%で5年連続首位となり、秋田県、山形県が続いた。食料自給率は、食生活の変化からコメの消費量が減少する一方、畜産物の消費が増加し、下落傾向が続いている。

2023年度の国民負担率は46.8%  

財務省の発表によると、2023年度の国民負担率は46.8%を見込んでいることが明らかになった。国民負担率は、国民全体の所得総額である国民所得に対する税金と社会保険料の支払い負担の割合を示すもので、1970年代は約20%台で推移していたことを考えると、大きく負担が増していることになる。財政赤字を加えた「潜在的国民負担率」は53.9%と5割を超えている。国民負担率を諸外国と比べると、米国が30%台、英国が40%台、ドイツやフランスなどの欧州各国は50%を超えている。

5割近くの企業で「人手不足感」  

共同通信社が主要企業114社を対象にしたアンケート調査で人手不足感を尋ねたところ、49%の企業が「人手不足」「やや不足」と答えていることが分かった。人手が「過剰」「やや過剰」と答えた企業は2%にとどまった。このため、企業における対策では「新卒採用の拡大」が47%、「外国人労働者の受け入れ」が18%と採用を重視して取り組む姿勢を上げた。また、「賃金の引上げ」(38%)、「福利厚生の改善」(16%)も挙げられたが、採用重視の企業の姿勢が色濃く表れている。

60歳~74歳の5割超、就労できず  

リクルートの調査によると、60~74歳の就労希望者で過去5年間の就職活動を尋ねたところ、53%が仕事探しをしても仕事が見つかっていないことが分かった。内訳をみると、「仕事が見つからずに探している」が24.0%、「見つからずにやめた」が21.8%、「仕事探しを羽占めたばかり」が7.9%となっている。一方、企業に高齢者の正社員採用に対する姿勢を尋ねたところ、66.5%が「積極的ではない」と答え、高齢者採用に及び腰な姿勢がみられた。

約1か月半ぶりに円安、1ドル=145円  

8月11日、ニューヨーク外国為替市場で円売り・ドル買いが強まり、1ヵ月半ぶりに1ドル=145円台に下落した。今年最安値となった背景には、米長期金利が一段と上昇するとの観測から市場で円売り・ドル買いが進んだ。同日、米労働省が発表した7月の卸売物価指数は前年同月比0.8%上昇し、変動が著しいエネルギーや食料品を除いたコア指数は2.4%上昇し、米連邦準備制度理事会(FRB)による長期金利利上げを打ち止めるとの予測が大きく後退したことが挙げられている。

6月の実質賃金、15ヵ月連続のマイナス  

厚生労働省が発表した毎月勤労統計によると、6月の名目賃金を示す現金給与総額は46万2040円で、前年同月比2.3%増となり、18ヵ月連続でのプラスとなった。一方、労働者が受け取った給与から物価変動の影響を差し引いた実質賃金は前年同月比1.6%減少し、15ヵ月連続でのマイナスとなった。物価の上昇に賃金の伸びが追いついていない実情にある。消費者物価指数は前年同月比3.9%上昇し、名目賃金を上回っている。

タクシー乗務員、コロナ禍前より2割減  

全国ハイヤー・タクシー連合会が全国60地域での法人タクシー乗務員数の推移を集計したところ、6月末時点での総数は23万2902人で、新型コロナ禍前の2019年3月末時点から約6万人近く減少していることが明らかになった。コロナ禍で利用客が減り、乗務員の離職者が増加したことが背景にあり、最近では利用客の回復に伴い、乗務員の人手不足が課題となっている。最も乗務員の減少率が大きかったのは鳥取県の28.2%で、北海道の都市部で26.2%が続いている。

お忘れなく、来年4月相続登記が義務化  

不動産登記法などの一部が改正され、2024年4月から土地・建物の相続登記が義務化され、手続きを怠った場合は10万円以下の過料が課されることになる。義務化の背景には、高齢化の進展から持ち主が不明だったり、連絡がつかないという「所有者不明」の増加が挙げられている。相続登記の義務化により所有者不明の土地を減らすとともに、土地の有効活用する狙いが挙げられている。義務化されたされたことで、相続人は不動産の取得を知った日から3年以内に登記をしなければならないことになる。