社会・経済の動き@しんぶん.yomu第910号

2020年大納会、31年ぶりの高値に  

昨年末の大納会での東京株式市場の日経平均株価は前年末と比べ3787円55銭高い2万7444円17銭で取引を終えた。大納会での株価としてはバブル経済期の1989年以来31年ぶりの高値で終えるものとなった背景には、新型コロナウイルス感染拡大への各国の経済対策や日銀の金融緩和政策が株価を押し上げたことが挙げられている。昨年の株価はコロナ感染拡大への懸念から3月に1万6千円台まで値を下げたものの、コロナワクチン開発への期待などから11月には2万6千円台に乗せてきた。

世界のコロナへの経済対策1400兆円に  

国際通貨基金(IMF)などがまとめた世界各国での新型コロナウイルス感染拡大による景気悪化を緩和対策として講じられた経済対策が1400兆円規模に達することが分かった。昨年3月頃から各国での経済対策が講じられ、4月初旬までには総額約840兆円に及んだが、第2波や第3波の拡大でさらに上積みされ、8月中旬時点では約1300兆円にまで膨らみ、12月末までには約1400兆円まで達した。日本は追加対策を加えた総額では300兆円規模に達し、GDPの50%を上回った。

生活支援融資、50万件を突破  

全国社会福祉協議会の集計によると、低所得世帯の生活再建を図るために貸し付ける「総合支援資金」のうち、新型コロナウイルス感染拡大によって減収した人に貸し付ける生活支援費の融資決定件数は約51万5千件で、貸付総額が約3853億円に上ることが明らかになった。生活支援費は、2人以上の世帯なら最大20万円を原則3カ月分まで無利子で借りられるもの。これとは別に、最大20万円を借りられる緊急小口資金も12月までに約86万1千件、総額1581億円にまで達した。

7割の人が「AI利用拡大」に期待抱く  

日本世論調査会が18歳以上の男女を対象に、人工知能(AI)を活用した製品やサービスが拡がることの期待と不安を尋ねたところ、70%の人が「期待が不安より大きい」とこたえていることがわかった。期待する人の理由では、「生活や仕事に役立ち便利になる」が最多の74%を占め、「人手不足対策になる」(14%)が続いた。不安を感じる理由では、「制御困難になり社会に危険を及ぼす恐れがある」が最も多い31%で、「人間同士の交流が希薄になる」(26%)が続いた。

コロナ解雇、コロナ影響で約8万人に  

厚生労働省が5月25日から集計してきた新型コロナウイルス感染症の影響による解雇・雇止めの人数は12月25日時点で累計7万9522人に上ることが明らかになった。全体の解雇・雇止めのうち半数近くにあたる3万8009人を非正規雇用の労働者が占めていた。業種別にみると、製造業が最多の1万6717人となっており、飲食業と小売業もそれぞれ1万人を超えていた。感染拡大の収束が見えない中にあって、解雇の拡大で先行き不安が増している。

IT先端分野の特許出願数、日本2位  

欧州特許庁のデジタル技術の国際動向調査によると、人工知能(AI)、第5世代移動通信システム(5G)などITの先端分野の特許出願数で、2018年に日本は米国の1万1927件に次いで、6679件に上り、世界2位だったことが分かった。日本は2000~18年の累計でも2位となっているが、2013年と2018年を比較してみると、中国の出願数が約5.3倍に増えているのに対し、日本は約1.9倍にとどまり、中国が猛追している実態にある。

新成人、前年より2万人増加  

 総務省の人口推計によると、2021年1月1日時点での20歳の新成人は124万人で、前年より2万人多いことが分かった。新成人が総人口に占める割合は0.99%で11年連続1%を割込んでいる。男性は64万人、女性が60万人となっている。新成人は第2次ベビーブーム世代(1971~74年生まれ)が成人となった1990年台には200万人台に達したが、1995年以降は減少傾向に転じてきている。一方、2021年の干支である丑年生まれは1066万人となり、十二支の中で3番目に多い。

今年の節分は124年ぶりに「2月2日」  

2021年の節分は124年ぶりに「2月2日」となる。節分は24節気の一つ「立春」の前日となるが、立春は太陽と地球との位置関係で決まるもので、地球が太陽を1周する時間が365日ちょうどでないためにズレが生じ、国立天文台が計算して発表している。同天文台によると、地球が太陽を1周する時間は365日より6時間弱長く、4年で約24時間のずれが生ずるため、「うるう年」として2月29日を入れて解消しているものの、これだと45分ほど増やし過ぎているため、再調整している仕組みである。

社会・経済の動き@しんぶん.yomu第909号

過去最大の2021年度予算を閣議決定  

12月21日、政府は一般会計総額が106兆6097億円となる2021年度予算案を閣議決定した。歳入では新型コロナの影響で税収が9.5%落ち込む57兆4480億円と見込み、財源不足を補うための新規国債発行額は43兆5970億円に膨らみ、国と地方を合わせた長期債務残高は2021年度末に1209兆円に達する見通しとなった。また、歳出では、高齢化の進展で社会保障費が35兆8421億円と過去最大を更新するとともに、新型コロナ対策の予備費5兆円を積むこととなった。

コロナワクチン、65歳以上を優先接種  

厚生労働省の予防接種に関する専門部会は、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種の優先順位を決定した。公表された接種の工程と対象者は、2月下旬に安全性調査への参加に同意の得られた医療従事者、3月中旬に新型コロナ診療などに関わる医師や救急隊員・保健所職員、3月下旬に65歳以上の高齢者、4月以降は慢性の心臓疾患など持病のある人や高齢者施設や介護施設などで働く人、その他の一般の人に接種を始めるとしている。

家計資産、9月末時点で過去最高に  

日銀が発表した7~9月期の資金循環統計によると、家計が保有する金融資産の残高は9月末時点で1901兆円となったことが分かった。前年同月比2.7%増となり、過去最高を記録した。新型コロナウイルス感染拡大により外出の自粛や雇用不安から消費が抑制されたことが挙げられている。現預金残高は4.9%増の1034兆円となり、伸び率と残高も過去最高を更新しており、節約志向が高いことを裏付けた。内訳では、現金が97兆円、預金が937兆円となっており、国民1人当たり10万円の特別定額給付金の支給が現預金残高を押し上げたとみられる。

南極でチリ軍がコロナ感染、世界7大陸に  

チリ軍の発表によると、南極の最北端にあるオヒギンズ基地で少なくとも36人が12月22日に新型コロナウイルスに感染したことが明らかになった。これにより、世界7大陸の全てでコロナウイルスが及ぶという事態に陥った。これまで南極の観測所や軍事基地でコロナウイルスを持ち込まないようにとの配慮から観測活動の規模縮小や観光の中止などの措置が講じられてきていたが、今回、チリ軍基地で初めて感染が確認され、感染者は既に隔離されているとともに、重症患者は出ていないと軍当局は発表している。

民間試算、来年の出生数、80万人割れ  

第一生命経済研究所がまとめた試算によると、妊娠届の減少が続く場合、2021年の出生数は77万6千人に落ち込むことが明らかになった。また、同様の試算結果を公表した日本総合研究所は79万2千人になるとしている。双方の民間調査機関が80万人を割込むとみており、少子化が一層進展していくという危惧が強まっている。日本総研では、「出生数の少ない期間が長期化すれば、将来の子どもの数や労働力にも影響する」としており、高齢者の支え手である子ども減少は社会保障にも影を落としかねない。

11%の企業が大卒採用を「減らす」  

リクルートワークス研究所が従業員5人以上の民間企業を対象にした2022年卒の大学生・大学院生の採用に関する調査結果によると、2021年卒に比べ採用人数を減らすとした企業は11.6%、増やすとした企業は7.7%だったことが分かった。採用減が採用増を上回ったのは11年ぶりとなった背景には、新型ウイルス感染拡大が響いている。採用を減らすとする企業を業種別にみると、飲食・宿泊業が21.6%で最も高く、情報通信業13.4%、機械以外の製造業が13.3%で続いた。

10月の妊娠届け出件数は6%減に  

 厚生労働省のまとめによると、今年8~10月に全国の市町村に提出された妊娠届の件数は前年同月比で1.0~6.6%減となっていることが明らかになった。背景について同省では、「新型コロナウイルス感染拡大が影響している可能性がある」とみており、コロナ禍で人口減少が加速する危惧が指摘されている。妊娠届は今年4月には前年比0.3%減にとどまっていたものの、5月には17.6%減、6月に5.7%減、7月は5.7%減、8月は6.0%減と、月を追うごとに落ち込みが見られている。

9割の市区がデジタル教科書に「不安」  

読売新聞社が公立小中学校を所管する46道府県、政令市、東京都23区を対象にしたアンケート調査によると、74市区のうち、69市区がデジタル教科書の使用について「不安や懸念」を抱いていることが分かった。9割を超える市区がデジタル教科書への不安や懸念を抱いているが、望ましい教科書の形を尋ねたところ、62市区が「神とデジタルの併用」と答えた。デジタル教科書への不安な点を尋ねたところ(複数回答)、「視力の低下など健康面の影響」(55市区)が最も多かった。

社会・経済の動き@しんぶん.yomu第908号

米ファイザーのワクチン、厚労省に申請  

12月18日、米製薬大手ファイザーが開発した新型コロナウイルス感染症のワクチンを厚生労働省に承認申請を行った。現在、世界では200を超えるワクチン開発計画があるが、日本国内での実用化に向けた承認申請は今回が初めてとなる。同社では、日本国内での大規模な知見を省略して審査を進める「特例申請」を目指すと表明し、申請を受けた田村厚労大臣は「最優先での審査を行う」としており、早ければ、来年3月に国内での接種が開始される可能性が高まってきている。

3次補正で一般会計は175兆円に膨らむ  

閣議決定された2020年度第3次補正予算案で新型コロナウイルス感染拡大による追加経済対策の経費として19兆1761億円が盛り込まれ、2020年度の一般会計は175兆6878億円に上ることが明らかになった。第3次補正予算案を組むにあたって、新たに新規国債を22兆3950億円発行することとしており、2020年度一般会計での国債発行額は112兆5539億円に膨らみ、予算を新規国債発行で賄う公債依存度は64.1%となる。

後期高齢者の医療費は2割負担に  

閣議決定された医療保険制度改革で、75歳以上の後期高齢者の医療費窓口負担を単身世帯で年収200万円以上は2割負担とすることとなった。令和4年度後半の施行を目指し、来年の通常国会に関連法案を提出するとしている。令和4年から団塊世代が後期高齢者入りすることを踏まえて導入されるもので、現役世代の負担軽減を図るとしている。75歳以上同士の夫婦の場合は世帯年収320万円以上が対象となる。

2028年GDP、中国が米国を超える  

日本経済研究センターがまとめたアジア・太平洋地域の15カ国の経済成長見通しによると、2028年に中国が名目国内総生産(GDP)で米国を超えると予測した。同センターは新型コロナ感染による影響が今後4~5年で収束する「標準シナリオ」と、収束が標準シナリオよりもさらに4~5年遅くなる「深刻化シナリオ」の2パターンで米中のGDPが逆転する時期を予測したもので、標準シナリオでは2029年、深刻化シナリオでは2028年になるとした。

11月消費者物価、10年ぶりの下落幅  

総務省は11月の全国消費者物価指数(2015年=100)が変動の大きい生鮮食品を除く総合指数が101.2となったと発表した。前年同月比0.9%下落し、下落幅はデフレが深刻化していた2010年9月の1.1%減となって以来、10年2か月ぶりの下落幅となった。GoToトラベルが適用された宿泊料は34.4%下がるとともに、原油安を反映して電気代(7.3%減)やガス代(7.1%減)も低下した。

今年の賃金、「増える」は2.6%止まり  

日本労働組合総連合会(連合)が18~65歳の被雇用者を対象に、昨年と比べ今年の賃金総額(手当・賞与を含む)を尋ねたところ、「増加する見通し」と答えた人は2.6%にとどまることが分かった。「減少する見通し」と答えた人は29.9%で、減少する見通しと答えた人の業種別で見ると、「宿泊・飲食サービス業」が51.2%で最も髙かった。また、新型コロナウイルス感染状況が変わらないと仮定した上で、87.8%の人が「現在の勤め先で働き続けられると思う」と答えた。

全国の消防団員数、過去最少の81万人  

 総務省消防庁は全国の消防団員数は今年4月1日時点で81万8478人だったと発表した。前年度比1万3504人減っており、過去最少となる。同庁によると、入団者数は4万3268人で、前年度から2436人減っており、集計記録が残る2004年度以降で最も少なかった。背景には、人口減少や少子高齢化に加え、新型コロナウイルス感染拡大で、勧誘活動が本格化する3月以降に停滞したことが挙げられている。消防団員数が減る中、女性団員は2万7200人、学生団員は5404人となり、いずれも過去最多となった。

今年に漢字は「密」と発表  

日本漢字能力検定協会は今年1年の世相を表す「今年の漢字」は「密」が選ばれたと発表した。新型コロナウイルス感染拡大防止として、新しい生活様式として政府などが3密(密閉・密集・密接)を避けることを発信したことが反映されたものとなっている。全国から20万件を超える応募の中から選ばれたもので、2位に「禍」、3位に「病」などのコロナ関連が続いた。また、4位以下は、「新」「変」「滅」「菌」「鬼」などが続いた。今年の漢字は、同協会が1995年から開始したもので、今年で26回目となる。

社会・経済の動き@しんぶん.yomu第907号

赤字国債発行特例法を5年延長へ  

 政府は2020年度に期限を迎える赤字国債発行の裏付けとなる特例法について、2021年度から5年間延長する方針であることが明らかになった。新型コロナウイルス感染拡大での収束が見えない中で、安定した財政運営を図っていく上で、不可欠であるとの判断に基づくもので、基礎的財政収支(プライマリーバランス)を2025年度までに黒字化する財政健全化目標と合わせた対応となっている。赤字国債抜きには予算が編成できない事態にあり、2021年度以降も大規模な財政出動が見込まれている。

日本の脱コロナ時期は2022年4月と予測  

 イギリスの医療調査会社エアフィニティーが新型コロナウイルスのワクチンが普及し、社会が日常に戻る時期を予測した調査結果によると、日本は2022年4月になると発表した。ワクチンの接種時期のめどが立っていない状況にあり、接種の出遅れから日常に戻る時期が先進国では最も遅くなるとみている。最も早く日常に戻るのは、2021年4月の米国で、カナダが6月、英国が7月、EUが9月、オーストラリアが12月になると予測している。中国は2022年10月、インドは2023年2月と、日本より遅れるとみている。

10月貿易収支、黒字額が15%増加  

 財務省が発表した10月の国際収支速報によると、経常収支の黒字額は前年同月比15.7%増の2兆1447億円だったことが明らかになった。黒字額が2ケタの伸びとなった背景には、新型コロナウイルス感染拡大で停滞していた経済活動が中国や米国を中心に再開したことが挙げられている。事実、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は9711億円の黒字となった。他方、輸入は原油価格の下落もあって15.2%減の5兆3488億円と大幅に落ち込んでいる。

2019年温室効果ガス排出量、過去最大  

 国連環境計画(UNEP)の報告書によると、2019年の世界の温室効果ガス排出量は二酸化炭素(CO2)換算で591億トンに達したことが明らかになった。過去最大を更新したことになり、このままだと今世紀末の気温は産業革命前と比べ平均3度上昇すると指摘している。世界各国は2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにするとの方針を打ち出しているが、UNEPは短期的に強力な政策を打ち出さなければ実効性がないと警告を発した。

高卒の求職者数は過去最少の15万人  

 厚生労働省は来春卒業の高校生の求職者数は前年9月末と比べて、10.1%減の15万2402人だったと発表した。過去最低を更新したことになり、減少率は1994年春卒以来、27年ぶりの大きさとなっている。背景には、新型コロナウイルス感染拡大が響き、民間企業への就職を断念した向きが多いことが挙げられている。同省では「多くの就職希望者が新型コロナの影響で大学・専門学校への進学や公務員への就職に切り替えた」とみている。

飲食業の倒産、過去最多更新の見通し  

 東京商工リサーチの発表によると、2020年1~11月の飲食業の倒産件数は792件に上り、これまで最多を記録した2011年の800件を上回ることが確実視されることが分かった。新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言や波状的な流行での自粛要請などがあったことに加え、客足が遠のいたことが挙げられている。自主的な休廃業・解散を加えると、約2400件にまで増えている。同社では「売上げが回復せず、人件費などの固定費負担を賄いきれない」飲食業の実情を指摘している。

JRの年末年始予約、前年比61%減  

 JRグループ6社の発表によると、年末年始での新幹線や在来線の指定席の予約数は12月9日時点で前年同期比61%減の162万席にとどまることが分かった。11年ぶりに前年を割込み、1997年以降で過去最低となった背景には、新型コロナウイルスの第3波感染拡大により規制や旅行の自粛が拡がっていることが挙げられている。混雑のピークは、下りが12月30日、上りが1月3日となっている。JR東日本では「予約できる座席数に十分余裕がある」として利用を呼び掛けている。

3人1人が使い捨てマスクを洗濯・再利用  

 日本女子大学家政学部被服学科が全国の10代以上を対象に新型コロナウイルス感染症対策で衛生管理面での変化を尋ねたところ、65%が「衣生活に変化があった」と答えていることが分かった。具体的には(複数回答)、「帰宅後速やかに衣服を洗濯する(着替える)」「使い捨てマスクを洗濯して再利用する」がそれぞれ32%あった。その他では、「共同利用のタオルを個人使用にした」(22%)、「洗濯回数が増えた」(19%)、「着用衣類にアルコールスプレーなどで除菌」(15%)などが挙げられた。

社会・経済の動き@しんぶん.yomu第906号

2021年世界経済成長率、下方修正へ  

経済協力開発機構(OECD)が発表した最新の経済見通しで、2021年の世界の実質経済成長率は前回の9月予測から0.8ポイント下方修正し、4.2%となるとした。2020年については、0.3ポイント引き下げて、マイナス4.2%とし、新型コロナウイルス感染拡大による経済縮小が余儀なくされている実態を浮き彫りにした。日本の成長率については、東京五輪・パラリンピック開催で消費や輸出が増加するとみて、前回より0.8ポイント上方修正の2.3%としている。

コロナワクチン、国負担で無料化に  

12月2日の参院本会議で、改正予防接種法が全会一致で可決され、新型コロナウイルス感染症のワクチンを国の負担で無料提供されることとなった。改正法ではワクチンを臨時接種として提供すると規定され、接種の主体は市町村が担うとされている。国民は無料で費用負担はないが、接種を受ける努力義務が生ずることとなるものの、有効性や安全性が十分に明確でなければ、努力義務を適用しないことも可能だとしている。厚生労働省は同意を得た医療従事者から先行してワクチン接種してもらうとしている。

国民医療費、過去最高更新の43兆円超  

厚生労働省が発表した2018年度医療費の総額は前年度比3239億円増の43兆3940億円に上り、過去最高を更新したことが明らかになった。背景には、高齢化の進行とともに医療の高度化によって費用が復膨らんだことが挙げられている。国民1人当たりでみると、3300円増の34万3200円だった。医療費を賄う財源別に構成比をみると、国民や企業が負担する保険料が全体の49.4%、国と地方を合わせた公費が38.1%、患者の窓口支払う自己負担は11.8%となっている。

コロナ感染後の回復者、98%が抗体保有  

横浜市立大の研究チームが新型コロナウイルス感染者の血液を採取し調査したところ、98%の人が半年経過しても、ウイルスの再感染を防ぐ抗体を持ち続けていることが分かった。再感染を防ぐ中和抗体を持っていた人は、感染から回復した人の症状別にみると、「無症状」「軽症」は97%、「中等症」「重症」は100%だった。この調査結果により、コロナワクチン接種で効果が長持ちする可能性があり、ワクチン接種への期待が高まってきている。

全産業の経常利益、6四半期連続マイナス  

財務省は2020年7~9月期の法人企業統計で、全産業の経常利益が年同期比で28.4%減の12兆3984億円になったと発表した。6四半期連続のマイナスとなったものの、前期(4~6月期)の46.6%から大幅に愁傷している。同省では「持ち直しの動きが見られる」との見方を示しているが、感染拡大の「第3波」の動きもみられ、先行きについては不透明感も否めない。全産業の売上高は同11.5%減で5四半期連続のマイナスとなった。

国連、2021年に2億人が人道支援必要  

国連人道問題調節室(OCHA)の発表によると、2021年に世界で人道支援を必要とする人々が前年比4割増の2億3500万人に上ることが明らかになった。新型コロナウイルス感染症の世界的な流行が背景にあり、深刻な状況にある56カ国の1億6千万人への支援に必要な額も350億ドル(約3兆6千億円)に上ると報告している。また、OCHAは1日1.9ドル(約200円)未満の生活を強いられる極貧層は世界全体で22年ぶりに増加に転じたとして、各国へ支援の協力を求めた。

年末の大掃除、7割超が実施予定  

 ダスキンが全国の20歳以上の男女を対象に大掃除の予定を尋ねたところ、71.2%が「する予定」と答えていることが分かった。大掃除で最もきれいにしたい場所を尋ねたところ、最多は「レンジフード・換気扇」(19.5%)で、「キッキン」(17.8%)、「リビング・ダイニング」(17.1%)、「窓・網戸」(13.6%)が続いた。また、予定している日では、「12月27日」が最も多い35.4%で、「26日」(28.9%)、「29日」(24.8%)が続いた。新型コロナ感染拡大の影響で掃除時間や頻度が増えたと答えた人は34.4%だった。

2020新語・流行語大賞に「3密」  

12月1日発表された2020新語・流行語大賞の年間大賞に「3密」が選ばれた。新型コロナウイルス感染症対策として回避すべき行動としての「密閉・密集・密接」を表現した言葉で、3密の知名度を上げたとして小池東京都知事が受賞した。また、トップテンには、コロナ関連で「アベノマスク」「アマビエ」「オンライン〇〇」「GoToキャンペーン」「あつ森(あつまれどうぶつの森)」も選ばれた。さらに、社会現象ともなり映画が記録的なヒットとなった「鬼滅の刃」も受賞した。

社会・経済の動き@しんぶん.yomu第905号

NY株、史上初めて3万ドル台を突破  

11月24日、ニューヨーク株式市場で優良株で構成されるダウ工業株30種平均の株価が前日比454.24ドル高の3万46.24ドルで取引を終え、史上初めて、3万ドル台に乗せた。バイデン次期米大統領が新たな政権移行の作業を本格化したことに加え、新型コロナウイルスワクチンの開発見通しが立ったことを好感し、株式市場は買い一色となり、大きく株価を押し上げるものとなった。NY株式の高騰を受け、11月25日の東京株式市場も29年半ぶりの高値となる2万6296円86銭で終えた。

中国、来年1月から全てのゴミ輸入禁止  

2018年から中国政府は廃棄物の輸入規制を行ってきたが、新華社通信の報道によると、中国は2021年1月から全ての廃棄物の輸入を禁止すると報じた。中国は1980年代以降、固形廃棄物を輸入し、企業が洗浄・破砕したものを工業用の原材料に加工するといった形で資源活用に取り組んできたが、今後は、あらゆる種類の廃棄物が輸入の禁止対象となる。昨年は固形廃棄物の輸入量は1348万トンで、中国が「世界のゴミ箱」を返上することで、今後、ゴミ輸出国はゴミ問題に直面することになる。

2020年賃上げ企業は9年ぶりに減少  

厚生労働省の賃金引上げ実態調査によると、2020年中に賃上げを実施した企業の割合は81.5%だったことが分かった。前年より8.7ポイント低下し、9年ぶりに減少し、下落幅はリーマン・ショック直後の2009年の12.3ポイントに次ぐ大きさとなった。新型コロナウイルス感染拡大が宿泊サービス業などを中心に賃上げを直撃したとみられる。同省では「企業は前年業績を基に賃金改定を行っているので、すぐに方向は転換できない」とみており、コロナの影響は今後の賃上げに影を落としている。

イギリスの成長率は300年以上で最悪に  

英政府が発表した2020年の経済成長率は前年比11.3%減の見通しにあることが明らかになった。大寒波に見舞われた1709年以来の過去300年以上で最悪となり、新型コロナウイルス感染拡大が経済にもたらした影響が大きいことを浮き彫りにした。また、英予算責任局(OBR)は、2021年の成長率は5.5%増、2022年は6.6%増になるとの見通しを示したが、コロナ危機前の水準に戻るのは2022年10~12月期まで要するとの見通しを示した。

全国の農業従事者、5年で40万人減に  

農林水産省が発表した2020年農林業センサスによると、農業を主な仕事とする基幹的農業従事者は136万1千人であることが分かった。比較可能な1985年時点の346万人から6割ものの減少となり、2015年の前回調査から39万6千人減少したことになる。農業従事者のうち65歳以上が占める割合は4.9ポイント上昇の69.8%となる一方、平均年齢も67.8歳で、高齢化が進展していることを浮き彫りにしている。

4カ月連続で東京都からの転出超過  

総務省が発表した10月の住民台帳人口移動報告によると、東京都からの転出者が転入者を2715人上回る転出超過になっていることが分かった。4カ月連続での転出超過で、同省では「新型コロナウイルス感染拡大を受けて、テレワークの普及によって、転勤する人が減った」ことが要因の一つだと分析している。2013年以降、東京都では転入者が増える状況が慢性化してきたが、今年5月に転出超過に転じ、いったん6月に再度転入超過となったものの、7月以降は転出が上回る状況が続いている。

福島県避難者の65%が故郷に「戻らぬ」  

 関西学院大学災害復興制度研究所が東京電力福島第1原発事故の当時に福島県に住み避難している人を対象にしたアンケート調査によると、65.3%の人が「故郷に戻るつもりはない」と答えていることが分かった。26.4%の人が「戻るつもりだ」と答え、来年3月で10年目を迎えようとしている今も、6割以上の人が「戻らない」意向を示している。避難から故郷に戻っていない理由を尋ねたところ(複数回答)、「山林や草地に汚染が残っていると思う」(46.1%)、「現在の居場所で落ち着いている」(44.8%)だった。

刑法犯、65歳以上が過去最悪に  

法務省が発表した2020年版犯罪白書によると、昨年1年間に検挙された刑法犯のうち、65歳以上の高齢者が占める割合が過去最悪の22.0%に上ったことが明らかになった。昨年の刑法犯は74万8559件で、17年連続して減少し、戦後最少を更新している。しかし、65歳以上での検挙者は増え続け、検挙されたのは4万2463人で、7割以上を70歳以上が占め、罪種別では、窃盗が7割を占めた。とくに、女性の万引きが4分の3を占めている。

社会・経済の動き@しんぶん.yomu第904号

米、12月にコロナワクチン接種開始  

米ホワイトハウスで新型コロナウイルスのワクチン配付を統括するモンセフ・スラウイ氏は米国民へのワクチン接種が12月11日から開始する見通しを示した。米製薬大手ファイザーが11月20日にワクチンの緊急使用許可を当局に申請したのを受け、食品医薬品局(FDA)の承認のための会合が12月10日予定されており、スラウイ氏は「承認から24時間以内にワクチンが出荷され、接種開始が来月11日から開始される」との見通しを示した。また、同氏は「来年5月ごろに国民生活が正常に戻る」との見解も示した。

東証終値、29年半ぶりの2万6千円台に  

11月17日、東京株市場で日経平均株価の終値が2万6014円62銭となった。終値が2万6千円を超えるのは1991年5月以来の29年半ぶりで、バブル経済崩壊後の最高値となった。11月に入ってから、3千円もの上昇幅となったが、株価上昇の背景には、米製薬大手のファイザー社やモデルナによるワクチン開発の臨床試験で高い有効性が得られたとの公表により、コロナが収束に向かい、経済活動が回復するものとの期待が高まったことが指摘されている。

コメ、供給過剰で価格が6年ぶりに下落  

農林水産省が発表した2020年産新米の10月の出荷業者と卸売業者の相対取引価格は全銘柄の平均は玄米60キロ当たり1万5065円だったことが明らかになった。前年同期比4%下落したことになる。背景には、供給過剰による価格下落傾向にあることに加え、新型コロナウイルス感染拡大で外食需要が減少したことが挙げられている。供給が需要を上回る、いわゆる「コメ余り」は米価の下落を促し、コメ農家は一段と深刻な状態に陥りかねない。

児童虐待、過去最多の19万件超に  

厚生労働省の集計によると、全国の児童相談所が昨年度に児童虐待として対応した件数は過去最多の19万3780件だったことが明らかになった。統計を開始した1990年度以来、29連続で最多を更新してきている。同省のまとめによると、虐待4類型のうち、心理的虐待が最多の10万9118件で全体の56.3%を占め、身体的虐待(25.4%)、育児放棄(17.2%)、性的虐待(1.1%)が続いた。また、情報の経路では警察の通告による対応が最も多い9万6473件で全体の半数近くを占めた。

7割超が「選択的夫婦別姓」に賛成  

早稲田大学の棚村教授と市民団体「選択的夫婦別性・全国陳情アクション」が、全国の20~59歳の男女を対象に、結婚後も希望すれば元の姓を名乗れる「選択的別性」について尋ねたところ、70.6%の人が賛成すると答えていることが分かった。結婚後も夫婦同姓であるべきとする反対する人は14.4%にとどまり、棚村教授は「選択的夫婦別姓について、賛成派、または好意的に理解している人が多いことが把握できる」としている。

来春大卒者の就職内定率、70%を割込む  

文部科学・厚生労働両省による調査によると、来春卒業予定で就職を希望する大学生の就職内定率は10月1日時点で69.8%だったことが明らかになった。前年同期と比べ7.0ポイント減となり、リーマン・ショックの影響があった2009年の7.4ポイント減に次ぐ下落幅となった。背景には、新型コロナウイルス感染拡大の影響がある。文理別の内定率をみると、文系が68.7%(7.5ポイント減)、理系が74.5%(4.8ポイント減)で、文系大学生の下落が目立っている。

がん10年生存率、58.3%に改善へ  

 国立がんセンターの発表によると、2004~2007年に全国21病院で「がん」と診断された人の10年後の生存率は58.3%だった。前回集計した2003~2006年の4年間での生存率は54.2%から改善していることが分かった。同センターでは「標準的な治療が全国的に受けられるようになったことが背景にある」と分析している。部位別にみた「がん」の生存率が高かったのは、前立腺(98.8%)が最も高く、逆に生存率が低かったのは、膵臓(6.2%)が最も低かった。

「今年の景気は悪かった」は過去最高に  

博報堂生活総合研究所が全国の20~69歳の男女を対象に、今年の景気について尋ねたところ、79.3%の人が「今年の景気は悪かった」と答えていることが分かった。前回調査より46.0ポイント増加し、過去最高となった。来年について尋ねたところ、「良くなる」と答えた人は22.8%で、「悪くなる」と答えた人は35.9%だった。「良くなる」とみる人の理由では「コロナの収束や反動」が最多で、「悪くなる」とみる人の理由では「コロナの長期化」が最も多く、コロナが景気の先行きを分けるものとなった。

社会・経済の動き@しんぶん.yomu第903号

7~9月期国内総生産、年率21.4%増  

内閣府は2020年7~9月の国内総生産(GDP)は実質で前期(4~6月期)に比べ5.0%増となり、年率換算で21.4%増となると発表した。政府が緊急事態宣言を出した4~6月期から急速に回復し、比較可能な1980以降で最大の伸び率となった。項目別にみると、国民への給付金支給の効果を背景に個人消費が前期比4.7%増で過去最大の伸び率となった。設備投資は3.4%減、住宅投資は7.9%減、輸出は前期の17.4%減から一転して前期比7.0%増となった。

IMF、公共投資で雇用創出を提唱  

国際通貨基金(IMF)は各国政府に対して、公共投資を対国内総生産(GDP)比で1%増やすことで2千万~3300万人の雇用が創出されるとする試算を示しながら、投資拡大することを呼び掛けた。試算によると、公共投資が1%増加させれば、GDPは2年後までに2.7%押し上げられ、民間投資の10%増加し、700万人の雇用が生まれるとしている。間接的な効果を含めれば、雇用創出は最大で3300万人に上るとしている。IMFでは、「世界的に低金利が低い今が好機だ」としている。

6割超の上場地銀が減益・赤字に  

三菱UFJモルガン・スタンレー証券が、東京証券取引所などに上場する地方銀行・グループの2020年9月中間決算を集計したところ、発表を延期した1社を除く77社のうち、49社が前年同期比で純利益が減少または赤字となったことが分かった。6割を超える地銀が減益・赤字となった背景には、預金と融資の金利差である利ザヤが縮小したことに加え、新型コロナウイルス感染拡大で融資先の企業の業績悪化が指摘されており、厳しい経営環境にあることを浮き彫りにした。

10月の自殺者、前年同月比39%増加  

警察庁の集計によると、10月の自殺者数は2153人に上り、前年同月比39.9%もの増加になったことが明らかになった。前年比で4カ月連続での増加となり、とくに7月から増加に転じていることもあり、厚生労働省では新型コロナウイルス感染拡大の影響との関連について分析調査するとしている。10月の自殺者は男性が1302人、女性が851人となり、男性が6割超を占めている。都道府県別にみると、東京が最多の255人で、埼玉(151人)、神奈川(148人)が続いた。

コロナワクチンの有効性は9割超に  

米製薬大手のファイザーが開発を進めている新型コロナウイルスのワクチンの臨床試験の結果公表によると、感染・発症を防ぐ有効性は90%以上であることが明らかになった。同社は米食品医薬品局に緊急使用許可申請をするとしている。また、日本政府はワクチンを全額国の負担で全国民分のワクチンを確保し、接種することを盛り込んだ予防接種法改正案について、11月10日、衆院本会議で審議入りした。菅首相は「安全性、有効性を最優先に最新の科学的知見に基づきしっかり審査していく」と表明した。

鉄道の無人駅、全体の半数近くに  

国土交通省が鉄道会社の年度末での駅数と無人駅数を集計したところ、2020年3月末時点での無人駅数は4564駅に上ることが分かった。駅数は全国で9465駅あり、無人駅数が約半数の48.2%を占めていた。統計を開始した2002年での無人駅数は4120駅だったが、約20年で1割強が増えたことになる。無人駅増加の背景には、少子高齢化や都市部への人口流出に加え、地方鉄道会社での経営の厳しさがある。

ひとり親世帯の6割超が「収入が減った」  

 一般社団法人ひとり親支援協会がひとり親世帯を対象に行った調査によると、65.6%が「収入が昨年より減った、減る見込み」と答え、支出に関しては79.7%が「昨年より増えた」と答えていることが分かった。新型コロナウイルス感染拡大に伴い、ひとり親世帯の家計がひっ迫している状態にあることが浮き彫りとなった。また、調査で政府が給付した一時金の使い道を尋ねたところ、74.8%が生活費や返済に充てたと答えた。同協会は、第3次補正予算案で、ひとり親世帯へさらに一時金支給を求める要望書提出した。

自分の臭いが「気になる」人は7割超  

資生堂が全国の20~40代の男女を対象にした調査によると、「自分の臭いが気になる」人は、「気になる」「やや気になる」を合わせると、74.7%だったことが分かった。また、加齢臭の原因は体表の潤いを保つ皮脂中の脂肪酸が酸化してできた「ノネナール」だが、資生堂グローバルイノベーションセンターの勝山研究員によると、ノネナールは40歳過ぎから増え始め、男女差はなく、個人差が大きいと説いている。加齢臭=オジサンという定説は誤解であるといえる。

社会・経済の動き@しんぶん.yomu第902号

株価、29年ぶりの高値水準に  

11月9日の東京株式市場の日経平均株価の終値が2万4839円84銭となり、バブル経済崩壊後最高値を更新し、29年ぶりの高水準となった。背景に、日米欧の中央銀行による金融緩和で金融市場に供給された大量の資金が株式市場に流入したことに加え、米大統領選でバイデン元副大統領の当選確実を好感したことが挙げられている。ただ、足元では新型コロナウイルスの感染拡大により、実体経済がコロナ以前にまで回復するには相当な時間を要するものとみられ、一段と株価が上昇するとみる向きは少ない。

上場企業の9月中間決算、純利益43%減  

SMBC日興証券が上場企業の2020年9月中間決算の公表を集計したところ、20.9%が赤字に陥り、純利益の合計額は前年同期比43.6%減の3兆6202億円だったことが分かった。新型コロナウイルス感染拡大が影響したことが背景にある。業種別にみると、陸運や空運は大きく業績が悪化する一方で、巣ごもり需要のあったゲーム事業などは大幅な増益となり、同社では「コロナの状況下でも勝ち抜ける業態や商品を持っているかどうかで業績に差が出た。当面、この傾向は続く」とみている。

2020年度税収見積もり、大幅下方修正  

政府は追加経済対策を盛り込んだ10兆円規模の2020年度第3次補正予算を年末に編成する方針だが、これに対応する2020年度税収見積もりを、当初の63兆5130億円から大幅に下方修正することで検討に入った。税収の下方修正する背景には、新型コロナウイルス感染拡大の影響で企業業績が悪化し、法人税収が大きく落ち込むことが回避できない状況にあり、年度途中で税収見積もりを減額せざるを得ない実情にある。税収減額となれば、その分の赤字国債の増額発行で財政悪化が加速することになる。

2019年度法人所得は8.3兆円減少  

国税庁が発表によると、2019年度に決算期を迎えた法人の申告所得総額は65兆52億円となったことが分かった。前年度から8兆3千億円減少し、過去3番目の下げ幅となったことが明らかになった。同庁では、「3月決算法人を中心に新型コロナウイルス感染拡大による影響があった」とみている。過去の減少幅を見ると、リーマン・ショックの影響があった2008年度(17.2兆円減)、バブル経済崩壊の影響があった1992年度(8.5兆円)に次ぐものとなっている。

コロナ関連倒産、累計で700件を突破  

東京商工リサーチの発表によると、新型コロナウイルス関連の企業倒産は2月からの累計で701件の上ったことが明らかになった。同社では「大型倒産が減る一方で、体力の乏しい中小・零細企業で増加傾向にある」としている。また、10月にこれまで最多となる113件の倒産を記録していることに関して、「実質無利子融資などの公的支援の効果が薄れつつある」と分析している。業種別にみると、外出抑制や訪日客減少が響き、飲食業(122件)が突出し、アパレル関連(70件)、宿泊業(55件)が続いた。

尖閣諸島周辺への中国船航行、過去最多  

第11管区海上保安本部の発表によると、11月2日、沖縄県・尖閣諸島周辺の領海外側にある接続水域で、中国海警局の船4隻が航行しているのを海上保安庁の巡視船が確認したことが明らかになった。尖閣周辺での中国当局の船の航行が確認されたのは57日連続で、年間では過去最多の283日となった。尖閣周辺で中国当局の船の航行は、自国が主張している領有権を既成事実化する狙いがあるとみられている。

8割が不要プラ・過剰包装が多いと感じる  

 環境保護団体のグリーピース・ジャパンが18~79歳の男女を対象にしたアンケート調査によると、81.2%の人が「不要なプラスチック製品、過剰包装が多い」と感じていることが分かった。過剰なプラ・包装が多いと感じている人に「どういう製品・サービスか」を尋ねたところ(複数回答)、最も多かったのは「肉や魚用のトレー」(39.5%)で、「菓子の個包装」(38.1%)、「ダイレクトメールやパンフレットなどのプラスチック製袋」(33.5%)、「通信販売の緩衝材や包装」(30.2%)が続いた。

新語・流行語候補、コロナ関連が半数  

2020ユーキャン新語・流行語大賞の候補30語が発表された。30語のうち、半数が新型コロナウイルスに関連する言葉が占めた。コロナ関連では、「アベノマスク」「新しい生活様式」「オンライン」「クラスター」「3密」「テレワーク」などが挙げられ、選考委員会は「候補の全てが新型コロナ関連でもおかしくないほど新語が登場し、これまで存在する言語も独特の使われ方をした」と指摘している。記録的な興行収入を上げ続けているアニメ「鬼滅の刃」も候補に挙げられた。新語・流行語大賞の発表は12月1日となる。

社会・経済の動き@しんぶん.yomu第901号

2050年、温室ガス排出ゼロを首相が表明  

菅首相は、臨時国会での所信表明演説で、「2050年までに国内温室効果ガス排出を実質ゼロにする」と表明した。世界的に脱炭素化社会の実現に向けた取組みが加速している流れを受けたものだが、日本の2018年度温室ガス排出量はCO2換算で12億4千万トンに及び、2050年にゼロとするにあたっては、今後30年間で毎年3%の削減が必要となる。足下の現状では、東京福島第1原発事故以来、CO2排出が多い火力発電への依存が高く、2018年度の火力依存割合は77%となっている。

来年1月、核禁止条約が発効  

国連は核兵器開発から使用までを全面禁止する核兵器禁止条約の批准数が発効に必要な50カ国・地域に達したのを受け、来年1月22日に発効すると発表した。不参加国は条約順守する義務がなく、米ロ中などの5大保有国や他の保有国などが参加しておらず、実効性が危ぶまれている。世界唯一の被爆国である日本は日米安全保障上の理由から条約批准には参加していない。国連のグテレス事務総長は「原爆投下や核実験の被害を受けた生存者を称えるもの」として条約発効を評価した。

WHO、コロナで〝深刻な後遺症〟を警告  

世界保健機構(WHO)は記者会見で、「新型コロナウイルスは相当数の人に深刻な後遺症を残す」との警告を発した。さらに、「時間の経過の中で症状は変動して、体内のあらゆる器官に影響を及ぼし得る」ものであるとの見解を示した。WHOには入院患者と非入院患者の双方で症状が残る例が報告されているとした。会見で、具体的な症状例として、疲労感をはじめ、せきや息切れ、肺や心臓を含む主要臓器の炎症と損傷、さらには神経系や心理面での影響を挙げた。

企業の内部留保、8年連続増の475兆円  

財務省は、2019年度の法人企業統計で、企業の内部留保にあたる利益剰余金は475兆161億円に上ると発表した。前年度比2.6%増となり、8年連続での増加となる。過去最高を更新した背景には、消費税増税や新型コロナウイルス感染拡大による影響で、先行き不透明感から投資を控え、内部留保を積み増している実態を浮き彫りにしている。2019年度の全産業の経常利益は同14.9%減の71兆4385億円となり、コロナの影響で2020年度はさらに落ち込みが予想されている。

働く人の年休取得率が最高の56%に  

厚生労働省の就労条件総合調査によると、2019年に企業で働く人が取得した年次有給休暇の平均日数は1人当たり過去最多の10.1日となったことが分かった。働く人に付与された日数に対する平均取得率は過去最高の56.3%となった。企業規模別にみると、従業員1千人以上の企業は11.9日だったのに対し、30~99人の企業では8.7日で、企業規模が大きいほど取得日数が多いという傾向がみられた。

大卒の「3年以内離職」は32%に  

厚生労働省の発表によると、2017年に大卒者うち3年以内に離職した人の割合は前年比0.8ポイント増の32.8%だったことが分かった。高校卒業者の離職率は0.3ポイント増の39.5%だった。今年3月末までの離職を集計しているため、新型コロナウイルス感染拡大が与えた影響が出るかどうか、同省は注視していくとしている。大卒の離職率を産業別にみると、宿泊業・飲食サービス業が52.6%と最も高く、生活関連サービス業・娯楽業(46.2%)、教育・学習支援業(45.6%)が続いた。

将来、地方で暮らしたい若者は4割超に  

 日本財団が全国の17~19歳の男女を対象に、「将来、都市部と地方のどちらで暮らしたいか」を尋ねたところ、「地方」と答えた人は43.5%に上り、前年を4.7ポイント上回った。その理由を尋ねたところ(複数回答)、「自然環境が豊か」(51.5%)が最多で、「生活がしやすい」(50.1%)、「新型コロナの感染リスクが低い」(20.9%)が続いた。他方、「都市部」と答えた人は56.5%で、その理由で最も多かったのは「生活がしやすい」(63.4%)が挙げられた。

4~9月のクマ出没数、過去最多に  

環境省のまとめによると、今年4~9月の各地におけるクマの出没数は1万3670件に上り、2016年以降で最多となったことが分かった。生息分布エリアが拡大していることが背景にあり、同省では「本来、出没が減少する夏にも増えており、今までと違う傾向が出ている」と指摘したうえで、「冬に入っても警戒は緩められない」と注意を喚起している。同省では、個体数自体が増えている可能性もあるとみており、これまで出現してこなかった地域にも備えを呼び掛けている。