社会・経済の動き@しんぶん.yomu第1161号

日銀、政策金利を0.75%に引上げ  

日銀は12月19日に開いた金融政策決定会合で、政策金利を現行の0.5%程度から0.75%程度に引き上げることを決定した。利上げは今年1月以来7会合ぶりで、政策金利が0.75%となるのは1985年8月以来30年ぶりの高水準となる。植田総裁は「経済や物価が想定通リに推移すれば、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整する」と述べ、さらなる引き上げを示唆している。利上げは円高要因とされるものの、外国為替市場では金利水準がまだ低いと受け止められ、円安が進んだ。

与党税制大綱で「年収の壁」引上げ  

12月19日に決定された2026年度与党税制改正大綱で焦点だった所得税が課せられる基準となる「年収の壁」で、現行の160万円から178万円へ引き上げられることとなった。基礎控除と給与所得控除の最低額をそれぞれ4万円引き上げた後に、基礎控除などをさらに10万円上乗せし、178万円を達成するとしている。対象となる納税者は全体の約8割で、減税規模は約6500億円となる。税制改正大綱では、物価高への対応や「税制の公平性確保」「資産形成・資産移転の在り方の見直し」を柱としている。

11月対米輸出、8か月ぶりの増加に  

財務省が発表した貿易統計によると、米国向け輸出額は1兆8169億円となり、前年同月比8.8%の増加になったことが分かった。8か月ぶりの増加となり、背景には自動車が金額・台数ともに増加したことに加え、医薬品の輸出が伸びたことが挙げられている。とくに、4月に自動車の対日関税が27.5%に引き上げられたものの、9月に15%に引き下げられたことで輸出が伸びた。トランプ米政権の高関税政策の影響が和らいだことで、自動車に加え、医薬品や鉱物性燃料の輸出が伸びた。

訪日外国人、過去最多の3906万人  

政府観光局は1~11月に日本を訪れた外国人旅行者は推計で3906万人となり、通年で前年を約30万人上回り過去最多となったと発表した。円安や紅葉シーズンを背景に欧米やオーストラリアを中心に本日需要が高まったことが背景にある。訪日自粛を国民に呼び掛けた中国からの訪日は約56万人と鈍化したものの、11月時点では自粛は限定的だった。12月の訪日外国人を加えると、年間では4千万人を史上初めて突破する見込みにある。

70歳まで働ける企業割合は34%  

厚生労働省の2025年高齢者雇用状況調査によると、70歳まで働ける企業の割合は2.9ポイント増の34.8%だったと発表した。人手不足を背景に、継続雇用制度を導入した企業が増えたと同省はみている。また、同省発表によると、6月1日時点の民間企業で働く障害者は前年比4.0%増の70万4610人だったことが明らかになった。障害者雇用促進法は従業員40人以上の民間企業、国と自治体に一定割合以上の障害者を雇用するよう求めた。

個人金融資産、過去最高の2286兆円  

日銀は7~9月期資金循環統計で、9月末時点で個人が保有する金融資産残高は2286兆円だったと発表した。金融資産残高は前年同月比4.9%増加しており、過去最高を更新した。株高が続いたことや外貨建て資産の価値が円安効果で膨らんだことが挙げられている。個人資産の内訳では、株式等が前年同月比19.3%増の317兆円、NISA(新少額投資非課税制度)への資金流入が続いたことから投資信託が21.1増の153兆円、保険が2.0%増の416兆円、現・預金は0.5%増の1122兆円だった。

 大阪・関西万博の経済効果は3.6兆円      

政府は大阪・関西万博の経済波及効果は約3兆6000億円と試算結果を発表した。開幕前の2024年に約2.9兆円と発表していたが、公式グッズを中心にした消費の盛り上がりが約6500億円もの経済波及効果を押し上げた。経済効果は、➀会場建設費を含む建設投資、②運営やイベント効果、③来場者消費の3項目から生産や消費の誘発額を分析し、最も上昇効果が高かったのは来場者消費で、開幕前の試算より3300億円多い約1.7兆円だった。

「年賀状じまい」企業6割に迫る  

帝国バンクの調べによると、年賀状による新年の挨拶を取りやめる「年賀状じまい」をした企業は58.1%となることが分かった。「年賀状じまい」をした企業の内訳をみると、「2023年1月分以前に送ることをやめた」(22.0%)、「2024年1月分から送ることをやめた」(15.4%)、「2025年1月分からやめた」(10.4%)となっている。これに「2026年1月分から送ることをやめる」企業が10.3%あった。費用や手間の削減に加え、取引先の「年賀状じまい」が挙げられた。

社会・経済の動き@しんぶん.yomu第1160号

7~9月期GDP、年率換算2.3%減  

内閣府は2025年7~9月期の国内総生産(GDP)改定値は物価変動の影響を除く実質で前期比0.6%減、年率換算で2.3%減だったと発表した。11月の発表時の年率換算1.8%より下回った。背景には、米政権の高関税政策が輸出を下押ししたことに加え、資材価格や人件費の高騰が挙げられ、これよって設備投資の拡大ペースが低調となった。10~12月期は個人消費や設備投資の回復が期待されているものの、エコノミストの一部は「米関税政策の影響が残り、不透明感がある」としている。

日銀短観、大企業・製造業でプラス15  

日銀は12月の企業短期経済観測調査で、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)で、大企業・製造業で9月調査から1ポイント改善のプラス15だったと発表した。改善は3四半期連続での改善で、米政権での高関税の影響が当初の想定より小さかったことに加え、円安で輸出企業の業績を支えているとの見方が広がったものとみられる。一方、大企業・非製造業は9月調査時点のプラス34は横ばいだった。

2025年補正予算案、衆院本会議で可決  

12月11日、衆院本会議で2025年度補正予算案が可決した。今次の補正予算案は18兆3000億円規模で、ガソリンの暫定税率廃止をはじめ、子どもへの一律2万円給付、電気・ガス料金の補助、地方交付金による食料品支援など物価高対策など。予算規模は昨年より約4兆円以上も膨らみ、新型コロナウイルス禍後で最大の規模となった。補正予算には、政権が掲げる危機管理投資の約6兆円や防衛力強化の1.7兆円も含まれている。

所得税の申告漏れ総額は9317億円  

国税庁は2024年7月から1年間の所得税税務調査で申告漏れ件数は36万8727件で、申告漏れ総額は9317億円に上ると発表した。申告漏れに対する追徴課税した総額は9317億円に上り、前年度を33億円上回り、過去最高額となった。同庁はeTaxなどで申告されたデータをAI活用した効率的な調査を実施した結果だったとしている。業種別で1件当たりの平均申告漏れ所得金額が最も多かったのは「キャバクラ」だった。

日用品販売の伸び率、コメが首位  

調査会社インテージが2025年に売れた日用品の販売額の伸び率を調査したところ、コメが前年同期比62%で首位となったことが分かった。コメは昨年来の「令和のコメ騒動」が反映したもの。2位はインバウンド(訪日客)需要でカルシウム剤が23%上昇し、3位には主要産地であるブラジルの異常気象や円安が反映したコーヒー豆の高騰からインスタントコーヒーが19%もの伸びを示した。同社では「値上がり分がそのまま販売額の上昇になった」と分析している。

子ども食堂、過去最多の12,601カ所  

認定NPO法人「全国こども食堂支援センター・むすびえ」の調査で、子どもに無料や低額で食事を提供する「子ども食堂」は全国計1万2601カ所で開設されていることが分かった。過去最多となった背景には、行政や企業、地域団体との連携が進んだことに加え、政府による支援があったことが要因とされている。一方、子ども食堂を運営ものに困りごとを尋ねたところ(複数回答)、「運営資金不足」「支援のための周知・広報」が最多の47.2%で、次いで「運営スタッフ・ボランティアの不足」(42.2%)が挙げられた。

 冬季賞与、支給額増は僅かに減少      

帝国データバンクの調査によると、2025年冬季賞与の従業員1人当たりの平均支給額が「賞与はあり、増加する」企業は22.7%で、前年の23.0%から僅かに減っていることが分かった。一方、「賞与はあり、変わらない」企業は44.7%で、前年の43.3%から1.4ポイント増加していた。冬季賞与の支給額はほぼ前年並みで、増加の伸びは限定的なことが浮き彫りとなった。

今年の漢字は「熊」、2位の「米」に僅差  

2025年の世相を表す「今年の漢字」に「熊」が選ばれた。選ばれた理由として、日本各地で熊の出没が相次ぎ人身被害者数・死亡者数が過去最多を記録したことが挙げられている。また、市街地での目撃が相次ぎ、全国各地でイベントの中止や学校の休校、農作物の被害も深刻化した。一方、2位には180票の僅差で「米」が選出された。米価格の高騰や買い占め、昨年から続く政府の備蓄米の放出といった「令和の米騒動」が大きく影響したものとなっている。

社会・経済の動き@しんぶん.yomu第1159号

長期金利、約18年半ぶりの高水準に  

12月4日の東京債券市場で新発10年物国債の流通利回りが1.925%となった。前日比0.035%高くなり、2007年7月の1.96%を付けて以来、約18年半ぶりの高値となった。背景には、高市政権の積極財政路線で我が国財政が悪化しかねないとの見方に加え、12月第3週に予定されている日銀の金融政策決定会合で利上げに踏み切るのではとの観測から、債権を売る動きが広がり、長期金利の上昇してきている。ただ、エコノミストは日銀の利上げ以降も円安は続くとみている。

財政審、基礎的財政収支の毎年度確認を  

財政制度等審議会は2026年度当初予算編成に対する建議(意見書)で、高市首相が単年度黒字化の目標を撤廃する表明に対し、財政規律の指標となる基礎的財政収(プライマリーバランス)の状況を確認し、毎年度の財政運営に臨むよう求めた。財政審は「金利ある世界」が再来することを危惧し、財政の健全化を図るうえで、歳出改革など政府がコントロールできる取組みを続けることが重要だと指摘している。また、建議では「現役世代の重い保険料負担を最大限抑制することが不可欠だ」と政府に望んだ。

10月消費支出3%減、節約志向が鮮明  

総務省が発表した10月家計調査で10月の1世帯当たり(2人以上)の消費支出は30万6872円だったことが明らかになった。前年同月比3.0%減で、マイナスは6ヵ月ぶりとなり、節約志向が鮮明になった。項目別にみると、食料が5ヵ月連続で前月を下回り1.1%減、自動車購入を含む交通・通信は9.2%減、授業料や補習教育などの教育は7.6%増、保健医療は7.6%増、被服・履物は6.3%だった。値上げが相次いだ酒類や飲料の買い控えの動きが目立ち、自動車購入でも安価な軽自動車や中古車を求める動きが見られた。

高給を求める外国人、東京への転入超過  

総務省の人口移動報告で、日本に住民票を持つ外国人の東京圏(埼玉・千葉・東京・神奈川)への転入が増え、2024年は転出した人を1万6千人以上になることが判明した。東京圏への一極集中が加速している背景について、国立社会保障・人口問題研究所は「働き手となる若者が地方から都市部へ賃金を理由に移っている」とみている。人手不足を背景に、特定技能制度での転職が認められる者の受け入れが東京圏へ転入していることが伺える。

上位100社軍需関連販売額は100兆円  

スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)が発表した世界の軍需企業の2024年販売額に関する報告書によると、上位100社の軍需関連の販売額は前年比5.9%増の6790億ドル(約106兆円)だった。過去最高額となり、100社に入った日本企業は三菱重工業など5社で、販売額は前年比40%増の133億ドル(約2兆円)だった。上位100社のうち77社が販売額を伸ばし、米国企業が販売額全体の49%を占めている。

多重債務者、約4年で3割急増  

金融庁の調べによると、今年3月末時点で3件以上の貸金業者から借金する多重債務者は147万人に上っていた。直近で最少だった2021年3月末時点で114万人から3割も増えている。多重債務が自殺者との相関関係が見られ、2021年頃から増加しており、2024年には853人に上り、実態調査が必要としている。同庁では物価高といった経済環境の変化も視野に関係性を分析し、他省庁と連携した情報共有も図る考えだ。

1100万人、糖尿病が強く疑われる      

厚生労働省の推計によると、2024年国民健康・栄養調査で糖尿病が強く疑われる20歳以上の男女は約1100万人に上ることが分かった。調査は2024年10~11月に行われ、約1万400世帯からの回答で、血液検査で血糖状態を示すヘモグロビンA1Cが基準値以上で糖尿病が強く疑われる人は12.9%だった。これを基に、全人口に換算すると約1100万人に上り、初めて調査した約690万人から増加傾向にある。同省では「予防には食生活習慣全般の改善が重要だ」としている。

余暇関連の市場規模は75兆円に  

日本生産性本部の「レジャー白書2025」によると、観光や外食、趣味など余暇関連の市場規模は75兆2030億円だった。前年比5.6%増となったものの、宿泊費のなどの高騰で、国内観光旅行や外食といった多くの余暇活動での参加人口は減少した。また、市場規模でみると、新型コロナウイルス流行前の水準には回復したものの、過去最高だった1996年の90兆9140億円には達していない。参加人口では国内観光旅行が3年連続の首位で、動画鑑賞、外食が続いた。

社会・経済の動き@しんぶん.yomu第1158号

2025年度補正予算、6割は国債増発  

11月28日、閣議決定された2025年度補正予算総額は18兆3034億円だった。その歳入うち、国債の追加発行額は約6割に相当する11兆6960億円となり、昨年度の補正予算での発行額の約2倍となる。長期金利が上振れしている状況にあり、今次の国債新規発行頼みによる補正予算について、エコノミストは「財政規律は極めて緩く、責任を欠く単なる積極財政だ」と指摘している。

全国の農業従事者は約102万人に減少  

農林水産省は全国の自営農業を主な仕事とする基幹的農業従事者は102万1千人だったと2025年農林業センサスで発表した。前回調査の2020年時点から34万2千人減少した。減少率は25.1%となり、1985年以降で過去最大だった。農業の担い手が減少する背景について、資材高騰や猛暑の影響から高齢者を中心に離農や廃業が加速したことが要因だと同省では指摘している。基幹的農業従事者の平均年齢は0.2歳下がり、67.6歳だった。

2024年度、約7割の病院が赤字  

厚生労働省の2024年度医療経済実態調査によると、病院のうち67.2%が赤字だったことが判明した。病院の収益から給与や材料費などの費用を差し引いた利益が収益に比べどれほどあるかを示す医業利益率の平均はマイナス7.3%で赤字だった。病院の種類別にみると、全ての種類の病院で半数以上が赤字で、最も高かったのは、一般病院が72.7%、精神科病院が66%、療養型病院が53%となっている。同省では「物価・人件費・物件の伸びが費用面を押し上げ、赤字要因の1つだ」としている。

中企庁、賃上げ試算サイトを開設  

中小企業庁は10月下旬に経営者が従業員の賃上げに要するケースに応じてその原資となる利益を確保するために試算できるサイトを開設した。サイトでは従業員数や時給引き上げ額を入力すると、どれだけ原資となる利益を伸ばす必要があるかを自動で算出する仕組み。また、サイトには中小企業が利用できる補助金や人材支援制度の一覧も掲載し、賃上げを促進する内容となっている。同庁では「人件費がいくら増えるかを想像しやすい」と利用を呼び掛けている。ただ、賃上げに伴って増加する社会保険料などの費用は含まれていない。

中小企業の価格転嫁率は53%  

中小企業庁は中小企業がコスト上昇分を価格に転嫁した割合を示す価格転嫁率は53.5%だったと発表した。2021年9月に調査を開始して以降で最も高かった。今回の調査では都道府県別の価格転嫁率を初めて公表しているが、島根県が58.6%で最も高く、岩手県が45.5%で最低だった。価格転嫁が必要な中小企業のうち、一部でも転嫁できた企業は83.2%で、このうち全額を価格転嫁できた企業は27.3%にとどまり、一方で価格転嫁できなかった15.8%に上っている。

世界の紛争での犠牲、約24万人  

英国のシンクタンクである国際戦略研究所(IISS)は世界の武力紛争に関する報告書で、昨年7月~今年6月までの1年間で紛争による犠牲者は23万9587人に上ったと発表した。犠牲者は前年同期比23%増加している。ロシアのウクライナ侵攻やパレスチナ自治区のガザの戦闘、スーダンやミャンマーの内戦の死者が半数以上を占めている。IISSは民間人への攻撃や人道支援物資の輸送妨害、民間のインフラ破壊など戦争犯罪に相当する行為が顕著になっていると訴えている。

 デジタル競争力、日本は30位      

スイスの国際経営開発研究所(IMD)が発表した「2025年版世界デジタル競争力ランキング」によると、日本は世界の主要な69カ国・地域で30位だった。IMDがデジタル領域の「知識」「技術」「将来への備え」の3分野について採点し、順位付けしたもので、日本は科学への取り組みなどで評価を高め、前年から順位を1つ上げた。先進7カ国ではイタリアを日本は上回ったものの、欧米やアジアの先進地との差は依然として大きい。首位はスイスで、2位にアメリカ、3位にシンガポールだった。

東宝、映画「国宝」興行収入が歴代1位  

東宝は映画「国宝」の興行収入が173億7千万円になったと発表した。これまで邦画実写作では歴代最高だった「踊る走査線 レインボーブリッジを封鎖せよ!」の173億5千万円を超え、22年ぶりに歴代興行収入1位となった。興行通信社のまとめでは、全体でのランキングではアニメ映画「鬼滅の刃 無限列車編」(歴代興行収入1位)や洋画「タイタニック」(同4位)などのベスト10に続き、「国宝」は歴代11位となった。

社会・経済の動き@しんぶん.yomu第1157号

長期金利、1.8%に急上昇  

11月20日の東京債券市場で長期金利の代表的な指標となる新発10年物国債の流通利回りが1.800%となった(債券価格は下落)。前日終値比0.035%高くなり、2008年6月以来、約17年半ぶりに高水準となった。背景には、現内閣の財政政策が日本の財政悪化になるとの見通しから、国債が売られ、長期金利の上昇の流れが続いている。これから2026年度予算編成時期にあり、財政硬直化を招くのではないかとの危惧が拡がっている。

7~9月期GDPは年率マイナス1.8%  

内閣府は2025年7~9月の国内総生産(GDP)は実質で前期比マイナス0.4%だったと発表した。年率換算すると、マイナス1.8%となり、6四半期ぶりにマイナスに転じた。GDPの半分を占める個人消費は物価高の影響はあったものの、猛暑の影響で飲料が伸びたことに加え、夏休みシーズンで外食が好調だったことなどから、プラス0.1%となった。一方、輸出ではアメリカの高関税政策から自動車の減少が響きマイナス1.2%となった。

自社株買い、過去最高の約15兆円に  

金融情報サービスのアイ・エヌ情報センターの調べによると、企業が自社の株式を買い戻す、いわゆる「自社株買い」の実施額は2025年10月末時点で14兆9866億円に上ることが分かった。2015年の自社株買いの実施額は4兆8189億円だったが、2024年度には14兆8635億円まで膨らみ、本年度はあと2ヵ月を残して前年度を上回り、年間ベースで過去最高となった。企業の自社株買いの背景には、2015年に株主重視の経営を求めた「コーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)」で株主重視の経営を求めたことが挙げられている。

外国人者数、10年で2倍は10道県に  

共同通信社が2015年と2025年それぞれの住民基本台帳人口をもとに都道府県別に調査したところ、それぞれに暮らす外国人は10道県では2倍超に達していることが分かった。外国人住民の増加は47都道府県で見られ、10年前と比較して1.78倍に上った。最も高かったのは半導体産業が集積する熊本県で、2.92倍まで拡大している。次いで、北海道(2.87倍)、鹿児島県(2.82倍)、沖縄県(2.64倍)、宮崎県(2.63倍)で続いた。

日本の温暖化対策は64カ国中57位  

ドイツの環境シンクタンク「ジャーマンウォッチ」が発表した世界の64カ国・地域の温暖化対策を評価したランキングで、日本は40.95点となり、順位では57位だった。温室効果ガスの排出削減目標が不十分だったと指摘している。ランキングでは十分な対策に取り組んでいる国はないとして、1~3位は該当なしとし、トップにあたる4位には洋上風力の導入を評価し、デンマークが挙げた。パリ協定から離脱した米国は65位、温室効果ガス排出が世界1位の中国は54位だった。

女性への暴力被害は8.4億人  

世界保健機構(WHO)が発表した女性への暴力に関する報告書によると、世界で15歳以上の女性の8億4千万人が夫や恋人から暴力を振るわれたり、他人から性的暴力を受けたりしたことがあると推計が明らかになった。世界で女性の約3分の1に相当するとされ、過去20年間、状況はほとんど改善していないと指摘している。WHOは「最も対処が進んでいない問題の1つだ」と指摘しつつ、「女性にとって安全な世界は全ての人にとってより良い世界だ」と早急な対応を呼び掛けている。

 がん生存率、胃・大腸等は依然低く      

厚生労働省の研究班が発表した2012~2015年にがんと診断された人の5年生存率によると、15歳以上の5年生存率は胃が63.5%男性64.4%、女性61.4%)だったほか、大腸が67.2%(男性68.1%、女性66.0%)と依然低いことが分かった。一方、約30年前と比較すると、多発性骨髄腫や悪性リンパ腫をはじめとするがんの生存率は15.5~34.9ポイント高まり、生存率の向上が見られた。

インフルエンザ、警報レベルに拡大  

厚生労働省の発表によると、全国の定点医療機関から報告されたインフルエンザの直近1週間(10~16日)の患者数は1カ所当たり37.73人だったことが明らかになった。前週から約1.7倍に増え、昨年の流行期から5週早い警報レベルの30人を超えている。都道府県別にみると、最多は宮城の80.02人で最も多く、埼玉(70.01人)、福島(58.54人)、岩手(55.90人)、神奈川(55.12人)が続いている。

社会・経済の動き@しんぶん.yomu第1156号

上半期経常黒字、過去最大の17.5兆円  

財務省が発表した2025年度上半期(4~9月)の国際収支速報によると、経常収支は17兆5128億円の黒時だった。前年同期比14.1%の増加で、年度半期ベースとしては1985年以来、過去最大となった。原油価格の下落から輸入額が減り、訪日客の消費が好調だったことが寄与している。上半期の貿易収支と併せて発表された9月単月の経常収支は4兆4833億円の黒字となり、8カ月連続で黒字となった。

2026年3月期、上場企業は約8%減益  

SMBC日興証券が最上位市場プライムに上場する3月期決算企業を中心に2025年9月中間決算を開示した503社のデータを集計し推計したところ、上場企業の2026年3月期の純利益合計は前期比7.8%減となる見通しにあることが分かった。米国の高関税政策で自動車を始めとする製造業や海運や小売りなどの非製造業で減益が目立っている。製造業が5.4%減、非製造業で11.9%減としている。同社では「米関税政策の緩和や今の円安が続けば上場企業の純利益見通しは増益に転じる可能性がある」としている。

上場73地銀の8割、純利益が前年比増  

東京証券取引所に上場する地方銀行・グループ73社の9月中間決算によると、59社の純利益が前年同期から増えていることが分かった。全体の約8割となる地銀の純利益が増えたことになり、赤字の地銀はなかった。73社の純損益は単純合算すると、前年同期比約27%増の8873億円だった。一方、減益となった地銀等は13社で、背景に預金金利の上昇により支払利息が増えたことや融資先の倒産に備えた与信関係費用の増加が挙げられている。

コメ平均価格、過去最高値を更新  

農林水産省は直近1週間に全国のスーパー約1千店舗で販売されたコメ5キロ当たりの平均価格は前の週から81円上がり、4316円だったと発表した。今年5月中旬に記録した4285円を上回り、半年ぶりに最高値を更新した。値上がり要因として新米価格の高止まりが挙げられている。ただ、一方では2025年産米の収穫量が高い水準となる見込みで、向こう3カ月は値下がりするとの調査結果もあり、コメ価格の先行き動向が注目されている。

大卒者の就職内定率、5連続で7割超に  

厚生労働省と文部科学省との調べによると、10月1日時点での来春大学卒業予定で就職を希望する大学生の就職内定率は73.4%だったことが明らかになった。前年同期比0.5ポイント増で、5年連続で70%台となった。男子は71.5%、女子は75.8%、文系は73.4%、理系は73.6%となっている。また、地域別にみると、関東地区が81.1%で最も高く、中部地区(75.7%)、中国・四国地区(75.0%)が続いた。

化石燃料のCO2排出、2025年は最多  

イギリスのエクセター大などの国際チームのまとめによると、2025年の石炭や石油など化石燃料由来の二酸化炭素(CO2)排出量は世界で381億トンに上り、過去最多を記録するとの推定を発表した。前年水準から1.1%の増加で、パリ協定で定めた気温上昇を産業革命から2030年度までに1.5度に抑える目標が達成できない状況にある。化石燃料由来のCO2排出が最多だったのは中国の123億トンだった。天然ガスから排出が増え続けている米国は前年比1.9%増50億トンだった。

 20代社員の約半数が「推し活」      

就職情報会社のマイナビが正社員を対象にした調査によると、20代正社員の49.2%がアイドルやキャラクターなどの「推し活」をしていることが分かった。押し活は特定の対象を応援する活動を指すもので、商品の購入や催事への参加、情報発信を行うなど様々な対応が行なわれている。推す相手は「アイドル」が最多で、「アニメ・アニメキャラクター」が続いている。推し活をしていると答えた人の8割近くが「私生活が充実した」、そして6割が「推し活のために仕事を頑張っている」と考えていた。

朝食抜きは骨折リスクが高まる  

奈良県立医科大学の研究グループは、朝食を抜いたり、夕食を遅い時間に摂取したりする習慣は骨粗しょう症に関連する骨折のリスクを高めると発表した。研究グループが2014~22年に健康診断を受けた20歳以上の約1100万人のうち、骨粗しょう症がない約93万人のデータから、骨粗しょう症関連の骨折リスクと生活習慣との関連を調べたもの。分析の結果、骨折リスクは週3回以上朝食を抜く人が18%、週3回以上就寝前2時間以内に夕食を摂る人で8%、それぞれ多かった。

社会・経済の動き@しんぶん.yomu第1155号

民間予測、7~9月期GDPは年2.5%減  

民間シンクタンク10社による2025年7~9月期の実質国内総生産(GDP)速報値予測によると、10社平均は前期比0.6%減となり、年率換算では2.5%減となることが明らかになった。大幅な減少となった背景には、トランプ米政権による高関税政策により、輸出の減少で大きな下押し要因になると分析している。関税率引き下げなど好条件で日米双方での合意がなされたものの、自国ファーストを掲げ米政権だけに依然として不確実性が残ると懸念されている。

2025年、出生数70万人割り込む可能性  

厚生労働省の人口統計によると、2025年上半期(1~6月)に生まれた赤ちゃん数は31万9079人だった。前年同期比3.3%減となり、少子化に歯止めがかからない状況にあり、下半期が同ペースで推移すると、通年で70万人を割り込む可能性が高いと見られている。一方、同期の死亡者数は全同期比2.9%増の82万3343人となり、自然減は50万4464人となっている。少子化、人口減社会への流れに歯止めがかかっていない状況にある。

7~9月期年金運用、14兆円超の黒字  

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は7~9月期の運用実績が14兆4477億円の黒字だったと発表した。GPIFの運用資産別にみると、国内株式が7兆484億円、外国株式が6兆3363億円、外国債券が1兆9389億円とそれぞれ黒字となった。一方、国内債券は9059億円の赤字となっている。市場運用をスタートとした2001年度からの累積収益額は180兆1843億円となっている。

2024年の温室効果ガス排出は最多に  

国連環境計画(UNEP)は2024年の世界の温室効果ガス排出量は前年比2.3%増加し、過去最多となったと発表した。二酸化炭素換算で577億トンになるとしたうえで、対策を強化しなければパリ協定で1.5度に抑えることができずに、今世紀中に2.8度上昇すると報告書に明記した。2024年に排出量が多かったのは、中国の156億トンで、米国(59億トン)、インド(44億トン)、欧州連合(32億トン)が続いた。UNEPは「国際社会は対策を加速できるが、政治的意思が欠けている」と厳しく指摘している。

税金の無駄は前年下回るも約540億円  

会計検査院は2024年度決算検査報告書で税金の無駄遣いを指摘する事業は319件、金額にして約540億8100万円だったと公表した。件数と金額は前年を下回ったが、検査院は国民生活の安全性確保や防衛、デジタルなど多岐にわたる対象分野で指摘した。会計検査院の原田院長は「国の財政健全化が課題となっている中、国民の税金を原資としている行財政活動全般について引き続き厳正かつ公正に検査を行う」と検査院の使命を強調している。

86%が社会保険料の負担が重い  

日本世論調査会の社会保障に関する世論調査によると、医療や介護、年金などの「社会保険料負担が重い」と感じる人は「ある程度」を含め86%に上っていることが分かった。負担感の背景には、少子化により現行制度を支える負担が増していることがある。5年前の2020年調査では負担感を抱く人は83%で、依然として「負担感」を抱く向きが多かった。医療や介護サービスを拡充すると社会保険料の負担が増すが、サービス拡充に関しては「現状維持」が73%だった。

働く人の6割超、ハラスメントを経験      

総合人材サービス会社「エン」が働く人約2千人を対象にしたアンケート調査で、63%が職場でハラスメントを受けた経験があることが分かった。そのうち、31%が「誰にも相談していない」と答え、その理由を尋ねると「解決にならないと思った」が最多だった。ハラスメントを受けた内容を尋ねたところ(複数回答)、「パワハラ」が最多の90%で、「セクハラ」(21%)、「カスハラ」(19%)、「マタハラ」(3%)が続いた。ハラスメントでの企業対応で求めることは(複数回答)、「相談窓口の設置」が最多の43%だった。

クマ出没、初めて2万件を突破  

環境省の発表によると、今年度上半期(4~9月)の全国でのクマの出没件数は2万792件に上り、統計が残る2009年度以降で最悪となった。出没件数を明らかにしていない北海道を加えると、さらに多くなる。また、捕獲数は6063頭(北海道を含む)となり、前年度の5345頭を超えている。クマの異常出没件数について、同省は「堅果類(どんぐり)の凶作等により、秋にクマ類が市街地に出没」としている。猛暑という異常気象がもたらしたものと考えられる。

社会・経済の動き@しんぶん.yomu第1154号

住民に占める外国人、27市区町村で1割  

今年1月時点で、全国の自治体のうち13都道府県の27市区町村で住民に占める外国人の割合が1割を超えていることが分かった。全国平均は3%となる。外国人比率の高い自治体は工業地帯や観光地などが目立ち、日本人の人手不足により、外国人が地域産業の担い手として定着している。昨年末時点での在留外国人は376万人で前年比25万人増加しており、過去最大の伸びとなっている。比率が最も高い北海道占冠村だが、住民1590人に対し外国人は582人で、全体の36.6%を占めていた。

東証終値、初めて5万円を超える  

10月27日、東京株式市場で日経平均株価は終値で5万512円32銭となり、初めて5万円を突破した。米中貿易摩擦が激化するとの見方から一転するともに、日本の新政権への経済政策への期待から株価が急上昇した。平均株価の変遷をみると、バブル経済期の1989年末に3万8915円となった。以来、「日本経済の失われた30年」と言われる長期低迷に入り、2009年3月には最安値の7054円を記録し、以来、上昇基調に転じてきていた。

給料等の増加、85%が「実感がない」  

日本世論調査会の「暮らしと経済」に関する世論調査によると、給料やボーナスの増加は85%が「実感がない」と回答していることが分かった。今後の就業者全体の賃上げは59%が「続かないと思う」と答え、先行きに悲観視する声が過半数を超えていた。一方、今の景気が悪くなっていると答えた人は83%に達した。賃上げに「実感はない」と答えるとともに、物価高に苦しむ国民の実態が浮き彫りとなった。

JR東日本、地方36線で790億円の赤字  

JR東日本が発表した地方路線の2024年度収支状況によると、開示した36路線71区間の全てで赤字だった。運輸収入は約62億円で、営業費用は約853億円で、収支は約790億円となる。前年度より約33億円増加している。前年度よりコロナ後の移動重要回復やインバウンドの増加により24区間で収支が回復しているが、依然として多くの区間で収益悪化している状況にある。収支率が最低だったのは陸羽東線の鳴子温泉―最上間で、100円の収入を得るのに2万2360円の費用を要していた。

昨年度法人税額、過去最高の18兆円超  

国税庁の発表によると、2024年度の申告法人税額は前年度比7.6%増の18兆7139億円となり、過去最高を記録した。これまで最高だった1989年度を上回ったが、当時は法人税の基本税率40%で現在の23.2%より上回っていた。昨年度は法人の申告所得額は前年度比4.1%増の102兆3381億円となり、4年連続で過去最高を更新している。業種別にみると、インバウンド(訪日客)需要を反映し、料理・旅館・飲食店業が前年度38.5%増と最も高かった。

小中校の不登校、過去最多の35万人超  

文部科学省の調査で、2024年度の不登校の小中生は約35万4000人に上ることが明らかになった。小中生の不登校は12年連続で増加し、過去最多を更新している。また、小中高校や特別支援学校でのいじめ認知件数は4年連続増の76万9000件を超え、過去最多となった。同省では「ネット上のいじめなど見えにくい案件が増え、重篤化したところで初めて分かるケースが増えてきている」として、早期発見・早期対応の課題があるとしている。

全国の女性社長、過去最多の68万人    

東京商工リサーチの調べによると、2025年7月現在の女性社長は全国の女性社長は68万4669人に上り、過去最多に上ることが分かった。全社長の15.6%を占め、同社が調査を開始した2010年から15年間で3.2倍に増えている。都道府県別にみると、東京都が最多で17万5258人で、最少は島根県の1768人だった。同社は「政府や自治体は女性社長へのビジネス支援だけでなく、介護や育児のほか、少子化対策などとリンクした社会環境や周囲の意識改革への支援も必要だろう」と指摘している。

5~9月、熱中症での搬送は10万人超  

総務省消防庁は5~9月に全国で熱中症による救急搬送されたのは10万510人だったと発表した。10万人を超えたのは過去最多で、2015年以降で初めてとなる。梅雨明けが例年より早かったことや記録的な猛暑が影響したとしている。とくに6月が前年比2.4倍の1万7229人で過去最多となっている。気象庁によると、リスクが高まった際に注意喚起を促す「熱中症警戒アラート」は過去最多の延べ1749回発表されている。

社会・経済の動き@しんぶん.yomu第1153号

創設80年の国連、組織のスリム化  

創設80年となる国連は深刻な資金不足を背景に、職員のリストラや関連機関の統廃合などの組織のスリム化を推進している。背景には、資金拠出トップだった米国が拠出金を大幅に削減したことで、国連は深刻な資金不足に陥ったことが挙げられている。2025年の国連の当初予算は約37億ドル(約5600億円)だったが、分担金上限の22%支払う米国が分担金の支払いを止めたため、国連は組織のスリム化で難局を凌ぐことを加盟国に提案している。

2カ月でコメ政策を転換、来年は減産へ  

政府は2026年産主食用米の生産量目安を711万トンとする方針が分かった。今年の収穫量見込みの748万トンから大幅な減産となる。背景には、供給過剰でコメ価格が下落するとの生産者の懸念から減産へと舵を切った。2ヵ月前には増産への方針から減産へ一転した形になり、消費者にとっては供給が減り、コメ価格米の高止まりとなることが懸念されている。2026年産米の需要見通しは今年と同じ水準の694~711万トンとし、生産量の最大値の711万トンに設定するとしている。

9月の全国消費者物価指数、2.9%上昇  

総務省は9月の全国消費者物価指数(2020年=100)が生鮮食品を除き111.4だったと発表した。前年同月比2.9%の上昇で、伸び率の拡大は今年5月以来4か月ぶりとなる。品目別にみると、電気代が3.2%、都市ガス代が2.2%と、エネルギーが前年同月比2.3%の上昇となった。また、生鮮食品を除く食料が前年同月比7.6%の上昇だった。2%の物価目標を掲げている日銀が追加利上げを年内または年明け早々に行うとの見方が拡がっている。

大卒3年以内離職、依然として3割台  

厚生労働省の発表によると、2022年3月に卒業し就職した人のうち仕事を辞めた割合は33.8%だった。前年比1.1ポイント減と4年ぶりに減少したものの、依然として3割台が続いている。同省では「人手不足を受けた各企業での待遇改善策が奏功したのではないか」とみている。産業別にみると、宿泊・飲食サービス業は55.4%と最も高く、規模別では5人未満が57.5%だった。また、高卒者で3年以内の離職者は0.5ポイント減の37.9%だった。

都内の新築マンション価格、1億3千万円  

不動産経済研究所が発表した2025年度上半期(4~9月)の東京23区での新築マンション1戸当たり平均価格は1億3309万円だった。前年同期と比べ20.4%の上昇で上半期としては3年連続で最高を更新した。背景には工事費や土地代の上昇が挙げられている。首都圏(1都3県)でも前年比19.3%上昇の9489万円となり、3年連続で最高値を更新している。同社では「今後も価格は緩やかに上がっていく」とみている。

第1子、18歳までの費用は2170万円  

国立成育医療研究センターは第1子を18歳まで育てるのに約2170万円の費用がかかるとの調査結果を発表した。同センターは第1子が0~18歳の母親を対象にしたもので、結果、0~18歳の18年間の子育て費用は2172万7154円だった。子どもの年齢別にみると(貯金・保険を含む)、未就学児は年89~110万円、小学生は114~131万円、中学生は156~191万円、高校生は181~231万円だった。同センターでは「収入が低い世帯ほど生活費の割合が高くなっている傾向がある」として、子育て世代への経済的支援のあり方を検討すべきだとしている。

子ども自殺、過去最多の529人    

厚生労働省の自殺対策白書によると、小学生から高校生の自殺者数は過去最多の529人に上ることが分かった。2024年に自殺した人は2万320人で、このうち15~29歳の自殺者は3000人以上で、若者の自殺者が増えている状況にある。若者自殺は無職者での自殺死亡率が高く、原因では「病気(うつ病)の悩み」の割合が高かった。有職者でも「病気(うつ病)の悩み」のほかに、「職場での人間関係」といった仕事上の問題も多かった。

認知症、7割超が「家族の負担が心配」  

内閣府が行なった世論調査で、自分が認知症になった場合に不安に感じることを尋ねたところ(複数回答)、74.9%が「家族に負担をかける」と答えていた。次いで、「できていたことができなくなる」(66.2%)、「家族や大切な思い出を忘れてしまう」(51.1%)、「周りの人に迷惑をかけてしまう」(49.5%)が続いた。同省では「認知症の人や住民が集う認知症カフェなど交流の場を増やし、不安を和らげたい」と話す。

社会・経済の動き@しんぶん.yomu第1152号

2025年賃上げ、過去最高1万3601円  

厚生労働省は2025年賃金引上げ実態調査で、定期昇給やベースアップによる1人当たりの改定額は前年比1640円増の平均月額1万3601円だったと発表した。賃上げ率は4.4%となり、4年連続で上昇し、1999年以降で最高額を更新している。賃上げ実施企業は従業員100人以上の民間企業で91.5%に上った。賃金改定で最も重視した点は「企業業績」が最多の41.7%で、「労働力の確保・定着」(17%)が続いた。

食料自給率、4年連続で38%  

農林水産省が発表した2024年度のカロリーベースの食料自給率は38%だったことが分かった。政府は2030年度に45%に引き上げるとの目標を掲げているが、4年連続で38%だった。カロリーベースの自給率は、コメの1人当たり消費量が増えたことや、砂糖の原料となるテンサイやサトウキビの生産量が増加したことが上昇要因として挙げられている一方、小麦の作柄が悪かったことに加え、大豆や野菜、魚介類の生産量の落ち込みが挙げられ、全体としては前年並みだった。

IMF、世界成長率を3.2%に上方修正  

国際通貨基金(IMF)は世界全体の2025年の実質成長率は3.2%と見込んでいることが明らかになった。前回予測の7月時点から0.2ポイント上方修正している背景には、トランプ米政権の関税強化による影響が想定した以上に小さく、加えて各国が報復措置を控える動きが見られたことを反映した。日本については、実質賃金の上昇が消費を下支えするとの見方から、0.4ポイント上昇の1.1%と見込んでいる。

食生活「満足」は最低水準の61%  

内閣府の国民生活に関する世論調査で、食生活に「満足している」「まあ満足している」という回答は61.6%だった。調査方法が異なり単純比較はできないものの、2008年以降でみると過去最低の水準だった。一方、「不満だ」「やや不満だ」との回答は38%で過去最高の水準だった。政府が力を入れるべき政策では「物価高対策」が最多の73%で、「医療・年金などの社会保障の整備」(64.5%)、「景気対策」(58.7%)が続いた。

1~9月訪日客、最速で3千万人突破  

政府の発表によると、1~9月に日本を訪れた外国人客は3165万500人となったことが明らかになった。通年で過去最高だった前年の約3687万人を突破するのは確実視されている。訪日外国人の急増した背景には、近年の円安傾向に加え、中国人客の増加が挙げられている。1~9月の訪日客が宿泊や買い物などで消費した額は6兆9165億円に上り、過去最高を記録した。とはいえ、オーバーリーリズム(観光公害)も問題視されるとともに、訪日客の地方分散と受入れ態勢の拡充が急務な課題である。

自動車の維持費、40年で1.8倍に  

共同通信の家計データ調査によると、直近5年間の全国の平均支出月額は1万6891円となり、40年前の1.86倍に上ることが明らかになった。近年のガソリン代や部品代、保険支出額の上昇が挙げられており、同社では維持費の増加傾向を今後も続くと見ている。この支出額には自動車重量税や自動車税・軽自動車税などの税金は含まれていない。自動車の維持費の増大は生活への大きな負担となり、今後、生活の利便性を確保する自動車だけに、負担軽減が重要な政治課題となってくるとみられる。

35~39歳女性、体力低下傾向    

スポーツ庁が行なった2024年度体力・運動能力調査の結果によると、多くの世代で体力が向上または横ばいだった半面、35~39歳の女性で低下傾向がみられたことが明らかになった。同調査は幅広い世代の体力や運動能力を把握するために毎年行われているが、1998年以降の推移で、子育て世代の女性のスポーツ実施率が低いことなどが影響したとみられる。運動・生理学の関根教授は「女性の就業率が上昇したことや、夫婦間の家事・育児分担といった様々な要因が複合的に絡んでいる可能性がある」と指摘している。

記録的猛暑から男性の日傘利用は44%  

東京都のアンケート調査によると、記録的猛暑だった今夏に日傘を利用した男性は44%と半数近くに上ることが分かった。女性は91%だったが、猛暑を契機に男性の日傘の利用が広がったとみている。日傘は「女性が使用するもの」との意識があるが、日傘を利用した男性の利用者は61%が「気にならなかった」、34%が「思っていたほど気にならなかった」と答えている。なお、日傘を使っている男女の97%は「暑さが和らいだ」と答えている。