社会・経済の動き@しんぶん.yomu第1022号

貿易収支、19カ月連続で赤字を記録  

財務省が発表した今年2月の経常収支は8977億円の赤字となったことが明らかになった。2月単月でみると、1979年以降では過去最大となった。2月の輸入は前年同月比8.3%増の8兆5524億円、輸出は6.5%増の7兆6547億円で、輸出入いずれも2月単月としては過去最大だった。貿易赤字は資源高が続いていることに加え、円安により輸入額が増えたことが背景にある。また、欧米は国内物価高対応で利上げを継続しており、日本からの輸出は低迷する流れにあり、今後も貿易収支は赤字で推移するものとみられている。

FRB融資、リーマン超えの20兆円  

米連邦準備制度理事会(FRB)は銀行に流動性を供給する融資残高が3月15日時点で1528億ドル(約20兆2千億円)になったと発表した。米シリコンバレー銀行の経営破綻を機に金融市場で不安が高まったことを受けて銀行に融資を積み増したもので、1週間前と比較して33倍に急増している。リーマン・ショック時を超える額となり、過去最高を記録している。日本の財務省と日銀は金融危機を招かぬよう、緊密な連携を図り、対応に万全を期すとしている。

家計保有の金融資産残高、過去最大に  

日銀が発表した2022年10~12月の資金循環統計によると、家計が保有する金融資産の残高は過去最大の2023兆円となっていることが明らかになった。前年同月から0.4%増で、内訳では現金・預金が2.1%増の1116兆円、株式などは5.1%減の199兆円、保険・年金などは0.1%減の536兆円だった。また、同統計で、日銀が保有する国債は過去最大の546兆9301億円となり、国債発行残高に占める割合の52.02%を日銀が保有していることになる。

一般労働者の平均月給、過去最高に  

厚生労働省の調査で、昨年の一般労働者の平均月給は前年から1.4%増の31万1800円になることが明らかになった。調査開始して以降、過去最高となった。男性の平均は34万2000円で、女性は25万8900円だったが、男女の格差は75.7ポイントで、これまでで最も縮小した。都道府県別にみると、最も高かったのは東京都の37万5500円で、最も低かったのは青森県の24万7600円となっている。

「がん」5年後生存率66.2%  

国立がん研究センターの発表によると、2014~2015年に「がん」と診断された人の5年後の生存率は66.2%だったことが明らかになった。今回からの調査では患者一人一人が「がん」によって亡くなる確率を推計し平均値を出す「ネット・サバイバル」という算出法を採用しており、担当者は「より正確な数字になった」としている。部位別で5年後生存率をみると、前立腺がんが95.1%、乳がんが91.6%と高い一方で、小細胞肺がんが11.5%、すい臓がんが12.7%と低かった。

摘発したサイバー犯罪、過去最多に  

警察庁の統計によると、2022年に全国の警察が摘発したサイバー犯罪は前年比160件増の1万2369件となり、過去最多意を更新したことが分かった。身代金要求型コンピューターウイルス「ランサムウエア」の被害が前年比57.5%増の230件と急増しており、被害の半数が中小企業だった。被害のあった企業を業種別にみると、製造業(75件)で最も多く、サービス業(49件)、医療・福祉(20件)が続いた。被害企業へのアンケート調査で、復旧に要した期間は1か月未満が半数を占め、復旧費用は「1千万円以上5千万円未満」が最多だった。

大学生就職内定率、コロナ禍前の水準に  

文部科学省と厚生労働省の調査によると、今春卒業予定で就職を希望する大学生の2月1日時点での就職内定率は90.9%だったことが分かった。この時期での内定率が90%を回復したのは3年ぶりで、コロナ禍以前の水準を回復したことになる。文科省では「コロナの影響が落ち着き、求人が回復傾向にある」としている。男女別の内定率では、男子が1.8ポイント増の90.1%、女子が0.4ポイント増の91.8%となっている

84%が大都市と地方の格差拡大を指摘  

日本世論調査会が18歳以上の男女を対象にした世論調査で、84%の人が「大都市と地方の格差が拡大している」と答えていることが分かった。大都市と地方の格差が広がっている分野を尋ねると、「雇用・賃金」が最も多い67%で、公共交通(37%)、医療(30%)が続いた。また、政府が2014年に始めた地方活性化策「地方創生」について、79%が効果はなかったと厳しく評価していた。地方移住を増やす方策では「子育て支援などにより若い世代の移住を促す」(41%)が最多だった。

社会・経済の動き@しんぶん.yomu第1021号

1月経常収支、過去最大の赤字に  

財務省が発表した今年1月の経常収支は1兆9766億円の赤字となり、1985年以降で過去最大の赤字となったことが明らかになった。前年同月比で1兆3962億円もの赤字幅が増大した背景には、輸入額は前年同月比17.8%増と大幅な増加となり、円安やエネルギー価格の高騰で10兆45億円が大きく膨らんでいる。また、輸出額は最大貿易相手国である中国の輸出額が17.1%減となったことで、全体としては前年同月比3.5%増の6兆8227億円で小幅にとどまった。

米国2024会計年度国防費121兆円に  

米国2024会計年度(2023年10月~2024年9月)の予算編成を示す予算教書で、国防予算を前年度比3.3%増の8864億ドル(約121兆円)とするよう提案した。国防費を含む歳出総額は6兆8830億ドル(約936兆円)とするとしている。これにより赤字額は前年度比1.2%増の1兆8460億ドルに膨らむことになる。膨らむ国防費について「中国とロシアに対する強固な抑止力の維持に重点を置きつつ、北朝鮮やイランなどの脅威に対抗することも可能にする」としている。

新型コロナ「5類」変更後の5つの感染対策  

厚生労働省の専門家組織メンバーは、新型コロナの分類が「5類」に変更されることに伴い、今後も続けるべき基本的な感染対策「5つの基本」を発表した。5つの基本として示された対策は、①3密の回避と換気、②手洗い、③適度な運動と食事、④体調に不安や症状がある場合は無理をせず自宅で療養か受診すること、⑤場面に応じたマスクの着用とせきエチケットで、励行するよう求めている。メンバーは「自ら感染を防止するとともに、重症化リスクが高い高齢者に感染が及ばない配慮は重要だ」としている。

1月の実質賃金、8年8か月ぶりの下落率  

厚生労働省の1月の毎月勤労統計によると、物価上昇を加味した実質賃金は前年同月比4.1%の減少だったことが明らかになった。2014年5月以来8年8か月ぶりぶりの下落率となるとともに、実質賃金のマイナスは10か月連続となった。現金給与総額は0.8%増の27万6857円となり13か月連続でプラスとなったものの、物価上昇率がこれを大きく上回ったことになる。加藤厚労相は「物価上昇を超える賃上げに取り組み、中小企業の生産性向上などの支援をしっかり行っていく」としている。

女性の働きやすさ、日本はワースト2  

英誌エコノミストが先進国を中心とした29カ国を対象に女性の働きやすさを指標化したランキングで、日本はワースト2位となる28位だったと発表した。日本のワースト2位は7年連続。首位はアイスランドで、スウェーデン、フィンランドが続き、北欧諸国が上位を占めた。最下位は韓国で、日韓両国について同誌は「女性がいまだに家庭と仕事のどちらかを選ばなければならない状況にある」と指摘している。日本は給与の男女格差の小ささや企業の要職に占める割合も平均を大きく下回っている。

東日本大震災12年、避難者は3万人超  

戦後最悪の自然災害となった東日本大震災から12年目となったが、依然、避難者は全国47都道府県に3万884人に上ることが警察庁のまとめで明らかになった。三陸沖を震源とした東日本大震災は国内観測史上で最大となるマグニチュード9.0を記録し、巨大な津波が発生した。同庁のまとめによると、死者は1万5900人、行方不明者は2523人となり、震災や原発事故に伴う避難で体調を崩すなどで亡くなった関連死は復興庁の集計で3789人となった。

福島県産購入「ためらう」は最少の5.8%  

消費者庁が行った被災地の農林水産物に関する風評被害調査によると、福島原発事故による放射性物質を理由として福島県産食品の購入を「ためらう」と答えた割合は過去最少の5.8%となったことが分かった。福島県の隣県である岩手・宮城県産品を含めた食品購入を「ためらう」割合も過去最少の3.8%。ただ、被災県で出荷食品に含まれる放射性物質の検査が行われていることを「知らない」と答えた割合は最多を更新する63.0%に上っていた。

4割強が自衛隊増強「した方が良い」  

内閣府の世論調査によると、自衛隊の規模について「増強した方が良い」と答えた人は過去最高の41.5%に上ることが分かった。ただ「今の程度でよい」と答えた人は依然半数を超えていた。また、どのような防衛問題に関心があるかを尋ねたところ、「北朝鮮の核兵器やミサイル開発」が約7割で最多となり、「日本の防衛力」「中国の軍事力の近代化や日本周辺での活動」が続いた。防衛省では「中国や北朝鮮など周辺国の軍事力の増強によって、国民から自衛隊に寄せる期待が高まっている」と分析している。

社会・経済の動き@しんぶん.yomu第1020号

2022年出生数、初めて80万人割れ  

厚生労働省の人口動態統計によると、2022年の出生数は79万9728人となり、統計開始以来、初めて80万人を割り込んだ。国の推計では80万人を割り込むのは2033年と見込んでいたが、推計を10年以上早いペースで少子化が進んでいる実態にある。7年連続で出生数は過去最少を更新してきている。一方、死亡数の速報値では過去最多の158万2033人に上り、死亡数から出生数を差し引いた人口の自然減は78万2305人となり、過去最大の減少幅となった。

東京都区部の物価上昇、鈍化傾向に  

総務省が発表した2月の東京都区部の消費者物価指数は前年同月比103.7となり、13か月ぶりに伸びが縮小していることが分かった。政府が2月から行った電気・都市ガス料金抑制策が反映されたものとみられ、前月の4.3%上昇から下がっている。東京都区部の指数は全国の先行指数とされており、全国指数の伸びも縮小していくものとみられている。政府の電気・都市ガス料金の抑制策は2月請求分から適用され、指数の上昇率を1%程度押し下げたとみられている。

60年超原発の運転、7割が反対  

日本世論調査会が全国の18歳以上の男女を対象にした全国世論調査で、政府が原発の運転期間を最長とする現在の制度を見直し、審査などで停止していた期間の分を延長する60年超の原発を運転することに71%が「支持しない」と答えていることが分かった。また、調査で、廃炉が決定した原発の建て替えなど開発・建設推進することに対して60%が「反対」と回答していた。政府が原発を最大限活用する方針だが、92%の人が「十分に説明しているとは思わない」との考えを示した。

地方移住に6割の人が「興味がある」  

就職・転職に関する研究機関を運営するライボが20~50代の社会人を対象にした調査で、地方移住についての興味に「とてもある」「ある」「どちらかといえばある」と答えた人は60%に上ることが分かった。年代別にみると、働き盛りの30代が63%に上り、最も高かった。移住に興味がある理由を尋ねたところ(複数回答)、「首都圏より居住費が安い」が最も多い61%で、「転職をせずに地方への引っ越しができる」(55%)が続き、テレワークが日常となった現状を前提とした移住を検討する向きが見られた。

再生エネ発電、2035年に70%可能  

米ローレンスバークリー国立研究所と京大などの研究チームは、蓄電池導入や送電網整備、政策の後押しなどによって、日本で2035年に再生エネルギーの発電比率を70%まで増やすことが可能だとする分析結果を発表した。チームでは原発と併せて電力部門の90%が脱炭素化されることによって石炭火力発電は廃止できるとしている。再生エネルギーと導入や送電網の整備には38兆円の投資が必要だが、化石燃料の年間輸入額が3兆円以上減少するなど火力発電関連コストが大幅に削減され、卸電力料金は6%安くなると予測している。

保健所職員の6割が「離職」を検討  

自治体職員らで組織する労働組合「自治労」が保健所で働く職員を対象にしたアンケート調査によると、「業務の多忙」を理由に離職を検討している職員が63.9%に上ることが分かった。コロナ下の3年間で業務量の変化を尋ねたところ、「増加した」(55.3%)「やや増加した」(28.4%)を合わせた「増加」と答えたのは83.7%に上った。離職を検討しているうち、「常に辞めたい」が11.4%で、「しばしば辞めたい」が17.7%、「たまに辞めたい」が34.5%だった。

DV相談件数は過去最多の8万件超  

警察庁によると、昨年1年間に警察に寄せられたDV(ドメスティックバイオレンス)の相談件数は過去最多を更新する8万4496件に上ることが分かった。前年より1454件多く、同庁では「社会的関心の高まりから積極的な通報がなされた」と増加の背景を分析している。また、元交際相手に復讐するために、裸の写真などを流出させる「リベンジポルノ」も過去最多の1728件に上った。ストーカー相談は1万9131件で依然高い水準にある。

長寿効果、1日5千歩~7千歩が最適  

早稲田大学の渡辺助教授の研究チームの調査によると、歩くことで得られる長寿効果は1日5千歩~7千歩で頭打ちになるとの調査結果が公表された。65歳以上の男女約5千人を対象に1日の歩数と死亡リスク増減との関連を4年間にわたって調べたもので、結果、5千歩未満の場合、1千歩増えると死亡リスクが23%低下したことになり、9~10カ月寿命延長にあたるとしている。5千歩を超えるとリスクが大きく減るものの、7千歩を超えても歩いた分だけ減少した。

社会・経済の動き@しんぶん.yomu第1019号

国民負担率、2022年は47.5%  

財務省は2022年度の国民負担率は47.5%になるとの見込みを発表した。国民負担率は国民や企業が所得の中から税金や社会保険料を支払っているかを示すもので、過去最大だった前年度を0.6ポイント下回った。内訳をみると、税負担が28.6%、社会保障負担が18.8%だった。国民負担率は2012年度までは40%を下回っていたが、2013年度に40%台に突入してからは増加傾向にある。国と地方の財政赤字を加えた潜在的国民負担率は61.1%と同省では推計している。

消費者物価指数、41年4か月ぶりの上昇 41,y  

総務省は1月の全国消費者物価指数は前年同月比4.2%上昇したと発表した。上げ幅としては41年4か月ぶりとなる。食料品の値上げが相次いだことに加え、外食のハンバーガーが17.9%、ポテトチップスが16.1%、食パンが11.5%上昇した。加えて、牛乳や国産豚肉が10%の値上げ幅となったほか、エネルギー関連でも都市ガス代が35.2%、電気代が20.2%上昇している。物価高が家計への重圧となっている状況が続いている。

42都道府県の地方税収が前年を上回る  

共同通信が都道府県の2023年度当初予算案を集計調査したところ、42都道府県が前年度より地方税収が増えると見込んでいることが分かった。税収増を見込んだ42都道府県のうち伸び率は長崎の13%増がトップで、長崎のほか、岡山や茨城などが過去最高だった。地方法人2税(住民税、事業税)が40都道府県で増収となっており、新型コロナかを脱して経済活動や消費活動が回復するとの見方が広がっている。しかし、社会保障費を中心に歳出は増加傾向で、地方財政に余裕がないというのが実情だ。

マイナカード申請率、全人口の7割超に  

総務省は2月21日時点でマイナンバーカードの申請件数は約8833万件に達したと発表した。人口に対する割合は70.1%に達している。また、交付枚数は約7893万枚で、交付率は62.7%となっている。松本総務相はカード取得者にポイントを付与する「マイナポイント第2弾」の対象となるカードの申請期限が2月末までとなっていることに触れ、「延長はないので、カードを申請していない人はして欲しい」と呼び掛けている。

新築マンション、最高値の5121万円  

不動産経済研究所は2022年に全国で発売された新築マンションの1戸当たりの平均価格が過去最高値となる5121万円だったと発表した。6年連続で過去最高値を更新している背景には資材高騰による工事費が上昇したことが挙げられている。需要面では世帯収入が多い共働き家庭の増加を背景に購入意欲は衰えていないと同社ではみている。しかし、マンション購入需要を支えてきた住宅ローンの低金利政策の動向次第によっては影響を受けかねないとみられている。

国内広告費、15年ぶりに過去最高を更新  

電通は2022年の国内広告費は7兆1021億円だったと発表した。前年比4.4%増で、15年ぶりに過去最高を更新した。なかでも、ネット広告費は14.3%増の3兆912億円で、この3年間で約1兆円を積み増し、社会のデジタル化を背景にして、動画広告を中心に大きく伸びている。メディア4媒体といわれている新聞・テレビ・雑誌・ラジオを合わせた広告費は前年比2.3%減の2兆3985億円で、2021年にネット広告に抜かれ大きく引き離されている。

酪農戸数、前年同月比6.5%減に  

中央酪農会議の発表によると、昨年12月時点での酪農家の戸数は前年同月比の6.5%減の1万1202戸だったことが明らかになった。これまでは4%前後の減少で推移してきたが、ウクライナ危機や円安などにより飼料高騰が背景にあり、減少幅が拡大している。これまでも酪農家は高齢化や後継者不足を背景に減少が続いてきたが、2022年と飼料高が経営を圧迫してきたことに加え、新型コロナ禍で生乳の需要が低迷してきたことが挙げられている。

自分の認知機能が「気になる」は過半数  

伊藤忠グループの「マイボスコム」が10~70代男女を対象に行った調査によると、56.2%が「自分の認知機能が気になる」と答えていることが分かった。自身の記憶力や注意力といった認知機能について「やや気になる」が最多の42.1%で、「気になる」(14.1%)、「あまり気にならない」(13.0%)、「気にならない」(12.1%)が続いた。認知機能の維持・向上のために7割の人が「行っていることがある」と答え、具体的には「睡眠を十分にとる」「栄養バランスの取れた食事」「規則正しい生活」を挙げた。

社会・経済の動き@しんぶん.yomu第1018号

1月貿易赤字、単月で過去最大3兆円超  

財務省は1月の貿易統計で貿易収支は3兆4966億円の赤字だったと発表した。貿易赤字は比較可能な1979年以降、単月としては過去最大となるとともに、3兆円を超えたのは初めてとなる。貿易赤字は18か月連続となる。原油などの資源エネルギー高に加え、為替レートが平均で前年同月から17円余り高い1ドル=132円08銭となった円安が背景にあり、輸入が前年同月比17.8%増の10兆478億円となっている。とりわけ、中国の貿易赤字は過去最大の1兆4231億円と膨らんだ。

10-12月期GDP、年率0.6%プラス  

内閣府が発表した昨年10~12月の国内粗生産(GDP)は年率換算で0.6%のプラスとなり、2四半期ぶりのプラス成長になることが明らかになった。全国旅行支援で国内での旅行需要が増えたことに加え、コロナ感染の水際対策が緩和されたことで訪日外国人が増加したことが要因とされている。1~3月期はこの流れを受けてインバウンドやサービス消費が見込まれる一方で、国内での物価高や海外経済の減速が響き、日本経済の本格的な回復軌道への道筋には懸念が依然として立ちはだかっている。

日本全国の島、1万4千に倍増  

政府が日本全国の島を数え直した結果、総数はこれまで公表されてきた6852から1万4125に2倍強に増加する見通しにあることが分かった。国土地理院が2022年の電子国土基本図を基にコンピューターで自動計測したもので、小さいものを含め10万以上見つかったが、外周100メートル以上の島を選び出した。領土や領海の広さに変わらない見込みだが、教育現場で使われる各種資料の記述に影響が出ると見込まれている。今回の調査で1千を超えたのは長崎、北海道、鹿児島の3道県だった。

1月訪日外国人、前年比84倍の149万人  

日本政府観光局は、1月の訪日外国人数は前年同月比約84倍の149万7300人となったと発表した。前月比では7カ月連続での増加で、新型コロナウイルスの水際対策が大幅に緩和されたことが背景にある。が、中国政府による日本への旅行制限継続が響き、中国からの訪日客数は2019年1月比で95.9%減となっており、訪日客数の本格的な復活までには遠いといえる。訪日客を国地域別にみると、韓国の56万5200人が最多で、台湾(約26万人)、香港(約15万人)が続いた。

建設賃金「労務単価」5.2%引き上げ  

国土交通省は公共工事費の積算にあたって算出する建設作業員の基準賃金となる「労務単価」を全国平均で5.2%引き上げると発表した。3月から適用となり、1人当たりの日額(8時間労働)は2万2227円となる。11年連続での引き上げで、引き上げ率が5%を超えるのは9年ぶりとなる。労務単価の引き上げの背景には、事業者が人手不足を解消する上での処遇改善や、政府が主導する賃上げ機運が高まっていることに連動するものとされている。

宿泊業の8割で「人手不足感」  

帝国データバンクが全国約1万2千社を対象にした調査で、1月時点で旅館・ホテルの77.8%が「正社員が不足」と答え、81.1%が「非正社員が不足」と答えていることが分かった。飲食店でも正社員で60.9%、非正社員で80.4%が「不足」と答えていた。全業種でみると、正社員不足は51.7%、非正規社員不足は31.0%で、旅館・ホテルの宿泊業での人手不足感が突出して際立っている。同社では宿泊業での人手不足について「感染状況によって営業や収入が左右されるとの不安から働き手が戻りづらい」とみている。

輸出の花形「電気機器」、初の貿易赤字  

財務省の貿易統計によると、テレビや携帯電話など電気機器の貿易収支は2022年下半期(7~12月)に812億円の赤字となったことが明らかになった。半期ベースでの赤字は現行方式での調査データが残る1988年以降34年ぶりで初めてとなる。輸出産業の花形とも言われ続けてきた電機業界が円安にも関わらず、初めて赤字に転落した背景には、日本製品の国際競争力が低下したことに加え、生産の海外シフトが進展し日本からの輸出は減少したことが挙げられている。

介護施設の7割、夜勤16時間以上労働  

日本医療労働組合連合会が全国の介護施設を対象にした調査によると、夜勤者が16時間以上働いている施設は68.9%に上ることが分かった。日勤と夜勤の2交代制としている施設が87.4%と大半を占めていた。2交代制だと、1日8時間勤務の3交代制よりも、労働時間が長くなり、職員の心身への負担が懸念されている。同連合会では「一向に長時間労働は変わらない。人手不足、なり手不足が一番の要因だ」と指摘しつつ、労働環境の改善を訴えている。

宮古税務署からのお知らせ~インボイス制度説明会&登録申請相談会について

 消費税の仕入れ税額控除の方式として適格請求書等保存方式(インボイス制度)が令和5年10月1日から実施されます。インボイス発行事業者の登録申請は、4月以降も可能です。
 宮古税務署では「インボイス制度説明会」「登録申請相談会」を同時開催します。事前予約制で開催していますので、参加を希望される方は、申込先までご連絡ください。

健康セミナーを開催します 

 宮古法人会では、『割烹着の脳トレ漫談師 福々亭ナミ子さん』をお招きして、下記の内容で健康セミナーを開催します。
 コロナ禍の毎日ではございますが、笑って元気に健康に過ごしましょう。
 皆様、どうぞご参加くださいます様ご案内申し上げます。

〇日 時 令和5年2月21日(火)14:00~15:30
〇会 場 シートピアなあど2階研修室
〇演 題 『笑って!免疫力アップで健康の秘訣』
〇講 師 脳トレ漫談師 福々亭 ナミ子 氏
〇聴講料 無 料
〇申込先 公益社団法人宮古法人会事務局
     TEL0193-63-1214/FAX0193-63-2250
メールアドレス umineko@miyako-houjinkai.com


社会・経済の動き@しんぶん.yomu第1017号

国の借金、過去最大の1256兆円に  

政府の発表によると、2022年末時点での国債と借入金、政府短期証券を合計した、いわゆる「国の借金」は過去最大を更新する1256兆9992億円に上ることが明らかになった。このうち普通国債残高は1005兆7772億円に上り、初めて1千兆円を突破した。昨年9月末時点での「国の借金」より約5兆6千億円増えるとともに、普通国債は11兆9807億円増加している。今年1月時点での総人口で割ると、赤ん坊からお年寄りまで国民1人当たり約1007万円の借金を抱える計算となる。

昨年の経常収支黒字幅は大幅に縮小  

財務省は2022年の国際収支の経常収支は前年比47.0%減の11兆4432億円だったと発表した。経常収支は海外とのモノやサービス、投資の取引状況での損益を示すもので、昨年は原油などのエネルギー価格の高騰や円安により輸入物価が大幅に上昇したため、貿易収支が赤字に転落したことが背景として挙げられている。経常収支の黒字額は2014年以来8年ぶりの低水準に陥った。同時に発表された2022年12月の経常収支は前年同月比90.9%減の334億円の黒字となっている。

高速道路、有料期間は2115年まで延長  

政府は高速道路の有料期間としてきた2065年から最大50年間延長するための道路整備特別措置法などの関連法改正案を閣議決定した。最大で50年間延長されることにより2115年まで高速道路は現行のように有料となる。高速道路の老朽化が背景にあり、橋やトンネル、舗装を要することになるとともに、渋滞緩和を図るための2車線区間を4車線化することや自動運転に対応した高度な運行管理を図るための将来投資も見込まれている。2005年の旧道路公団の民営化時に掲げた「無料化」は撤回となる。

2022年の実質賃金、2年ぶりの減少  

厚生労働省の発表によると、2022年の働く1人当たりの現金給与総額は前年比2.1%増の32万6157円となったものの、物価変動を反映した実質賃金は前年比0.9%下回り、2年ぶりに減少したことが明らかになった。同省は「コロナの影響で落ち込んでいたボーナスが4年ぶりに増加するなど給与は増加傾向にあるものの、物価の上昇に賃金が追いついていない状況」にあるとしている。同時に発表された昨年12月の実質賃金は前年同月比0.1%増と、9か月ぶりに増加に転じている。

「たまご」価格、過去最高値を更新  

JA全農たまごの発表によると、1月末の「たまご」の卸売価格が1キロあたり305円となり、過去最高値となった。統計開始の1993年以降で最も高かった昨年12月20日の300円を上回った。鳥インフルエンザの感染拡大による殺処分が行われたことから、「たまご」の供給量が減少したことが背景にある。鳥インフルのシーズンが4月頃まで続くと見られることに加え、餌代高騰から物価の優等生と言われる「たまご」価格上昇は続くとみられる。

40~50代中高年世代の転職が増加傾向  

国の労働力調査によると、転職者数に占める45歳以上の割合は2012年の約31%から2021年には約40%に急増していることが分かった。転職者全体に占める中高年世代の割合も上昇している。リクルートが実施したアンケート調査でも40代の約半数、50代でも約4割が転職の意向を示している。背景には、人手不足に悩む企業側が即戦力となる管理職者や技術職者を求めていることに加え、コロナ禍で中高年世代が70代でも働ける職場を望む傾向が強く、自身の人生を見つめ直す向きが増えていることが挙げられている。

3年ぶりに東京都への転入超過に  

総務省は2022年の人口移動報告で、東京都は転入者が転出者を上回る「転入超過」が3万8023人だったと発表した。東京都の増加は3年ぶりで、コロナウイルスの行動制限緩和により社会経済活動が次第に再び活発化したことが背景にある。東京圏(埼玉、千葉、東京、神奈川)でみると、転入超過数は9万9519人となっている。政府は2027年度に転入者と転出者を均衡させる目標を掲げているが、残り4年での達成には厳しい道程が見込まれている。一方、転出超過は36道府県だった。

8割女性、職場で義理チョコ「あげたくない」  

調査会社のインテージが職に就いている15~75歳の男女を対象に「職場の義理チョコをどう思うか」を尋ねたところ、82.8%の女性が「あげたくない」と答えていることが分かった。年代別にみると、「あげたくない」とする回答比率は最も低い20代でも75.4%で、それ以外の世代では8~9割程度を占めていた。一方、男性では「もらってもうれしくない」が全体で61.4%を占め、40代では7割を超えていた。ただ、20代男性は「もらってうれしい」が過半数を占めていた。

社会・経済の動き@しんぶん.yomu第1016号

WHO、緊急事態宣言を継続する方針  

世界保健機構(WHO)は専門家による緊急委員会を開き、新型コロナウイルスに関する緊急事態宣言の是非や解除条件を協議した結果、2020年1月に宣言した「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を継続する方針を発表した。委員会では新型コロナウイルスが依然危険な感染症であるとの認識を基に、健康や医療に大きな被害を与えるとの認識で一致し、宣言の終了は時期尚早と判断した。宣言には法的強制力はないものの、世界各国に検査や防疫態勢の整備などを促すものである。

日銀保有の国債の評価損、3か月で10倍    

日銀の黒田総裁は衆院予算委員会で、2022年12月末時点で保有する国債に約8.8兆円の評価損が生じたことを明らかにした。日銀が12月20日に長期金利の上限を0.5%程度に引き上げることを決定したことで、国債の金利が上がって、価格が下落したことが背景にある。昨年9月末時点の評価損は8749億円だったが、3か月余りで評価損は10倍にまで膨らんだことになる。日銀は金利緩和政策を持続する上から、市中から国債を買い続け、昨年12月末時点での保有国債の簿価は約564兆円だが、評価損により時価は約555兆円となる。

2022年農林水産物輸出額、過去最高  

農林水産省が貿易統計などを基に集計したところ、2022年の農林水産物・食品の輸出額は約1兆4千億円に達することが分かった。10年連続で過去最高を更新したことになり、前年には初めて1兆円を突破している。同省関係者は、昨年は農産物・水産物など全てで過去最高を更新する見通しだとしている。農林水産物の輸出額が増加している背景には、外食需要が中国や欧米で回復傾向にあることに加え、円安が寄与している。政府は2025年に2兆円、2030年に5兆円に増やすことを目標に掲げている。

有効求人倍率、4年ぶりに改善の1.28倍  

厚生労働省は2022年平均の有効求人倍率は前年比0.15ポイント上昇の1.28倍になったと発表した。新型コロナウイルスの感染拡大で下落が続いていたが、経済活動の本格的な指導を背景に有効求人倍率は上昇したとみられるが、コロナ以前の2019年の1.6倍には届いていない。同省では「求人の回復が遅れる宿泊業や飲食サービスなど、一部に厳しさもみられるものの、緩やかに持ち直している」としている。

日ロ関係「良好」は過去最低の3.1%  

政府の外交に関する世論調査によると、日ロ関係を「良好だと思う」と答えた人の割合は3.1%で、調査開始以来最低だった。ウクライナへの一方的な侵攻が背景にあり、ロシアに「親しみを感ずる」(5.0%)、ロシアとの関係発展に関して「重要だ」(57.7%)と、いずれも過去最低となった。また、中国に関しては、「親しみを感じる」(17.8%)、日中関係が「良好だと思う」(11.0%)は前年よりも低下していた。日韓関係について「良好だと思う」は前年より10ポイント近く増加していた。

社長の平均年齢、過去最高の63歳  

東京商工リサーチは自社の企業データベース約400万社を基に社長の平均年齢を算出したところ、2022年は63.02歳だった。前年の62.77歳を上回り、過去最高。社長の年代別の企業業績は、直近決算で「増収」は30代以下が最も高い59.3%で、70代以上は最も低い42.9%で、社長の高年齢化するほど増収率が下がる傾向がみられた。また、直近決算で社長が70代以上の企業の赤字率は25.8%で、連続赤字率は13.3%で、年齢が高齢化するほど業績が悪化する傾向がみられた。

刑法犯、20年ぶりに増加に転じる  

警察庁が公表した2022年犯罪情勢によると、警察が認知した刑法犯は前年比3万3285件多い60万1389件に上ることが明らかになった。前年比5.9%の増加で、前年に戦後最少を更新したものの、一転して20年ぶりに増加に転じた。背景について、同庁では「街頭犯罪が増えており、新型コロナウイルス対策の行動制限が緩和されたことが影響している」とみている。事実、昨年は自転車盗などの街頭犯罪が14.4%増の20万1619件に上り、刑法犯の3割強を占めた。

高校生、受験前日は「そっとして欲しい」  

リクルートが全国の高校生を対象に、受験に対する不安を尋ねたところ(複数回答)、「勉強について」が最多の83.7%に上り、「健康・体調への不安」(39.1%)、「忘れ物はしないか」(23.4%)が続いた。また、「受験の前日、家族にどう接して欲しいか」を尋ねたところ、50.9%が「そっとして欲しい」と答えて半数を占めた半面、「全力で応援して欲しい」(16.1%)や「会話をして欲しい」(15.5%)、「励まして欲しい」(6.9%)という声も聞かれた。

社会・経済の動き@しんぶん.yomu第1015号

新型コロナ、法律上の位置づけを「5類」に  

政府は1月27日、新型コロナウイルスの感染症上の位置づけを現在の「2類相当」から季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げることを正式に決定した。これにより、感染対策のための外出自粛要請や大規模イベントの人数制限がなくなることになるが、政府は3月上旬をめどに引き下げ以降に伴う医療費の負担分に対する公費支援や医療体制を見直し、具体的な方針を示すとしている。ワクチン接種は必要な人に自己負担なしで受けられるようにし、マスク着用は個人の判断に任せるとしている。

国の債務超過、過去最大の約688兆円  

財務省が公表した「国の財務書類」によると、2021年度末時点で資産である約723兆円から負債の約1411兆円を差し引いた債務超過は約688兆円となることが明らかになった。負債のうち約1114兆円もの国債発行残高が約8割を占めている。債務超過の状態は14年連続で過去最大を更新してきており、累年発行を続けてきている赤字国債が予算編成の足かせになってきている。同省の試算によると、国債の利払いに充てる利払い費は3年後の2026年度には29兆8千億円に達するとしている。

財政黒字化実現、2026年度に先延ばし  

内閣府が経済財政諮問会議に示した基礎的財政収支(プライマリーバランス)の中長期の経済財政試算によると、政府が黒字化を目指してきた2025年度の収支は高い経済成長を実現すると仮定した場合でも1兆5千億円の赤字となる見通しであることが明らかになった。政府は2026年度の黒字化達成は変わらないとしている。財政試算では国内総生産(GDP)成長率を名目で3%、実質で2%程度と見込んでいるが、世界景気が不透明感を増し、日本経済にも悪影響が危惧されている中、財政収支は悪化する可能性がある。

2022年訪日客数、前年の15倍強に増加  

政府観光局は2022年の訪日客数は383万1900人となり、前年比15.6倍に増加したと発表した。3年ぶりに増加に転じた背景には、新型コロナウイルスの水際対策を段階的に緩和したことに加え、円安により訪日客が増加した。訪日客の主要な国・地域では、韓国が101万人で最多となり、台湾(33万人)、米国(32万人)が続いた。観光庁では「2025年にコロナ禍前の水準に回復したい」としている。

想定金利上げ、2026年国債費は29兆円  

財務省は将来の財政状況見通しで、2026年度に想定する長期金利を1.6%に引き上げることが明らかになった。今年度の当初予算案では1.1%を見込んでいたが、債券市場での上昇傾向がみられたことから、長期金利を引き上げた。結果、国の借金返済や利払い費に必要な2026年度の国債費は29兆8千億円となり、今年度当初予算案より約4兆5千億円多いこととなる。膨らみ続けている長期国債残高を基に、長期金利の引き上げは今後の予算編成に大きな影を落とすことになる。

63%の議長が議員の「なり手不足」感ずる  

共同通信が全国の地方議会議長を対象にしたアンケート調査で、63%が「議員のなり手不足」を感じていることが分かった。前回調査の4年前と比べ、11ポイント上昇しており、小規模自治体を中心に人口減少が進展してきており、「議員のなり手不足」が深刻化しつつある。また、調査では「議員のなり手」を増やすための有効手段を尋ねたところ(複数回答)、議員報酬の引き上げ(77%)が最も多く、議員の厚生年金制度(55%)、兼業規制の緩和(47%)が続いた。

昨年の白物家電出荷、2年ぶりにプラスに  

日本電気工業会は2022年のエアコンや洗濯機などの白物家電の国内出荷額は前年比2%増の2兆5724億円となったと発表した。2年ぶりにプラスに転じた背景には、原材料や物流費のコストが高騰したことで製品単価が上昇したことに加え、夏場の記録的な猛暑によるルームエアコンの出荷が増加したことがある。品目別にみると、ルームエアコンが1.7%増の7770億円、電気冷蔵庫が2.1%増の4483億円となった一方で、空気清浄機や電気アイロンなどは振るわなかった。

介護サービス事業、休廃業が過去最多  

東京商工リサーチは全国の介護サービス事業者のうち、倒産以外で事業を停止した「休廃業・解散」は2022年に過去最多となる495件に上ったと発表した。前年比15.6%増となり、調査を開始した2010年以来最多となった背景には、新型コロナウイルス感染拡大による利用控えや高騰する物価高、さらには介護職員の高齢化が運営の障害になったとみている。既に発表されている倒産件数と合わせると638件に上り、訪問介護や通所介護を運営する小規模事業者が大半を占めている。