社会・経済の動き@しんぶん.yomu第1094号

GDP、年率換算で初の600兆円突破  

内閣府は2024年4~6月期の名目国内総生産(GDP)は年率換算で物価上昇を背景に約607兆円となり、初めて600兆円を超えたと発表した。物価変動の影響を除いた実質GDPの実額は約559兆円で、前年同期の約563兆円を下回っている。GDPの約6割を占める個人消費だが、物価上昇による水膨れの感が否めず、成長の実感は乏しいともいえる。民間シンクタンクは7~9月期もプラス成長を見込んでいるが、個人消費の回復ペースは鈍化するとみている。

概算請求総額が過去最大の115兆円  

2025年度一般会計の予算編成に伴い各省庁が財務省に提出する概算要求総額が過去最大の115兆円となる見通しであることが分かった。防衛力強化に伴う防衛費が過去最大に膨らむとともに、高齢化の進展で社会保障費の増額が主な要因となっている。加えて、膨らみ続けている政府の借金である国債の利払い費の想定金利を日銀の金融緩和策の修正に伴う長期金利の上昇から利払い費が増えることになる。概算要求を基に12月下旬に政府が2025年度当初予算案をまとめる。

2023年度食料自給率、3年連続の38%    

農林水産省は2023年度のカロリーベースの食料自給率は3年連続で38%だったと発表した。生産額ベースでの自給率は前年度比3ポイント上昇の61%だった。カロリーベースの自給率は小麦の生産量が増えたことに加えて原料の大半を輸入に依存する油脂類の消費量が減ったものの、テンサイが病害の影響により製糖量が減少したことが挙げられている。一方、生産額ベースは畜産物や油脂類の輸入額が減少したことから、前年度より上昇した。

気象庁、初の「南海トラフ巨大地震注意」  

8月8日、震源地を南海トラフ巨大地震の想定震源域内とする宮崎県南部の日向灘とする震度6弱の地震があったことを受け、気象庁は初めて「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」を発表した。臨時情報では最大規模の地震が発生した場合、関東から九州にかけての広い範囲で強い揺れや太平洋沿岸での高い津波が想定されるとして1週間程度、注意を呼び掛けている。評価検討会の平田会長は「平時より発生する可能性が数倍高い」として、備えを呼び掛けた。

国の借金、過去最大の1311兆円に  

財務省の発表によると、国債と借入金、短期証券を合わせた政府の借金は6月末時点で1311兆421億円だったことが明らかになった。3月末時点から13兆8805億円増え、過去最大を更新するとともに、初めて1300兆円を突破した。物価高対策などに伴う歳出が拡大し、税収だけで補うことが叶わず、借金に依存する状況となっている。加えて、政府は独立行政法人などの債務を保証しており、保証債務は29兆8154億円に上っている。

熟年離婚の割合が過去最高の23%に  

厚生労働省の2022年人口動態統計で、離婚の全体件数は17万9099組で、このうち同居期間が20年以上の「熟年離婚」は3万8991組で、離婚全体の23.5%を占めている。熟年離婚はこの20年以上、4万組前後で高止まりしてきている。離婚カウンセラーの岡野厚子さんは「今や男性の平均寿命は81歳と大きく延び、子どもが独立すると、定年後に夫婦で過ごす時間が長くなり、性格の不一致などから一緒にいることが耐えられず、夫婦関係をリセットするケースが目立つ」とみている。

2026年度、介護職員は25万人不足に  

厚生労働省が公表した推計結果によると、2026年度に介護職員が全国で約25万人不足することが分かった。高齢化の進展で介護サービスの需要増加で2026年度に介護職は約240万人が必要となるものの、2022年度の実働数は約215万人で、その差を不足数としている。また、同省の推計では、2040年度には約57万人の介護職員が不足するとしている。同省では「今後も人手不足は深刻な状況が続く」とみており、「処遇改善や外国人材の受け入れを進める」としている。

サンマ初水揚げ、今年は1キロ626円  

8月16日、根室市の花咲港でサンマ約34トンが初水揚げされ、初競りで1キロ626円の値がついた。前年は過去最高額を記録した1キロ14万400円から大きく下回る価格となり、根室市内の店頭では1匹80円で販売された。漁業者は「例年より量が多く、魚体も大きく、今後に期待できる」と話し、お薦めの食べ方について「刺身」を推奨している。同日には他に棒受け網漁の大型船2隻が戻り、約36トンが水揚げされる見込みで、今秋はサンマが以前のように食卓に上りそうだ。

社会・経済の動き@しんぶん.yomu第1093号

日銀利上げを0.25%、国債購入は半減  

日銀は7月31日の金融政策決定会合で、政策金利の無担保コール翌日物金利の誘導目標を0.25%程度とする追加利上げを決定した。3月にマイナス金利の誘導目標を0~0.1%程度とするというマイナス金利政策の解除から4ヵ月を経ての利上げ決定となった。さらに、植田日銀総裁は記者会見で、「物価上昇率が想定通理であれば、一段の調整がある」として、年内にさらなる利上げを行う可能性を示唆している。また、会合では国債購入額を月3兆円程度に半減することも決定した。

日経平均株価、史上最大の下げ幅に  

8月5日の東京株式市場の日経平均株価は3万1458円42銭で取引を終え、前日比4451円28銭安となった。下げ幅は1987年の米国株式相場が大暴落した、いわゆるブラックマンデーの翌日に記録した3836円下落を超える、史上最大の大きさとなった。下落となった背景に、米景気減速が日本経済に悪影響を及ぼす懸念が広がったことに加え、外国為替市場での円高進行から国内の輸出企業へのダメージが強いとの懸念から幅広い銘柄で売りが先行した。

コメ在庫、25年ぶりに過去最少に  

農林水産省は2024年6月末時点での主食用米の民間在庫量は156万トンだったと発表した。前年同期から約2割に当たる41万トン減少し、1999年以来25年ぶりに過去最少となった。背景には、2023年米が高温障害で収穫量が減ったことに加え、インバウンド需要で消費が拡大したことが挙げられている。今年も猛暑が続き、品質低下で流通量が落ち込む懸念がある。加えて在庫減少が長引くことになれば、コメ価格の高値水準での推移ともなりかねない。

直近1年間のカスハラ被害、企業の15%  

帝国データバンクが企業を対象に直近1年間のカスタマーハラスメント被害の有無を調査したところ、被害があった企業は全体の15.7%に上ることが分かった。業種別にみると、小売業が34.1%で最も多く、金融業が30.1%、不動産業が23.8%、サービス業が20.2%で続いた。一方、「どこまでの発言・行為がカスハラに該当するのか不明で判断しづらい」との意見もあった。同社では「カスハラの基準を明確にし、許さない雰囲気を醸成することが重要だ」としている。

ガソリンスタンド、29年連続での減少  

経済産業省の発表によると、2024年3月末時点での全国のガソリンスタンド(給油所)は前年同月比2.0%減の2万7414カ所となることが分かった。減少は29年連続で、背景に過疎化の進展や自動車の燃費改善などでガソリン需要が縮小してきていることや後継者不足が挙げられている。減少幅が最も大きかった都道府県では、熊本の4.9%減で、佐賀(4.4%減)、鳥取(3.0%減)が続いた。

男性の育休取得率、初めて30%超に  

厚生労働省は2023年度雇用均等基本調査で、男性の育児休業取得率は30.1%だったと発表した。11年連続での上昇で、前年度の17.1%から急増し、初めて3割を超えた。事業所の規模別に男性の育児休業取得状況をみると、従業員が500人以上は34.2%だったが、5~29人は26.2%にとどまっており、同省では「中小企業では人繰りや就業規則の改定作業が支障になっている可能性」を指摘している。政府は民間企業の男性育休取得率を2025年までに50%とする目標を掲げている。

再訪したい国、「日本」が首位に輝く  

電通が観光で再訪したい国を尋ねた調査で、日本が世界首位となる34.6%だった。2位にはシンガポール(14.7%)、米国(13.0%)、韓国(10.5%)だった。日本を訪れたいでの期待では「多彩なグルメ」が最も多い28.6%で、「他国と異なる独自の文化」(27.9%)、「他国にない自然景観」(25.6%)が続いた。都道府県別の認知地名は東京(55.6%)、大阪(46.4%)、京都(43.3%)だった。同社は「人気の地域に人出が集中する傾向にあり、各地の底上げが求められる」と指摘している。

余暇の過ごし方、「国内旅行」が最多  

日本生産性本部は2023年の余暇の過ごし方を調査した「レジャー白書2024」で、1位に2年連続で「国内観光旅行(日帰りを含む)」が48.7%で最多だった。コロナ禍前の2019年水準である54.3%には届かないものの、国内旅行の平均費用は前年から約3万円増の約13万3千円だった。2位には前年の4位から順位を上げた「外食」(39.2%)となり、「動画鑑賞」(37.0%)、「読書」(36.3%)、「音楽鑑賞」(34.5%)が続いた。

社会・経済の動き@しんぶん.yomu第1092号

日本人の人口は過去最大86万人減  

総務省は人口動態調査で今年1月1日時点での外国人を含む総人口は1億2488万5175人だったと発表した。前年比約53万人下回っており、日本人に限定すると1億2156万1801人となり、約86万1千人減少している。15年連続での減少。死者数が過去最多の約158万人で、出生者が最少の約73万人だった。都道県別に日本人を見ると、東京だけが0.03%増となり、減少率が最大だったのは、秋田の1.83%で、青森(1.72%減)、岩手(1.61%減)が続いた。

コロナ、8~9月流行拡大を感染研が予測  

国立感染症研究所は新型コロナウイルスの流行が8~9月にかけて拡大するとの予測を厚労省のヒアリングで明らかにした。現在、感染の主流である変異株「KP・3」は重症化リスクが高まっているとのデータはないが、感染研では「感染したことがある人やワクチン接種者など、免疫がある程度ある人も感染の可能性がある」と指摘した。また、武見厚労相は「昨年を上回る形で感染者が増加しており、熱中症と併せて警戒すべきだ」と呼び掛けている。

2025年度基礎的財政収支、黒字化に  

政府は7月29日開催される経済財政諮問会議で示す国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)の中長期試算で2025年度に8千億円の黒字になるとの見通しであることが分かった。前回1月に示した試算の赤字見込みから一転して黒字化になるとの試算の背景には、物価高や企業業績が堅調なことから税収増になると見込んでいる。ただ、政府は今秋に2024年度補正予算編成で経済対策をまとめるだが、補正予算の規模が膨らめば、2025年度の財政黒字化は遠のく懸念がある。

2024年度最低賃金、全国平均1054円  

中央最低賃金審議会の小委員会は2024年度の最低賃金の全国平均を時給1054円とする目安額を取りまとめた。引き上げ幅は現在の1004円から50円となり、引上げ幅は2023年度の43円を上回り、過去最大となる。目安額は経済情勢に準じ、47都道府県をA~Cの3区分ごとに設定されるが、上げ幅は大都市部のAランク、地方部を含むB・Cランクともに50円となる。今後、都道府県ごとの地方審議会において、目安額を参考に決定され、10月以降、順次適用されることになる。

7月21日の世界平均気温、史上最高に  

欧州連合(EU)の気象情報機関「コペルニクス気候変動サービス」の発表で、今年7月21日の世界平均気温は17.09度となり、1940年以降の観測で史上最高を更新したことが明らかになった。これまで最高だった2023年7月6日の17.08度を上回っている。月単位での世界平均気温は今年6月まで13カ月連続で最高を更新。背景には、人類の活動による気候変動とエルニーニョ現象の影響が挙げられている。同機関では「今後の数か月、数年間で新たな記録が更新される」と推測している。

日本人女性の平均寿命、39年連続首位  

厚生労働省の発表によると、2023年の日本人の平均寿命は、女性が87.14歳、男性が81.09歳だったことが分かった。女性は39年連続で世界1位となり、男性は前年の世界4位から5位となった。また、平均寿命は前年比で、女性が0.05歳、男性が0.04歳延びていた。同省では前年から平均寿命が延びた理由について「昨年の新型コロナウイルスによる死亡者数が前の年と比べ1万人ほど減っていることが影響している」とみている。

ふるさと納税、初めて1兆円を超える  

総務省の集計によると、ふるさと納税制度による寄付総額が2023年度に初めて1兆円を超えたことが明らかになった。ふるさと納税制度の利用者も過去最多の1千万人規模に達する見通し。寄付額や利用者の増加の背景には、住民税が軽減されることに加え、返礼品目の充実や仲介サイトによる特典が付与されたことが挙げられている。2008年度が始まったふるさと納税制度だが、2018年度に5千億円を突破し、2022年度は9654億円と順調に伸びてきている。

1人の「単独世帯」割合、最高の34%  

厚生労働省が公表した2023年国民生活基礎調査によると、昨年6月1日時点での全国の世帯数は5445万2千世帯で、このうち1人の「単独世帯」は最多の1849万2千世帯で、全体に占める割合は34.0%だった。単独世帯は2001年に1101万世帯だったが、約20年近くで約1.7倍に増加した。65歳以上の高齢者約3953万人の家族形態をみると、「夫婦世帯のみの世帯」1593万8千人と最も多く、「子と同居」「一人暮らし」が続いている。

社会・経済の動き@しんぶん.yomu第1091号

IMF、2024年世界経済成長率は3.2%  

国際通貨基金(IMF)は世界経済見通しで、今年の世界全体の実質成長率を3.2%とした。日本は4月時点の予測から0.2ポイント下方修正の0.7%とした。IMFは「米国と中国などの貿易摩擦の激化が経済に与える悪影響を及ぼす」との懸念を示すとともに、「今年の選挙結果で経済政策が大きく揺れ動く可能性があり、世界経済に負の波及効果をもたらす」と、アメリカ大統領選に言及した。

では

2024年度消費者物価指数は2.8%上昇  

内閣府が経済財政諮問会議に示した試算で、2024年度の消費者物価指数は前年度比2.8%上昇するとの見通しを示した。1月に閣議決定した見通しから0.3ポイント上方修正したもので、背景には円安による輸入物価が上昇するとしている。また、実質国内総生産(GDP)の成長率は自動車不正認証による生産・出荷停止を受け、0.4ポイント低い0.9%増とした。内閣府の試算から見えてくるのは、物価高が家計の重荷となり、個人消費を冷え込ませる構図がこれからも続くことである。

上半期の訪日客、過去最多の1778万人  

2024年1~6月に日本を訪れた外国人客は累計で約1778万人だったことが明らかになった。上半期としては過去最多となり、この状況で推移すれば、2024年の年間累計は過去最多を更新する状況にある。併せて、訪日客による1~6月の消費額は約3兆9千億円で、このまま推移すれば、年間で前年に過去最高を記録した約5兆3千億円を超えるとみられている。ただ、訪日客は都市部に偏りがちで、地方への誘致や混雑やマナー違反によるオーバーツーリズム(観光公害)への対策が求められている。

コメ卸価格、11年ぶり高値の1万5千円超  

農林水産省が発表したJAグループなどがコメを業者に卸した際の「相対取引価格」は2023年産米の全銘柄平均で玄米60㎏当たり1万5886円だったことが明らかになった。2012年産米が1万6127円となった2013年8月以来、11年ぶりの高値水準となった。背景には、2023年産米が猛暑による高温被害で供給量が少ないことに加え、インバウンドによる訪日客が増加したため外食需要が拡大したことが挙げられている。

若者世代、「心の不調」を身近に感じる  

2024年版厚生労働白書案によると、精神障害などにより日常生活に支障が出る「こころの不調」を身近に感じる人は、20代・30代で70%以上に達するとの調査結果が明らかになった。アンケート調査では、心の不調を「身近に感じる」「どちらかといえば身近に感じる」と答えた人の合計は20代で72.6%、30代も72.6%と高く、40代50代では徐々に低下し、60代は43.0%、70代以降は29.6%だった。白書案では保険や医療、福祉などの関係機関が連携した支援を重視している。

中古品販売額、12年間で倍増の6兆円 12年間で  

内閣府の調査によると、車や衣料品などの中古品販売額が6兆2千億円になったことが分かった。2010年からの12年間で2倍近くに拡大している。背景には、物価高への節約志向の高まりに加え、メルカリなどのフリマアプリの普及が挙げられている。2022年の主な内訳では、中古車が全体の過半数を占める3兆3100億円に上り、衣料・服飾品が5100億円、ブランド品が3100億円、家具・家電が2700億円などとなっている。

上半期のM&A、過去最多の2300件  

企業の合併・買収(M&A)調査を行うレコフデータの発表によると、日本企業が関わる2024年度上半期(1~6月)のM&Aは2321件だったことが分かった。前年同期比19.4%増で、調査開始の1985年以降で上半期としては最多となった。内訳では国内企業同士のM&Aが1823件、国内企業による海外企業のM&Aが340件、海外企業による国内企業のM&Aが158件となっている。

夏休み予算、前年を下回る平均5.8万円  

調査会社のインテージが15~79歳を対象に、夏休みの予算を尋ねたところ、平均は前年比2.6%減の5万8561円だったことが分かった。予算減少の理由で、「給与が増えないから」(35.2%)、「電気代・ガス代が上がるから」(33.1%)が挙げられた。夏休みの予定を尋ねたところ、「自宅で過ごす」が最も多い36.9%で、「宿泊ありの国内旅行」(19.1%)、「ショッピングや食事など」(18.5%)、「自分の実家に帰省」(12.9%)が続いた。

社会・経済の動き@しんぶん.yomu第1090号

世界の人口は2080年代半ばにピーク  

国連は世界の人口が2080年代半ばにピークに到達するとの見通しを発表した。国連の報告書によれば、現在82億人の世界人口は、2080年代半ばに103億人のピークに達すると予想し、その後は緩やかに減少を辿り、今世紀末には102億人になるとしている。今年73.3歳に達した平均寿命は死亡率の低下などにより、2054年には77.4歳に伸びるとしている。また、2080年までには世界の65歳以上の人口は18歳未満の子供の数を上回る高齢化が進み、生産性を向上させるためにテクノロジーを活用することを提言している。

プライム市場の時価総額、初の1千兆円  

7月10日の東京株式市場で、最上位にある東証プライム市場の時価総額が初めて1千兆円を超え、1000兆6979億円となった。半導体などのハイテク関連株や長期金利の上昇や外国為替相場の円安進行に伴い、金融や輸出関連などの銘柄が買われた。公表された時価総額は政府が保有する株式を除いた数値となる。2022年にプライム市場が導入される前の東証1部の時代を含め、1千兆円を突破するのは初めてのこととなる。

労働経済白書、人手不足の長期化を指摘  

政府の2024年版労働経済白書で、人口減少や高齢化を背景に「人手不足は長期かつ粘着的に続く可能性がある」と指摘していることが明らかになった。求人で実際に採用できた人数の割合は過去半世紀で最も低い水準にあるとしている。白書では、人手不足が深刻化する可能性を指摘したうえで、介護や小売・サービス分野での離職防止策として、一定以上の賃金確保や職員の負担軽減のための危機の導入、相談体制の整備などを挙げている。

日銀調査、暮らし向き悪化が過半数に  

日銀が発表した6月の生活意識アンケートで、55.7%の人が1年前よりも暮らし向きが「ゆとりがなくなってきた」と答えていることが明らかになった。前回調査の3月時点から6.2ポイント増えて、過半数となった。背景には、歴史的な円安などで物価高が進んだことが影響しているとみている。今後1年間で商品やサービスを選択する際に重視することを尋ねてところ(複数回答)、「価格が安い」が最多の59.5%だった。1年後に物価が上昇すねると見る向きは87.5%に上る。

地方税収、3年連続で過去最高を更新  

総務省の発表によると、2023年度の地方税収は速報値で1.2%増の45兆7064億円となる見込みであることが明らかになった。3年連続で過去最高を更新。企業の賃上げなどで給与所得が増えたことで、税収に占める割合が最も大きい個人住民税を押し上げることとなった。また、地方法人2税(住民税・事業税)も好調な企業業績を背景に伸びた。地方消費税は輸入時に消費税を支払うが、翌年度に還付される場合があり、2022年度に円安や資源価格高騰により還付額が大きくなり、減収となっている。

1~5月、新NISA口座開設は2.6倍  

日本証券業協会によると、税優遇措置を拡充した少額非課税制度(NISA)の1~5月口座開設数は前年同期2.6倍の224万件に上ることが明らかになった。また、株式などの買い付け額は4.2倍の6兆6141億円に上り、前年同期の1兆5813億円を大きく上回った。株式を含めた幅広い商品が対象の「成長投資枠」で投資した割合が約8割を占め、平均株価上昇を背景に、国内企業の株式を購入する傾向がみられた。

自衛官の採用達成率、過去最低の51%  

防衛相の発表によると、2023年度の自衛官採用達成率は過去最低の51%にとどまることが明らかになった。若年人口の減少や人材不足な深刻な企業などの求人募集が増加したことが響いたとしており、今年度もこの傾向が続くとしている。このため、防衛省は省内に検討委員会を発足し、給与や任用制度など処遇改善、AIなどを活用し部隊の省力化・無人化、OBや民間など外部の力を活用することなど検討していくとしている。

夏休みの予算、去年より「減らす」  

日本生命の調査によると、夏休みの平均予算は5万8000円となり、去年より1000円増えたものの、予算を「減らす」(13.0%)と答えた人の割合が「増やす」(9.6%)と答えた人の割合を上回っていた。今年の夏休みの過ごし方では、「自宅・自宅周辺で過ごす」が最も多い48.4%で、「国内旅行(宿泊あり)」(16.3%)、「近場のレジャー(日帰り)」(10.2%)が続いた。物価上昇でレジャー価格も値上がりする中で、消去法的に近場を選択する割合が多いのではないかと同社ではみている。

社会・経済の動き@しんぶん.yomu第1089号

止まらない円安、一時1ドル=161円後半  

7月1日のニューヨーク外国為替市場で、一時、1ドル=161円70銭台となり、円安ドル高となった。米国では1日朝に長期金利の上昇とともに、円が売られドルが買われた。背景には米連邦準備制度理事会(FRB)での利下げが遠のき、ドルと円の金利差が縮まらないとの観測から、高金利で運用に有利なドルを買って円を売る動きが広がっている。トランプ前大統領が当選し、高関税政策で物価高を助長することになれば、FRBによる利下げが難しくなり、さらなる円安を招く可能性がある。

日経平均株価、史上最高を更新  

7月4日の東京株式市場での終値の平均株価が4万913円65銭となり、史上最高値を更新した。前日のニューヨーク市場でハイテク関連株が上昇した流れをうけて、東京株式市場でも半導体関連銘柄を中心に買いが広がった。また、幅広い銘柄で構成されるTOPIX(東証株価指数)もバブル以来、約34年半ぶりに史上最高値を更新している。市場関係者は「しばらくは高値圏での一進一退で推移するだろう」とみている。

英総選挙、14年ぶりに政権交代へ  

英総選挙が行われ、最大野党の労働党が単独過半数を獲得し、14年ぶりに政権を握ることとなった。これまで政権を担ってきた保守党は現職閣僚や元首相が落選するなど大敗を喫した。キア・スターマー党首は国王から組閣を要請され、正式に新首相となった。労働党は生活に苦しむ国民向けの支援策を打ち出し、選挙戦を優位に進めてきた。スターマー氏は「国内で変化をもたらすと確約する一方、ロシアの侵攻を受けているウクライナを支持し続ける」と明言した。

公的年金運用実績、45兆円の黒字  

公的年金の積立金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の発表によると、2023年度の運用実績は過去最高の45兆4153億円だったことが明らかになった。黒字は4年連続。2023年度の運用実績を資産別にみると、国内株式は19兆3928億円、外国株式は19兆2952億円、外国債券は7兆8694億円と、それぞれ黒字を確保した。ただ、国内債券は1兆1421億円の赤字だった。国内外の株価の上昇に加え、円安で外貨建て資産の評価額が膨らんだ。

上半期の企業倒産、前年同期比2割増  

東京商工リサーチのまとめによると、2024年上半期(1~6月)の企業倒産(負債1000万円以上)は4931件に上った。前年同期比21.9%増となり、3年連続で増加している。上半期としては2014年の5073件以来10年ぶりの高水準となっている。背景には、円安による資源高・物価高に加え、人手不足が挙げられている。事実、全体の倒産件数のうち、コスト上昇を十分に価格転嫁できない「物価高倒産」は23.4%増の374件、求人難や人件費高騰による「人手不足倒産」は2.1倍の145件に達している。

6割近く世帯の「生活が苦しい」と感じる  

厚生労働省が実施した「2023年国民生活基礎調査」によると、59.6%の世帯が「生活が苦しい」と答えていることが分かった。前年比8.3ポイント増えており、子どもがいる世帯高齢者世帯では10ポイント以上の増加となっていた。物価高などでより厳しい家計の実情が浮き彫りとなっている。年代別にみると、「苦しい」との回答は高齢者世帯で59.0%(10.7ポイント増)。また、子どもがいる世帯では65.0%(10.3ポイント増)となっていた。

個人株主、初めて7千万人を超える  

東京証券取引所など全国の4証取は2023年度の上場会社の個人株主が延べ人数で7445万人になったと発表した。前年度比462万人が増え、増加は10年連続となった。また、2023年度末時点での個人の株式保有金額は170兆4893億円で、前年度から39兆2340億円増えている。1月から始まった少額投資非課税制度(NISA)で投資家が急増したことが背景にある。日経平均株価が史上最高を記録したことなどを背景に個人の株取引が活発になっている。

認知症の行方不明者、最多の1万9千人  

警察庁によると、2023年に全国の警察に届け出があった認知症の行方不明者は1万9039人に上り、過去最多になったことが明らかになった。前年から約300人増えている。認知症の行方不明者で無事見つかった人は1万8221人で、殆どが届け出から3日以内見つかっている。不幸にも、533人が遺体で発見されている。また、全体の行方不明者数の中で10代が1万7732人で最多で、原因・動機は「家庭関係」が約3割だった。

社会・経済の動き@しんぶん.yomu第1088号

1ドル=160円台、38年ぶりの円安水準  

6月26日に外国為替市場で、一時、1ドル=160円60銭台となり、バブル経済期が始まった1986年12月以来約38年ぶりの円安ドル高の水準となった。背景には米連邦準備制度理事会(FRB)での早期に利下げするとの観測が後退し、高金利で運用に有利なドルを買って円を売る動きが広がった。円安によってエネルギーや原材料の輸入価格が押し上げられ、8月以降、値上げラッシュが想定され、物価上昇から個人消費が冷え込む懸念が広がっている。

日本の競争力、世界38位に下落  

スイスにある国際経営開発研究所(IMD)は2024年版「世界競争力ランキング」で、日本の競争力は前年から順位を3つ下げて、世界38位となったと発表した。3年連続で順位を下げ、過去最低を更新した背景には、企業の効率性が低下したことが挙げられている。世界競争力ランキングは主要67カ国・地域が対象で、「経済実績」「政府の効率性」「ビジネスの効率性」「インフラ」の4分野で評価している。世界首位には前年から順位を3つ上げたシンガポールで、スイス、デンマークが続いた。

2023年度税収、4年連続で最高を更新  

2023年度の一般会計税収は70兆1千億円となり、4年連続で過去最高を更新することが明らかになった。背景には、企業業績が好調なことから、所得税や法人税の税収が伸びていることが挙げられている。政府は2023年度補正予算の段階で税収は69兆6110億円と見積もっているが、所得税収・法人税収は順調に推移するとともに、消費税収も歴史的な物価高を反映して増えている。政府は見積を超える部分について国債償還や防衛強化費に充てることを検討する。

昨年度の国民年金納付率、77%に上昇  

厚生労働省の発表によると、2023年度の国民年金保険料納付率は前年度から1.6ポイント上昇の77.6%だったことが分かった。12年連続での上昇となるが、一方では納付を全額免除または猶予されている人は596万人で、依然、高水準にある。納付率が上昇している背景には、口座振替やクレジットカード払いに加え、スマートフォンの決済アプリ利用など多彩な支払方法が普及していることが挙げられている。都道府県別の納付率の最高は新潟(86.7%)で、最低は沖縄(71.1%)だった。

個人の金融資産、過去最高の2199兆円  

日銀の1~3月期資金循環統計によると、3月末時点で個人が保有する金融資産残高は2199兆円だった。前年同月比7.1%増となり、5四半期連続で過去最高を更新している。個人金融資産の内訳をみると、株式等が33.7%増の313兆円、投資信託が31.5%増の119兆円となり、1月に少額投資非課税制度(NISA)が始まったことで、投資熱が高まっている。また、現金や預金は1.1%増の1118兆円、保険が1.0%増の382兆円だった。

消費者物価、伸び率拡大し2.5%上昇  

総務省は5月の消費者物価指数(2020年=100)は107.5となり、前年同月比2.5%上昇したと発表した。前月の2.2%から3ヵ月ぶりに拡大した背景には、電気代の値上げが影響したことが挙げられている。事実、電気代の伸び率は14.7%で、2023年2月から政府の補助金で電気・ガス代で抑制してきたことでマイナスが続いていたが、一転した格好だ。政府は8月から3カ月間補助する方針を示している。

公立校教職員の「高ストレス」は過去最高  

公立学校共済組合の2023年度調査によると、医師による面接が必要な「高ストレス」の教職員が11.7%に上ることが分かった。2016年度から労働安全衛生法に基づき「ストレスチェック」が実施されているが、以来年々「高ストレス」の教職員は増え続け、毎年度、過去最高を更新してきている。最多のストレス要因は、報告書作成などの「事務的な業務量」で、「対処困難な児童生徒への対応」、学校の業務を分担する「校務分掌」が続いた。

困窮世帯の6割が「夏休みは短くて良い」  

貧困問題に取り組む認定NPO法人キッズドアが夏休みを巡ってのアンケート調査をしたところ、小中学生のいる困窮世帯の6割が子どもの夏休みは「なくて良い」「今より短い方が良い」と考えていることが分かった。理由を尋ねたところ(複数回答)、「生活費がかかる」(78%)が最も多く、「子どもの昼食を準備する手間や時間がかかる」(76%)、「特別な体験をさせる経済的余裕がない」(76%)が続いた。同法人の渡辺理事長は「十分な食事がとれず、健康状態が悪化している子どももいる。政府には困窮世帯への現金給付や体験格差を埋める支援をお願いしたい」と訴えている。

社会・経済の動き@しんぶん.yomu第1087号

日本「円」の国際価値、9年前の1/3  

国際決済銀行(BIS)は日本「円」の国際的価値を示す実質実効為替レート(2020年=100)が5月は68.65となったと発表した。過去最低を更新するもので、ピーク時の1995年4月(193.97)の約3分の1にまで落ち込んだ。背景には、海外と比べ物価や賃金の伸びが鈍いことに加え、円安が挙げられている。BISの実質実効為替レートは外国為替市場でドルや円が取引される為替レートとは異なり、主要国の物価上昇率や貿易額といった経済指標を考慮した通貨の総合的な実力を表している。

貿易収支、輸出は5月として過去最大  

財務省の5月の貿易統計によると、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は1兆2213億円の赤字だったことが明らかになった。赤字は2ヵ月連続で、資源高や円安が響き、原油などの輸入額が増大したことが要因とされている。ただ、輸出は前年同月比13.5%増の8兆2766億円となり、5月としては過去最大となった。米国向けの自動車や中国向けの半導体製造装置などが挙げられている。輸入は石油製品や原油が増え、前年同月比9.5%増の9兆4979億円だった。

女性版骨太方針、賃金男女差公表を拡大  

政府が決定した女性活躍や男女共同参画の重点方針「女性版骨太の方針2024」で、男女の賃金格差を公表することを義務付けている現行の従業員300人超から100人超へ拡大を検討すると明記した。厚労省の2023年賃金構造基本統計調査によると、フルタイムで働く男性の平均給与は月35万900円なのに対し、女性は男性の74.8%にとどまる月26万2600円となっている。また、重点方針では各企業に賃金格差の詳しい実態や原因を分析するよう求めている。

食品ロス、政府目標を8年前倒しで達成  

食べられるものの廃棄されている、いわゆる「食品ロス」の国内の2022年度発生量(推計)は472万トンだったことが分かった。前年度比51万トン減で、政府が掲げる2030年度までに489万トンとする目標は8年前倒しで実現したことになる。食品ロスの内訳をみると、事業系と家庭系ともに236万トンだったが、事業系は前年度から43万トン減、家庭系は8万トン減だった。政府はコロナ禍後の2023年度以降の動向を見極めたうえで、新たな目標設定の是非を議論するとしている。

IMF、AI影響緩和で失業保険拡大を提唱  

国際通貨基金(IMF)は人工知能(AI)が雇用に及ぼす影響を緩和するため、各国に失業保険の適用範囲を拡大するよう提唱した。また、AI導入によって格差の拡大を緩和する上から、「勝ち組」企業への課税強化を図るよう求めた。IMFでは生成AIの導入によって、高スキルを要する作業も代わられる公算が大きいと指摘をしている。このため、失業保険の範囲を自営業者のほか、アプリを通じて仕事を請け負うギグワーカーを念頭に、非定型的な雇用契約の労働者に拡げる必要性を指摘している。

5月の訪日客、3ヵ月連続で300万人超  

政府観光局の発表によると、5月に日本を訪れた外国人客は前年同月比60.1%増の304万100人だったことが明らかになった。5月としては過去最高を記録するとともに、3カ月連続で300万人を超えたことになる。観光局では「中国の大型連休と重なったことや円安が追い風となったことに加え、飛行機や船の東アジアから日本各地への地方便が増えたことで、訪日客数を押し上げた」とみている。

南鳥島の近海にマンガン団塊が密集  

東京大学や日本財団などの探査で、日本の排他的経済水域(EEZ)内の小笠原諸島・南鳥島(東京都)沖にある深海の鉱床にレアメタル(希少金属)を豊富に含むマンガン団塊が2億トン以上密集していることが判明した。コバルトは国内消費量の約75年分、ニッケルは約11年分と推計されている。マンガン団塊はこぶし大の球形で、海底に沈んだ魚の骨などを核に、数百万~数千万年かけて金属が断続的に付着したものとみられる。太古から日本への資源のプレゼントといえよう。2026年から大規模な採掘を始め、商業化へ踏み出す。

梅雨時期、6割が「やる気が出ない」  

食品大手の明治が20~60代の働き手を対象に、「梅雨時期の体調に関する困りごと」を尋ねたところ(複数回答)、「やる気が出ない」が最多の59.6%だった。「不調に対する対処法が分からない」(48.7%)、「不調を感じる」(48.1%)、「仕事のパフォーマンスが下がる」(41.9%)が続いた。また、自身で取組んでいる体調管理術を尋ねたところ、「良く寝る」「階段を使って歩く」「食事管理アプリで食生活を管理」が挙げられ、睡眠、運動、食事に関することが挙げられた。

社会・経済の動き@しんぶん.yomu第1086号

骨太方針、2025年度財政黒字化を堅持  

政府が経済財政諮問会議で公表した経済財政運営の指針「骨太方針」案で、基礎的財政収支(プライマリーバランス)を以前から掲げていた2025年度に黒字化する目標を堅持することを明示した。また、人口減少するなかで社会保障を持続させるため、実質国内総生産(GDP)の成長率が1%を安定して上回る経済をあるべき姿として提示した。さらに、「物価を上回る賃上げによるデフレからの完全脱却に向け、あらゆる政策を総動員する」としている。

日銀、国債購入額の縮小を決定  

6月14日の日銀金融政策決定会合で、金融緩和政策に基づき、市中から購入している国債の額を縮小する方針を決定した。国債購入額について、植田日銀総裁は「相応の規模になる」と記者会見で具体的な額については言及しなかったものの、国債保有残高が縮小すると明らかに示した。日銀が国債購入を減らすことで、長期金利が上昇し、固定型の住宅ローンや企業での借り入れ負担が増すことになり、経済へ与える影響は少なくない。また、日銀が国債購入の減額を発表後、ドル買いが進み、円相場は一時1ドル=158円台前半まで下落した。

ジェンダー平等、日本はG7最低の118位          

世界経済フォーラム(WEF)は2024年版「ジェンダーギャップ報告書」で日本は調査対象の146カ国中118位だったと発表した。前年の125位から順位は上げたものの、主要7カ国(G7)の中では最下位だった。WEFは教育・健康・政治・経済の4分野における男女平等の度合いを分析しており、男女が完全な平等を100%とした場合、世界全体の達成率は68.5%だった。日本の達成率は前年から1.6ポイント改善したが、66.3%だった。

14年間で漁業就業者は10万人減に  

閣議決定された2023年度版水産白書によると、漁業就業者数は約12万人だったことが明らかになった。14年前の約22万人から10万人減少したことになる。また、2022年の漁業・養殖業生産量は、サンマやスルメイカの不漁が響き、前年から24万トン減の392万トンだった。白書では持続的な水産業の重要性を訴えている。また、白書で食用魚介類の1人当たりの年間消費量は2001年度の40.2キロをピークに、2022年度は約半分の22キロに大きく減っていることを記している。

3月末のNISA口座数、2322万口座  

金融庁は少額投資非課税制度(NISA)の利用状況調査で、3月末時点の口座数は2322万7848口座に上ると発表した。昨年末時点から約186万口座増えた背景には、非課税枠などが拡充された新NISAが年明けから始まったことから急増した。口座開設者を年代別にみると、40代の割合が19.3%と最も多く、50代(18.9%)、30代(17.5%)が続いた。今年1~3月の買い付け額は6兆1791億円で、商品分類別では投資信託が56.7%で最も高く、上場株式は40.2%だった。

公立小中校での給食無償化自治体は3割  

文部科学省の調査によると、公立小中学校で条件を設けずに給食を無償提供する自治体は昨年9月時点で30.5%に上ることが分かった。6年前の同調査では4.4%の自治体が無償提供していたが、7倍近くまで増加している。背景には、新型コロナウイルス対策でできた地方創生臨時交付金が後押しした経緯があり、2024年度以降は交付金の裏付けがないため、自治体の1割以上が無償化の実施予定はないとしており、継続性や地域格差の課題も指摘されている。

5月の企業倒産、11年ぶりに1千件超  

東京商工リサーチは2024年度5月度の企業倒産(負債額1000万円以上)の全国件数は1009件だったと発表した。前年同月比42.9%増となり、10年10カ月ぶりに1千件を超えた。負債総額は1367億円。倒産件数は2022年4月から26ヵ月連続で前年同月を上回っており、背景には、コロナ関連支援が終了したことに加え、足元で円安や物価高、人手不足が経営への重しとなっている。同社では、増勢をたどる可能性が高いとみている。

近年、通勤や朝食の時間が短い傾向に  

シチズン時計が首都圏在住の20~50代男女400人を対象に生活の様々な場面でかかる時間を尋ねたところ、25年前や50年前と比べ、通勤や朝食の時間が短い傾向にあることが分かった。平均通勤時間は(片道)は30分以内が28.9%で、50年前(16.8%)や25年前(9.3%)から大幅に増えていた。また、朝食を「食べない」と答えたのは全体の16.8%で、50年前(8.1%)から2倍になっている。同社では「とくに若い世代はタイパ(タイムパフォーマンス)意識が広がっているのではないか」とみている。